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杉ちゃんのWEB日記

国際山岳ガイド 杉坂 勉のブログ

2017-12-23~24 八ヶ岳・阿弥陀岳

2017-12-25 14:25:39 | ガイド山行記録

クリスマスはやはり八ヶ岳。阿弥陀岳で今季の足慣らしをしてきましたよ。

23日は美濃戸より入山。高気圧に覆われ快晴のなかのアプローチ。中山展望台からは赤岳もきれいに見えていました。

それにしてもずいぶんと雪減ったなー!

 

明けて24日は混雑を避け早朝6時に赤岳鉱泉を出発。

 

まずは文三郎を上がり赤岳との分岐を中岳へ。

 

中岳の先には目指す阿弥陀が!

中岳沢のコルで小休止。雲海の向こうには松竹に出てきそうな富士山!!

 

雄大な赤岳をバックにまだ雪で埋まり切っていない阿弥陀への夏道を越えていきます。

 

トレースはしっかりとしているので、アイゼンを効かせピッケルを使っての登高。とてもいい足慣らしになりました。

10時少し過ぎ、大分雲が厚くなってきましたが、展望がまだいい時に阿弥陀岳登頂!

さあこれでみなさんシーズンイン。年明けもまだまだこの冬を楽しみましょう!!

 


2017-12-13~14 八ヶ岳・大同心稜

2017-12-15 11:13:54 | ガイド山行記録

この日も足慣らしで八ヶ岳。おりしも今季最大の寒気が舞い降りてきた13日~14日でした!

 

まずはお決まりの赤岩の頭まで軽く足慣らし。3日前より少し雪が増えたかな?硫黄へ向かうトレースは所々埋っていました。

 

樹氷と化した風景がとてもきれいでした。

 

翌14日は5:30に赤岳鉱泉を出発。気温摂氏―15°、極寒の中の出発!

 

 

森林限界間際でアンザイレン。すでに目出帽もバリバリです…。

 

 

この日も白く雪化粧した稜線はまた格別に綺麗!

 

 

大同心基部からはいよいよ核心部に突入。まだ薄らとしか積もっていないトレースは岩も露出していて、しっかりとアイゼンの前爪を利かせながらの登高。

 

 

ロックバンドも慎重に越え、寒風吹きすさぶ横岳奥の院へ。

 

さらに三叉峰、石尊、鉾岳のトラバースと鎖場を通過。西から吹き付ける風は寒気も伴ってとてもとてもとても冷たく、速攻で指先も顔もかじかんでいきました!

 

 

地蔵の頭を越えて展望荘で一休み。振り返ると、これまで越えてきた横岳の勇姿がとてもまぶしく望めました。

さていよいよ目の前には主峰赤岳の勇姿が!まだ薄らとしか雪の積もっていない夏道を、雪煙が舞い散る中アイゼンを軋ませながら登っていきます。

 

11:00、5時間30分の末無事登頂!!日の当たる赤岳山頂は暖かったー!!

極寒の八ヶ岳を無事に終え、ほっとしながら美濃戸へ下山していったのでした。これまた今季最高の足慣らし。今シーズン大いに期待が持てますね!

 


2017-12-9~10 八ヶ岳・阿弥陀岳

2017-12-12 09:44:53 | ガイド山行記録

遅ればせながら2017~2018シーズンの冬山ガイドシーズンイン!まずは軽く足慣らしで八ヶ岳の阿弥陀岳に行ってきました。

天気はちょうどいい周期に入り、気温は結構低めでしたが最高のコンディションに恵まれました。

 

 前日夜の降雪で八ヶ岳の西面は薄く雪化粧されとてもきれいでした。入山日はとりあえず歩行技術のチェックを兼ね赤岩の頭まで足慣らし。積雪量としてはだいたい30~50cm程度。まだまだ少ないですが例年の暖冬と比べればとても真っ当な冬、正しい冬!といった感じ。

 

 

明けて翌日は6時40分に鉱泉を出発。途中行者小屋前でゆっくりと準備を整え7時45分に阿弥陀へ向け出発。

 

 

 

文三郎の登り、階段が出てくる手前で念のためアンザイレン。さらに高度を上げて行くと徐々に風が…。南寄りの風なのに寒さにまだ慣れきっていない体にはこたえる!バラクラ装着、フートも被り分岐へ。

 

分岐から一旦コルへ下りさらに中岳の登り。下層のしもざらめとその上のまだ安定しきっていない新雪、さらにはたまに引っかかる隠れ岩に足を取られながらの登高はなかなか歩きずらい!

