goo blog サービス終了のお知らせ 

杉ちゃんのWEB日記

国際山岳ガイド 杉坂 勉のブログ

2012-12-11~12 JAGU研修

2012-12-11 20:17:35 | ガイド研修

今週は研修ウィーク。まず第一弾はJAGUガイド研修会でスタート。

Pc100001 Pc100002

去年よりこの12月に行われるJAGUガイド研修では、ガイド技術もさることながらガイドとして知っておいた方が良い事柄や、知識を得るということで、外部から講師を呼び机上講習を行っています。

今年のお題目は「山のリスクマネジメント講座」。リスクとは何か?マネジメントとは何か?という定義から始まり、基本的なリスクマネジメントの考え方、そしてガイド山行中のリスクマネジメントの実践と、かなり中身の濃い講習でした。もちろんリスクマネジメントを本格的に受講するなんて初めてのこと。当初ははじめて聞く単語などに戸惑いながらでしたが、2日間の講習と実践でだいぶ理解が進みました。

Pc100005

10日の夜は講師を交えての懇親会。情報交換やら近況報告、そしてウワサ話など時間のたつのも忘れて語らい飲みあかし、通常の例会とはまた一味違った楽しいひと時を過ごしました。

Pc110008

これからいよいよ冬山本番。今回学んだことを活かし、安全かつ満足度の高いガイディングをご提供いたします!


合同研修会

2012-04-26 12:05:10 | ガイド研修

今週の23日~25日にかけて、立山の室堂周辺でガイド研修を行ってきました。

 これは昨年の9月にも報告しましたが、私の所属するJAGUと関西を中心とした日本プロガイド協会の有志による研修会で、普段我々がガイディング中に行っているロープワークなどの技術を、実験や検証を交えて一つ一つ見直し、より安全でより確実なガイディングができるよう精進して行こうというものです。

P4240199_2

 今回のお題目は残雪期ショートロープ(ガイドの使うロープワーク)。特にトラバース(水平に移動すること)での確実なロープワークです。GWを前にこの技術を見直し、安全なガイドをおこなうために実施しました。

P4240202_2

 地味で目立たない研修会ですが今回これで3年目。今回もこれまでの研修結果を裏付けることができたし、また新たな発見もあり、有意義な研修会でした。

 今週末間からはいよいよGW。今回も安全で確実なガイディングをご提供いたしますよ!

P,Sちなみに今日は午後7時30分より、マウンテンハードウェアー原宿店で初のイベント(読図ナビゲーション講習会)を行います。まだ募集に空きがありますので、お時間のある方は是非ご参加ください。


2012-2-7~9 ガイド研修 大山

2012-02-10 22:07:42 | ガイド研修

 北海道からとんぼ返り状態で、鳥取の大山へガイド研修に行ってきました。

 今回の研修項目は、積雪期のショートロープ技術。ところが日本列島はまたまた強烈な寒気と冬型の気圧配置に覆われ、大荒れ状態。

 それでも7日はホワイトアウト状態で視界はほぼゼロでしたが、天気は小康状態なので雪崩を避け、別山の北バットレス中央岩稜に取り付いてみました。

P1060669_2

 ルート中の岩稜はすべて雪稜と化し、次第に悪くなる天候に状況は悪化の一途。

 雪稜、雪壁、ミックス、そして最後に恐ろしいナイフリッジをこなし、頂上稜線へ出たとたんに北西からの強風にたたかれ視界をなくしての下山。久々に気合の入る下山でした。

 翌日の朝のNHKニースを見ていると、作家の五木寛之氏が新作の発表をしているところで、氏いわく「山登りの醍醐味は下山にある!」とのこと。まさしくその醍醐味を味わった下山でした。

 さすがに8日9日は山に入ることができず、元谷避難小屋周辺で雪崩捜索訓練を繰り返し行いました。

 んー、伯耆大山なかなか侮れない山ですね・・・


JAGU研修会 2011.11.28~29

2011-11-30 10:26:32 | ガイド研修

 月曜日~火曜日まで、JAGUの研修会でした。

 今回はガイドとして知っておかなければならない知識であり、しかしどちらかというと、これまでの経験とカンに頼りがちになる気象について、外部から気象予報士の猪熊隆之氏をお招きし、基礎から応用までみっちりと勉強しようということになりました。

