ソウル・フォト Soul Photo

魂に響く写真を届けたい・・・。

復活

2010-03-03 23:19:27 | camera
写真:yashicaflex

 あれは、6年前の2月1日。
 夜明けの立山連峰を撮ろうとしていた。
 ピントノブを回すと異様に固かった。
 それでも、力まかせに回すと、
 ピントノブが空回りした!?
 どうやら、グリスが寒さで固まってしまったらしい。
 指がボディに張り付いたのも納得した。
 一回もシャッターを切らずに撮影終了。
 
 以前、フィルム送りノブが壊れた時
 すぐに修理してくれるカメラ屋があったので
 いつか、修理に出そうと思っていた。
 ところが、 カメラは長い眠りについてしまった。
 きっと、祖父が使わなくなった時以来の長い長い眠りになった。
 
 使うはずだったフィルムが二本。
 いつの日か、期限が切れた。
 
 先月、思い出したように、カメラを修理に出した。
 だが、分解ができない。修理は別の店に出すという。
 カメラ屋の話では、ピントノブのピンが折れている、との予想だった。
 ゆえに、修理代金も高くつくとのことだった。
 カメラ屋は中古のローライフレックスを勧めたが
 そんな余裕はない。そのまま持ち帰った。
 祖父のカメラもついに、置き物となるのか、と思うと気持ちが萎えた。
 
 今月になり、手元にあるカビたレンズを修理できないかと修理道具を調べてみた。
 いわゆる「カニ目レンチ」という特殊なレンチがないとレンズを外せない事がわかった。
 けれど、ホームセンターには該当するものがなかった。
 通販でも買えるが少々、値の張るものだった。試しに使うには勇気がいる。 
 しからばと、「スナップリングプライヤー」で、代用することにした。
 以前、仕事で使ったことがあるツールだが、まさか、カメラの修理で使うとは思わなかっった。
 
 レンズの分解は初めてだった。カビは後玉の絞り側。外からは手が出ない。
 細かいビスも外し、スナップリングプライヤーでレンズを固定しているリングを回す。
 リングは固くて力が入ったが、なんとかレンズを取り外せた。
 しかし、肝心のカビはエタノールでも取れなかった。
 浴槽の「カビ取り剤」も考えたが、レンズのコーティングまで取れる恐れもあるので、今回はそのまま、組み立てた。
 
 次はいよいよyashicaflexである。
 カメラ屋が外せなかったピントノブのカニ目の化粧板は外れるだろうか?
 心配は杞憂だった。キュッと音を立てて、そして軽くなった。
 化粧板を外すと真鍮のナットが緩んでいた。
 ピントノブを外すと、ピンが少し曲がっていたが、折れた様子はなかった。
 仮組み立てしてノブを回すと、レンズがゆっくりと繰り出された。
 なおった!
 慎重に組み立てた後、汚れていたレンズ、ボディを丁寧に掃除した。
 ピントグラスもクリヤーになった。
 今度晴れたら、フィルムを入れてみよう。

 自宅には、カビが生えたレンズや絞り羽根に油がしみたレンズが幾つかある。
 どれも、ジャンク品扱い。
 だが、写真は撮れる。新品、完動美品と比べれば、写りの差はあるだろう。
 でも、これらのレンズがなかったら、写真の腕前はもう少し低かったと思う。
 あしたまた、レンズを分解してみよう。



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