ポジティブな私 ポジ人

息子と二人旅 7.恐竜ブームと旅の終わり

むかわ町穂別は小さな町である。お昼ごはんを食べるところも、そんなに数は無いのである。

最初に見つけたのは昭和レトロな喫茶店だった。
入ってメニューを見て、どうしようか迷っていると、お店の人がやって来て「ランチのサラダがなくなってしまいました」と言う。
特段食べたいメニューも無かったことから、それを機に「じゃ、出ようか」ということになった。

博物館のそばにちょっと素敵なカフェがあったと思い、今度はそちらへと移動した。

そのカフェは、自宅を改装したと思しき、お洒落な外観である。
中に入るとお客でビッチリの様子。ほとんどの人がお水の入ったコップと紙おしぼりを前にして、料理が出てくるのを待っている態勢だ。

レジ前には、オモチャが置いてある。
子供連れの夫婦が、オモチャを購入したらしい。店主らしき高齢のご主人は不慣れなようで、オモチャの精算に、ずっと手こずっている。
5分以上待っていたが、全く埒が明かない。その内に、私たちの後に4~5人の新たなお客も並び始めた。
途中、奥様と思われる高齢の女性も厨房の方から顔を出したが、無言で引っ込んで行った。
私達は諦めてお店を出た。

そのお店の外観や店内の様子を見て、私は妄想した。

年金暮らしの老夫婦二人。奥様は料理の腕に覚えのある方で、いつか食事のお店でもやってみたい、そう考えていた。
老後の2000万円問題等、先の不安もある。食事のお店の実現に向け、自宅の一部を改装して、カフェを開いた。
場所は博物館が近いし、立地も良い。老夫婦二人でやり繰りするには、小さな町だから丁度いいのじゃないか。
そこへ、恐竜ブームである。予想したより、週末にお客が押し寄せる。まだそんなに手慣れてないのに、慣れるまもなく商売繁盛。そして、てんやわんや。

週末に出かける際は、お弁当持参が良さそうだ。自然豊かな町には、お弁当を広げるところも沢山あるし、その方が時間を無駄にせず楽しめるだろう、とつくづく思ったのだった。

この町に関して、息子は事前情報を色々持っていた。彼の後について、町の中の恐竜スポットを何か所か見て歩いた。

町には恐竜による統一感がある。こんなに統一感のある町もそうそうないのではないだろうか。


街灯にアンモナイトの飾り。かわいい。


こっちはモササウルスかな?



噴水の広場にも恐竜のオブジェ。
ティラノサウルス?ちょっと可愛らしいデザインだ。




ちょうどお昼時とあって、人もいない公園に息子と二人。

公園の水場に古代生物のレリーフ。
ふれあい公園の案内板には『「森と化石とロマンの里」穂別の町をイメージした壁泉』と説明されている。


恐竜型の遊具。


こんな風に、町全体のあちこちに恐竜がいっぱい。この町の子ども達は、小さな頃から景色の中で自然に恐竜を目にしている。それに、実際に化石が出てくる土地柄だ。中には、考古学に目覚める子も出てくることだろう。町の環境が子ども達に与える影響は大きいだろうなと思う。

ほぼこの辺りで息子が写真に収めたい恐竜スポットは終わりのようだった。

化石と恐竜に彩られた町、穂別を後にし、夕張経由で息子が札幌へ私を送り届けてくれた。

ブログを書きながら、今回の小さな旅行を振り返りながら気づいた事があった。それは、訪れた場所全てが、北大に絡んでいた事だ。

北海道大学苫小牧研究林。鈴木章記念ギャラリーは、氏が北大名誉教授。カムイサウルスの発掘の指揮を取ったのが、北大の小林快次教授。
私は北海道大学が好きなのだなあ。潜在意識の中に常に北海道大学があったのかも知れない。

実際のところ、北海道大学の研究は、道民の生活に恩恵をもたらしてくれている。
例えば近年、感染症コロナに関して、北海道大学の研究により、下水から新型コロナの流行をいち早く把握する事が出来る様になった。これは、流行をリアルタイムでメディアで報道される事で、いち早く道民も予防に努められると言うことだ。感染の拡大を阻止する事に大きく貢献している。

古く遡れば、北海道の食料に関して、牧畜や農業などの研究が、現在の道民の食生活にも多大な恩恵をもたらしているとも思う。

息子と二人で楽しく旅をしながら、私は憧れの北海道大学の素晴らしさに、少なからず触れていた。

今回、2日間ではあったけれど、刺激に溢れた楽しい旅行だった。
この旅行に誘ってくれた息子に、心から感謝したい。そして、またいつか、焼き鳥屋でサシ飲みしたいなーと思う、呑兵衛な母であった。

終わり




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