20111128133117

 皆さんご存知の通り猪熊氏は、山の天気を専門とする気象予報士であり、自身も山登りを続けておられます。最近では山と渓谷社から山岳気象大全という本も出版されています。

 勉強会の内容は、おおよそ猪熊さんの本に書かれていることでしたが、私にとってはいくつか分からないこともあり、それに対しての回答を得ることが出来たので、なかなか有意義な勉強会でした。

 その日の夜は、JAGUの若手ガイドである成田君の実家(清里のペンションまんてん星)に集まり、遅くまで懇親会。近年まれに見る大勢の参加者だったので、大いに組合内の懇親を深めることが出来ました。私的には普段は物静かな鈴木代表がこの日は大いに語られ、今まで以上に氏のJAGUに対する熱い想を知ることなりました。改めてそれにとても感動させられました!

20111129091401

 空けて翌日は、有志のみで西上州の黒滝山・九十九谷へルート視察に行ったのですが、こちらはちょっと今ひとつ・・・お客さんをご案内するにはちょっと難のあるルートでした。

 まあでも今回のJAGU研修会は、勉強会あり懇親会あり、そして大勢の参加者があったので、とても有意義な研修会でした。


御在所ガイド研修9月27日~29日

2011-09-30 11:49:20 | ガイド研修

 昨日までガイド研修に行っていたことはブログで報告したとおりですが、今日は少し詳細な報告です。

 今回の研修は公のものではなく、ガイド仲間の有志による個人的な研修会です。始まりは3~4年前になりますか、関西の日本プロガイド協会から合同研修会の打診があり、私の所属するJAGUもそれに賛同し、開催するようになったのがきっかけです。

 研修内容も、山岳ガイド協会の主催する資格更新研修とは違い、自分達で自由に決めることが出来るので、普段のガイディングのなかで疑問に思っていることや、精度を高めたい項目をピックアップし、納得のいくまで検証や練習を繰り返し行う形で実施しています。

 過去にも6月の室堂で、残雪期のロープを使ったガイディングに的を絞り、実験と検証も交えてデータを録り、実践に反映していくという研修を行いました。これはその後、私のガイディングに大きな影響を与え、細心の注意と自信を持った行動がとれるようになったと思います。

 また参加メンバーも、初対面ではなく気心の知れた人ばかりなので、ピリッとした雰囲気の中にも、和気藹々と、楽しく有意義に研修を行えるので、これもまた研修の成果を高めている要因のひとつかなと感じています。

 今回の研修項目は、三重県鈴鹿にある御在所岳の岩稜を使い、無積雪期のロープを使ったガイディングと、緊急時対策として、救助隊を編成して行う規模の大きなレスキューの2本立て。

P9280271

 私自身去年はケガのため、夏の間はガイドをすることが出来なかったので、今回はロープを使ったガイド技術の再確認とが出来、さらに新たな課題の認識が出来たので、とても有意義でした。また前回までの合同研修にこれなかったメンバーにも、ガイド特有のロープワークの盲点、注意点を伝えることが出来たので、こちらもよかったと思います。

P9290279   P9290280

 またレスキュー研修では、普段の山行には持っていかないような特殊な装備、ぺツルのIDや、ストップ、レスキューハーネスも使い、沢の真ん中に取り残された負傷者を、脇の岩壁から対岸にロープを渡してケーブルを張り、救助者がそれを伝って助けに行くという、大掛かりで複雑なシステムを用いた研修も出来たので、こちらも良い体験となりました。

P9280263_2

 今後も季節を変えテーマを変え、より良いガイディングの実践とクライアントへの提供、そして如何なる状況にも対応できるスキルの体得を目標に、様々な研修会を継続して行っていきたいと思います。