 

 

中岳沢のコルで一休みしエネルギー補給と水分補給。態勢を整えていざ阿弥陀の登りへ。まだ積雪量も少ないので夏道をたどりながらの登高。

 

 

岩稜部分も慎重に通過し、11時少し前に阿弥陀の山頂へ到着!南稜、北稜からの登山者もたくさんおり、阿弥陀の山頂は大賑わいでした。

 

 

そして山頂からの眺めはこれまた格別!去年は1シーズン棒に振ってしまいましたが、「やっとこの世界に帰って来れたなー。」と感慨もひとしお。

さあこれで今季は無事にシーズンイン。久々に冬らしい冬みたいだし、これからもどんどん行きますよー!!

 


2017-9-23~25 北穂東稜~大キレット

2017-09-25 19:21:49 | ガイド山行記録

いよいよ秋も深まりつつある穂高。今回は北穂の東稜から大キレットを縦走してきました。

おりしも天候が安定してきたせいか、今週末の涸沢は大賑わい。布団1枚に3人!との話もありましたが、実際はそこまでにはならず、でもこみこみのヒュッテでした。

 

翌日は朝4時30分スタート。すでに夜が明け始めた中から沢を出発。

 

北穂沢を登山道沿いにアプローチし、南稜のクサリが始まるところから北穂沢のガレ場を横断。そのまま東稜へ取り付きますが、最後のガレの登りは案外悪かった・・・。

 

東稜の稜線上に出てからは、巻道は行かず忠実に稜線をたどりました。穂高の山々に囲まれた素晴らしいロケーションの中、岩稜、ナイフリッジの連続する変化に富んだ東稜を楽しめました。

核心のピッチも難なくクリア―!!

北穂の小屋で大休止ののち、本日2つ目の課題、大キレットへ。

クサリもあまりない高度感満点の岩稜を慎重に下っていきます!

 

さすがに飛騨なきからしばらくはアンザイレンしてさらに慎重に通過。

バックには滝谷の圧倒的な岩壁が!

 

最低コルからはやさしい稜線歩きが続きます。振り返れば辿ってきた大キレットが。

そして南岳の獅子鼻へ突き上げるハシゴを登れば小屋はまじか。

 

さらにこの日は夕日が最高にきれいでした!稜線の南岳小屋最高!!

 

最終日は昨日の余韻に浸りながらのこれまた素晴らしいロケーションに囲まれての下山。槍沢は先週までとは打って変わり、少し紅葉が色づき始めていました。

もう冬の気配さえ感じる中での優雅な下山となりました。このところ天気にはめっぽう恵まれた山行ばかり。これだから山はやめられなくなりますよね。


2017-9-13~15 北鎌尾根

2017-09-22 11:30:50 | ガイド山行記録

台風18号が過ぎ去った翌日から、3年越しの計画であった北鎌尾根、やっと行くことが出来ました!一昨年、去年と悪天候やら何やらでのびのびになっていましたが、念願の山行がかないました!!

 

12日はあいにくの天気だったので、入山を1日遅らし13日に中房温泉から入山。まだ靄のかかる合戦尾根を登っていきました。

 

およそ3時間ちょっとで燕山荘。稜線はまだ風がありましたが目の前には念願の北鎌尾根や反対側には遠く剱、立山まで望むことが。

 

燕山荘からは表銀座を縦走し大天井ヒュッテへ。牛首の展望台からはいよいよ近くなった北鎌尾根が!明日の天気も約束された感じです!!

夜7時には布団に入り明日に備えました。

 

さあ明けて14日は満点の星空の下、大天井ヒュッテを出発。心なしか歩きやすくなった貧乏沢を下っていきます。

 

北鎌沢の出合で使用前の記念撮影!きっと槍の方に着くころにはヨレヨレ。

 

やっとの思いで北鎌のコルへ。でもまだ元気!ここからはロープを付けての登攀開始。

 

コルからひと登りで2749mのP9。トラバースの多いルートを慎重に通過して行きます。

 

P10にあたる独標を越えるといよいよ槍の穂先が目の前に。この先もまだまだ険しい稜線が続きます。

 

ここから先、ルートも判然としない個所があり慎重にルートを読んだり緊張するトラバースを越えたり、一度千丈沢沢側へ下ってからのガレ場の登り返しと、なかなかのセクションが連続。

