杉ちゃんのWEB日記

国際山岳ガイド 杉坂 勉のブログ

2013-12-29~30 甲斐駒・黒戸尾根

2013-12-31 11:29:28 | ガイド山行記録
年の瀬も押し迫った12月の29日~30日と、甲斐駒の黒戸尾根へ行ってきました。
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 今年は先週に雪が降ったせいもあり、甲斐駒は雪が多め。いつもならば笹の平からのおよそ200mの急登が、凍結などでとても歩きにくいのですが、なんと今年はばっちりと雪が積ったせいで快適!!


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 刃渡りもご覧の通り。雪のステップがついて歩きやすくなってました。
 その装いはまるで2月か3月のよう。雪が有ると無いとでは、イメージもだいぶ違って感じるもんですね。

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 さてアタックは翌日の30日。天気は弱い冬型ですが、この暮れの中では最もいい感じ。朝6時45分に七丈小屋を出発。すっかりトレースの付いた道は、ラッセルなど皆無。このところの低温のせいか、雪は踏まれてもふみかたまらず、サクサクで不安定なところも多々ありましたが、それでも例年と比べ積雪が夏道を適度に覆っていることもあり、楽な感じがしました。
 
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 八合の鳥居跡で小休止の後、ロープを付けいよいよ上部の核心部へ。
 九合目からは冬型の影響か風も出始め、体感温度はグッと低下。アイゼン、ピッケルをしっかりと雪面に食い込ませながら、着実に高度を稼ぎました。



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 出発から約2時間30分、貸し切りの山頂へ無事到着。

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 風は強いものの、360度の大パノラマは例年にもまして展望が良く、周辺の南アルプスや富士山、八ヶ岳は勿論のこと、遠く伊豆半島から駿河湾まで望むことが出来ました!初めて気づきましたが、甲斐駒から海が見えるんですね!!
 しかし西の北アルプスはというと、すっかり雪雲の中・・・あちらで頑張っているクライマー諸氏は、かなり大変な目に遭っているのでは・・・
 ともあれ強風の山頂を堪能し、さっそく下山。不安定な雪はアイゼンが流され、多少歩きづらい感じでしたが、雪が岩を覆い貸すように積っていたのでサクサクと下れました。
 七丈の小屋からも、適度に積った雪がとても歩きやすく、いつになく楽な黒戸尾根を堪能してくることが出来ました。

 2013年はこれで仕事納め。今年は3月のスキー検定を中心にまわっていた感が強い年でしたが、その後もいろいろと出来事が多く、波乱に富んだ年でした。しかしこうして何とか乗り切り、最後の仕事納めも無事に終了することが出来ました。これもひとえに皆様のご支援の賜物と、感謝の気持ちでいっぱいです。
 また来る2014年は、更なる発展とそして毎回無事な山行をめざし、精進していく所存です。今後とも変わらぬご支援ご鞭撻のほど、宜しくお願い致します。




2013-12-21~24 八ヶ岳アイス

2013-12-25 10:46:23 | ガイド山行記録
 今年のクリスマス、八ヶ岳でアイスクライミングに講じていました。しかもなんと今回のクライアントは、イギリス人・・・
といってもチャイニーズ系のイギリス人なので、ネイティブの英語という訳でもなく、その点では少し助かりましたが、彼は全く日本語を話さないので、コミュニケーションはすべて英語・・・。電子辞書片手に連日連夜の奮闘となりました。
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 4日間の日程の中で何が出来るか?彼は今何を望んでいるのか?どうすれば喜んでもらえるか?そんなことを片言の英語で、手探りでの展開でしたが、とにかく臆することなく、かなりブロークンなイングリッシュを駆使し??、ジョウゴ沢、アイスキャンディー、裏同心ルンゼなどで、楽しくアイスクライミングしてきました。



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 しかも彼はアイスクライミングビギナー・・・初めはこんな感じで、力任せのたどたどしいクライミングでした。



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 ところがところが、なかなかどうして、私の語学力の賜物か、最後はここまで上達!  か???
 ともあれ、少しクライミングの感覚をつかんだ模様。
 


