角の大型スーパーを出て、交差点の横断歩道を渡っていた時、左折して来た車を気遣って、早くどけてあげようと軽く駆けた。
そこで思いがけなくつまづいて、思わず「わぁっ!」と声が出て、転ばないようにあわてて出した一歩が「バタン!」と大きな音を立てた。
もう少しで転ぶところだった。
前を歩いていたお爺さんがビックリして私の方を振り向いたが、その頃にはもう何事も無かったかのように、私はすました顔で歩いていた。
思った以上に疲れている足腰に、やはり老人仕様の身体に変化して来ていることを実感した。
腰を下ろすことも無く、立って歩き続けてかれこれ1時間半。

帰りもまた藻岩山の緑に目を惹かれる。緑のグラデーションが何とも美しい。私は緑色が好きだ。

真駒内の雪捨て場。汚れているけど、全部雪。去年から今年にかけて随分降ったもんだ。解けない雪がまだこんなにある。


新緑の藻岩山と雪捨て場の雪。何となく対比させてみた。

どんだけ残雪の姿を写すのやら。

だってすごいんだもーん。

豊平川川の流れ。ずーっと見ていても飽きない。



そしてまた雪を撮る。しつこい。
小さな川、真駒内川があった。
大きな豊平川も小さな真駒内川も、ああ、川は良いなあ。

ほとんど写していないけれど、この周辺、真駒内公園には有名な彫刻家が制作した彫像が多い。迫力ある牡鹿の像…ちっちゃ。

大きな豊平川も小さな真駒内川も、ああ、川は良いなあ。

ほとんど写していないけれど、この周辺、真駒内公園には有名な彫刻家が制作した彫像が多い。迫力ある牡鹿の像…ちっちゃ。


桜もまだ咲いている。
今年は早めに咲き始めたけど、寒暖差が激しく、桜が一斉に開花しなかった。
同じ木の中でも、せっかちな桜は「温かいんだからもう咲いちまえ」と早く開き、慎重な桜は「ホントに咲いちゃっていいの?いやいや、まだ早いでしょう」と咲きしぶり、今ひとつの景色だった。
これからは八重桜が見頃を迎える。札幌はまだまだ桜の時期が続く。
これからは八重桜が見頃を迎える。札幌はまだまだ桜の時期が続く。
桜の木を過ぎて木立の中、頭の上から小鳥の声。かなり近い。立ち止まって声の方向を仰ぎ見る。見つけたのは、小さくて尾が長い小鳥。おそらくシマエナガ。
しばらく、姿を観察した。裸眼だし、高い木の上だから良く見えはしないのだが、小さな生き物がそこにいるだけで嬉しくなる。
ここで腕時計を見て、すでにスタートから2時間を経過した事を知る。このままだと、家に着くのは午後1時30分になりそうだ。
ここを過ぎて、足腰限界間近。黙々と歩く。
防衛省の敷地辺りに差しかかる頃には、足の裏が悲鳴を上げ始めた。シューズの底が無いみたいに感じる。アスファルトの歩道が足の裏に直に感じるようだった。
敷地内の草むらに中型の鳥、ツグミのカップルを発見して少し癒やされる。また、しばし佇み観察。野鳥との出会いが最近一番の喜びかもしれない。
私が楽しいと思う事は、戸外での野生生物との出会いなんだなあ。
昔からテレビで野生の王国など、動物の番組が大好きだった。
動物と触れ合うことは苦手だけど、ただ見ているだけが好きなのだ。
ツグミに別れを告げ、「もう間もなくだ」と自分を鼓舞し続けて、家に到着。
身体がギシギシいっていた。
時々立ち止まったけど、歩き続けて3時間。歩数計を見てみるとトータルで17,025歩を記録した。いやー、歩いた歩いた。
帰宅して一息ついていると、電話が鳴った。出てみると、一年に1回あるかないかの母からの電話だった。
「母の日に何もいらないからね」というプレゼント牽制の電話だった。やれやれ。
タッチの差で送ってしまった事を伝え、気にしないように、安いお菓子である事を強調してた。
それでも、「美味しいチョコのお菓子だよ」と伝えると「あら、ホント?」とちょっとうれしそうだったのが救いだった。
母は“私に散財させた”ことが心苦しいのか、後日食事に連れて行ってくれることになった。
プレゼントが、結果的に母に会うきっかけを作ってくれた。同じ札幌に住んでいながら、母と会うのは何年ぶりだろう…。
とにかく、こうして母の日のプレゼントを送るというミッションは完了し、3時間に及ぶ(道草の時間が多かったが)ウォーキングのゆるい試練は終了したのだった。
終わり。