 

それでも何とか北鎌平までたどり着き、いよいよ最後の穂先の登り。西からの冷たい風に叩かれながら一部2~3級の岩場をスタカットで登っていきます。

 

やはり時間はかかりましたが無事に槍の穂先へ。苦労を重ねて辿り着いた先での360度の大パノラマはまた格別。この日は飛騨側の雲海がまた最高にきれいでした。

15日の朝もまだ好天は続き、一仕事終えた喜びと安ど感に包まれながら槍沢を降りて来たのでした。

 

 

 


2017-9-8~9 前穂北尾根

2017-09-11 09:34:18 | ガイド山行記録

ヨーロッパから帰っての第一弾は穂高を代表する名クラッシク、前穂北尾根。毎年一度は登る定番のルートです!

8日は上高地から横尾を経由し涸沢まで。翌9日は4時に涸沢を出発。この日は月明かりが頼もしく、ヘットランプの灯りとともに5.6のコルを目指して登ってきます。

やがて夜が明け、穂高の山々が紅に染まっていきます。1日のうちでとても気持ちのいい瞬間です。

5.6のコルで身支度を整えいざ北尾根へ取り付き!

5峰、4峰と順調に超え、いよいよ核心の3峰へ。

3峰の出だしは2~3級の岩登り。スタカットに切り替えて慎重に高度を稼ぎます。

リッジ、フェース、ルンゼと変化に富んだ登攀。最後は少し被り気味のフェースを越え、3峰を突破。

3時間ちょっとの登攀で前穂の山頂へ。背景には西穂からジャンダルムを経て奥穂へと続く長い稜線。また一つ課題をクリヤー出来ました。

さあ、次はどこを目指しますか!

 


2017-5-5~7 槍ヶ岳

2017-05-08 19:06:07 | ガイド山行記録

GW最後のしめは槍ヶ岳でした!

 

5月5日、とても良い天気の中上高地より入山。横尾経由で槍沢へ。途中幾人もの登山者とすれ違いましたが、みなさん昨日までの良い天気の中予定の山行を満喫された様子。我々は明日からの天気にちょっと不安を抱えながらの入山となりました。

 

翌日は早朝まで満点の星空でしたが、出発する頃には曇天に…。大曲から上部はご覧の通り濃いガスの中に包まれ展望なし。

途中からは大粒の雨にもたたられ、ぐずぐずの雪の中を登る羽目に。予報では昼頃より雷も!という事で必死に肩の小屋を目指しました。

この日は終日雨で視界無し。頂上アタックは断念。

翌7日は快晴の天気!なのですが稜線はものすごい強風!前日までの雨で濡れた雪面はカチカチに凍り付き、槍の穂先はとても危険な感じ。カリカリの斜面で強風にあおられれば即滑落です!!

とても残念でしたが、生きてこそのものだね。そこは潔く下山と決め7時に行動開始。肩の小屋からの出だしはカリカリの雪面。そしていよいよ勢いを増した風に一歩踏み出すのもままならない中、しっかりとアンザイレンし慎重に下山してきました。

余談ですが、帰りの長い長い道のりの中、改めて横尾~徳澤~明神~上高地の景色の素晴らしさに感激。

いつもこんなきれいなロケーションの中を歩いていたんですね~。

最後の穂先には登ることが出来ませんでしたが、とても充実した3日間でした。やっぱり自然は厳しくもありそして素晴らしい!!


2017-5-3 白馬主稜

2017-05-04 13:11:40 | ガイド山行記録

今年のGW第二弾は、ガイドの大先輩である山本篤ガイドのお手伝いで白馬主稜でした。

猿倉から一気に標高差1700mに及ぶ長大なルート。病み上がりの体で不安がありましたが、申し分のない天気と素晴らしいロケーション、そしてお客様方の頑張りに助けられ、無事にコンプリートすることが出来ました。感謝です!

4:00猿倉を出発。金山沢の出合付近で夜が明け、目の前に圧倒的なロケーションで立ちはだかる主稜が見えてきました。

 

取り付きからアンザイレンし、急雪壁やリッジをいくつも越えていきます。

高度を上げるにつれリッジは細くなり、ナイフリッジの連続!