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 最終日にはアイススクリューのセットや、アンカーの構築なども練習。

 


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 初めてのアイスクライミング、その中でアックスやクランポンの使い方、体の動かし方、はてはスクリューのセットやV字スレッドまでと、盛りだくさんの4日間。日本でのこの日々を楽しんでいただけたようで、私もとてもうれしく感じた4日間でした。 おかげで知恵熱よろしく、風邪をひいいてしまいましたが・・・





三種の神器

2013-12-20 20:06:01 | ブログ
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 今週ついに、どうしても手に入れたかった三種の神器の一つ、newクウォークを入手することが出来ました!去年から借りて使ったりしてみて、やはり軽いアックスは良いなー!!!と思っていたのでした。



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 そして、今日はその神器に手を入れ、魂を注入しているところです。
 明日からいよいよ冬のガイドシーズン突入。魂の宿ったこの神器も明日デビューです。
 スキー、アックス、そしてその他あれやこれや、これで今季の準備は万端整いました。体調の方もまずまずの仕上がり。今季の活躍に乞うご期待!!!!





岩雄塾

2013-12-17 14:24:13 | ブログ
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富山の佐伯岩雄師匠に、楽しくしごいて頂いてます!
Waybackも本日めでたく実践デビュー。バックカントリーでもまずまず滑り易く一安心!!
でも師匠の後ろの出だしのノール、急だったな…


デビュー

2013-12-08 20:32:07 | ブログ

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この土日は、かぐらで今期の秘密兵器、WAY BACKのデビュー戦を飾って来ました。
雪不足のため、ゲレンデのみのスキーだったので、まだまだ未知数ですが、オンピステでのスキーはまずまず。センター88のディメンションと、167センチの長さは取り回しが楽で、小回りには有効。あとはパウダーで、どれだけ浮いてくれるかですね。


惜別

2013-12-06 22:35:52 | ブログ
 新しいギアを買うと、とてもわくわくするものです。今年も新しいスキーを手に入れ、明日の初おろしを前に期待と不安が高まっているところです。しかし、今まで愛着を持って使っていたものと別れるときが訪れると、何というか、寂しくもあり、悲しくもあり、とても新しいものとの出会いのみを喜べるだけではありません。
今日、まさにその瞬間が訪れました。
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2005年以来、私の足として幾多の山行と、ガイド山行を支えてくれた愛車レガシィ・ランカスターが、その役目を終えることとなりました。
愛車とはいえ、この8年間はろくな整備もせず、度重なる酷使のみを強いての日々でした。しかしその酷使に耐え、幾多の危機を乗り越え、私とお客さんたちを山々へと連れて行ってくれました。
そして今年の車検を前に調べてみると、とても車検が通らない状況になっていたのです。レガシィはそんなになるまで酷使に耐え、小さな悲鳴をあげながら今日のこの日まで私に仕えてくれていたんですね。



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このレガシィ・ランカスターは私の憧れでもあり、乗りたくって乗りたくってたまらず、やっとの思いで手に入れた代物でした。しかもレガシィ・ランカスターにしては珍しく、マニュアルミッション。初めはクラッチの感触に慣れず、ちょっと手こずったこともありました。
しかし最後はこの感触がたまらず、乗っているときは手足の一部のように感じるまでになっていました。例えると、白いシャー専用ザク。




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走行距離は27万キロ。最低でも30万は乗りたかったんですけどね・・・あまりにも手をかけずに来てしまったのが、あだとなってしまったんですね・・・



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トレードマークの、この水玉模様のようなスモークシールドのリアウィンドウも、もう見ることは出来ないんですね・・・
長い間、本当にありがとう。あなたは、私のガイド人生の中の駆け出しから、そして国際アスピになるまでのひと時代を支えてくれた同志でした。本当にありがとう。





足慣らし

2013-12-05 18:18:45 | ブログ
足慣らし
友人とそのお友達の三人で、八ヶ岳の南沢で、今期初のアイス足慣らししてきました。
大滝は、思った以上の発達ぶりで、足慣らしには最適!持ち寄ったアックスを貸し借りしながら、シーズン初めの感触を確かめて来ました。