しかし今年は雪の付き方がよく、締まった雪面を快調に登ることが出来ました。

白馬山頂へ至る最後の雪壁もご覧の通り。雪庇もあまり大きくなくしっかりとステップがついていたので難なくクリア。

気温の上昇もさほどではなく、まさに最高のコンディションで登りきることが出来ました。

下りの大雪渓もまずまずの安定。脱兎のごとく駆け下り、猿倉に2時少し前に下山。10時間の長丁場でしたがとても気持ちのよい登攀を楽しむことが出来ました!

今回も山の神様に感謝ですね!!

 


2017-4-29~5-1 北穂高岳

2017-05-01 14:51:31 | ガイド山行記録

2017年もGWに突入。今年はヘルニアの影響で山に行けるのか?との不安の声もありましたが、何とか無事に行ってきました穂高!

復帰まもなくという事もあり、北穂東稜の予定で入山しましたが今回は2泊3日ののんびり山行。天気予報も悪くないので予定通り29日上高地から入山。

雪の少なかった去年と比べ今年はまずまず例年並みか?横尾大橋を渡りしばらく行くとすぐに登山道は雪の下。

横尾の本谷橋付近からはご覧の積雪量で、例年通り涸沢の沢沿いを進むことが出来ました。

ヒュッテ寸前では寒冷前線の通過でカミナリにあい、ちょっと怖い思いもしましたが無時に涸沢入り。

 

翌30日は快晴の夜明け。昨夜降雪がありコンディションに影響が出るか不安でしたが、ほとんどは強風に飛ばされて影響はほとんどなし。

5時15分ヒュッテを出発。ただ上空はかなりの強風の模様。また長野県警の話では穂高周辺はGW前に2~3回降雪があったが北穂沢ではまだ大きな雪崩が出ていないとのこと。ちょっと不穏な雰囲気が漂っていました。

モルゲンローテに染まる北穂東稜をめざし高度を上げていきます。

  

雪面はおおむね締まっており快適ですが、雪はザラメにはなっておらずまだまだ冬の装いを残したままの感じ。

また南稜方面からスノーボールがかなりバラバラと頻繁に降ってきて、コンディション的にはあまり良い感じではなさそう。ここで予定を変更し、そのまま北穂沢をつめ北穂のピストンに。

8時、北穂の山頂に登頂。なんとなくそこから見える山々は霞んでいるような感じ。やはり明日は悪天なのか…。

とりあえず一通りパノラマ風景を楽しんだ後、風が強まりつつある山頂から下山開始。

ところが下りの北穂沢はすでに気温も上がり、雪は腐りはてて生コン状態。足を取られながらでなかなか高度を下げることが出来ません!

そのうち南稜側から小さな雪崩がちらほら。

南稜取り付きへの分岐まで来ると雪崩はいよいよ勢いを増し、点発生の表層雪崩が頻発。そのうち標高の高いところから流れてきた雪崩は、周りの雪をかき集めながらその大きさを増し、我々の脇を通過する頃には巨大なブロックの塊に!!

下を歩いていた数人を飲み込むと、一気に涸沢まで流れ落ちていきました!!!!ちなみに今回は誰も埋まることなくケガもなかったとのこと…。

我々もその後に来るであろう雪崩を警戒し、すでにデブリと化したトレースを外して安全地帯を縫うように降りていきました。

この日の行動は横尾まで。今日の出来事の余韻に浸りながら、そして改めて自然の恐ろしさに畏敬の念を感じながら、山荘のゆぶねにつかれる幸せをかみしめたのでした。

最終日の5月1日は2時間30分ほどで上高地に到着。

いやいや今回もいい経験になりました。

でもやはり、山では基本に忠実に謙虚に行動することがやっぱり大切なんだと感じた3日間でした。

 

 


2017-4-8~9 谷川岳西黒尾根

2017-04-10 14:46:40 | ガイド山行記録

ヘルニアで長いこと休業していましたが、今週ようやく復帰することが出来ました。場所は谷川岳の西黒尾根。アドベンチャーガイズ主催のツアーで、この夏のモンブラン登山に向けたトレーニング山行です。

しかし当日の天気は雨…。はじめは小雨程度でしたが高度を上げるにつれ雨足も風も強まり、クサリ場を通過しこれから核心というところで断念。

大変残念ではありましたが、ここで引き返しました。

さて今週からはさらに実践的なリハビリにシフトし、完全復帰に向けさらなる努力をいたします!GWには完全復帰にこぎつけたいところですね。