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疑惑を抱えた2人が何を? 世にもおぞましい日米首脳会談

2018-04-18 | いろいろ

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疑惑を抱えた2人が何を? 世にもおぞましい日米首脳会談


 6回目の日米首脳会談を前に、安倍首相の口からやたらと威勢のいいセリフがポンポン飛び出している。北朝鮮問題では完全に蚊帳の外に置かれているにもかかわらず、「南北首脳会談や米朝首脳会談における基本方針を固めたい」と強がり、化学兵器使用疑惑が持ち上がったシリアに対する米英仏による攻撃を受け、「シリア問題、中東問題について話をしていきたい」と気勢を上げる。

 6月上旬までに実施予定の史上初の米朝首脳会談で日本人拉致問題を取り上げるよう働き掛け、北朝鮮の核放棄を確認するまで経済制裁を緩めないようクギを刺す一方、シリア問題を北朝鮮に対する「間接的な圧力」にする狙いがあると解説されている。とどのつまり、トランプ大統領からひと言でも安倍寄りの発言を引き出し、“外交の安倍”の再演で政権浮揚を図るもくろみなのである。

 そもそも、この会談はなぜセットされたのか。

 「日米は100%共にある」「日米同盟はかつてないほど強固」と繰り返し、拳を振り上げて対北圧力を叫んできたのに、トランプが突如として融和政策にカジを切り、米朝会談を決定した。寝耳に水の急展開に慌てた安倍は、トランプとの電話会談で予算成立後、最短スケジュールの4月初旬の訪米を打診。それもトランプの都合で先延ばしにされ、17~20日の日程でようやく着地した。

■ 内閣支持率26.7%に急落

 この間、安倍を取り巻く状況は一層悪化。モリカケ疑惑の再炎上、働き方改革をめぐる厚労省の不正データや野村不動産の過労自殺、防衛省の日報問題などが政権を直撃し、内閣支持率はつるべ落とし。

 13~15日に実施されたNNNの世論調査では支持率は26.7%まで下落。ついに3割を切り、危険水域に突入した。第2次安倍政権発足後、報道各社の調査で最低の数字だ。

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言う。

 「安倍首相は政権基盤が弱くなると外遊に出かけ、カネをばらまいて外交ショーを演出し、大国ヅラすることで支持率回復を図ってきました。そうした姿勢は露骨に強まり、日米会談で何としてもいいところを見せ、点数を稼ごうと必死です。かたやトランプ大統領の足元もグラグラで、ロシアゲート疑惑などで支持率は下落傾向にある。米朝会談やシリア攻撃も11月に控える中間選挙に向けた成果づくりの一環です」

 安倍もトランプもグチャグチャの内政を抱え、外交を世論対策に利用しようとおのおの企てているのである。

 元外務省国際情報局長の孫崎享氏がこう言う。

 「シリアのアサド政権は全土をほぼ制圧しています。このタイミングで化学兵器を使用する動機も理由も見当たらない。にもかかわらず、米国はアサド政権による仕業だと断定し、OPCW(化学兵器禁止機関)による現地調査も検証も待たず、国連安保理の決議もないまま軍事力を行使しました。背景には米国と親密なイスラエルの安全保障問題もある。シリアの隣国であるイスラエルにとって、敵対関係にあるイランが支援するアサド政権の復権は受け入れられない。北朝鮮問題を重視する日本はあらゆる動きを北朝鮮と結び付けようとしますが、シリア問題との関連は5%もありませんよ」

 疑惑まみれの2人が画策する刹那の目くらましの不毛と無定見の恐ろしさがアリアリである。


連日の訪米勉強会で作成される売国メニュー

 日米会談のもうひとつのテーマが通商問題だ。

 米国第一主義のトランプは3月に安全保障上の理由で鉄鋼・アルミ製品への新たな関税措置を導入。同盟国の日本を適用除外にしないばかりか、安倍を名指しして「こんなに長い間、米国をうまくだませたなんて信じられないとほくそ笑んでいる。そんな日々はもう終わりだ」とコケにした。

 好条件での再交渉を前提にTPP(環太平洋経済連携協定)への復帰検討を始めると、安倍は急きょTPPを担当する茂木経済再生相に訪米を指示。カウンターパートにUSTR(米通商代表部)のライトハイザー代表を想定した新たな対話の枠組みを提起するという。もっとも、追加関税もTPP歩み寄りも、日本が避けてきたFTA(自由貿易協定)などで2国間交渉に持ち込むための呼び水だともっぱらだ。

 高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)はこう言う。

 「関税措置を回避する道は、トランプ政権が求め続けている日米FTAの交渉開始しかないでしょう。しかし、それを受け入れたら、多国間協定にこだわり、日本が主導した米国抜きのTPP11が宙に浮いてしまいます。それでも安倍首相はトランプ大統領からのプレッシャーに耐えかね、日本市場の開放に踏み出してしまうのではないか。そんな懸念が高まっています」

 米国の農業界は、トランプが中国に仕掛けた貿易戦争への報復措置で稼ぎ頭である中国市場を失う危機感を募らせている。その穴埋めになるのが、日本市場なのだ。

 さらに、自動車業界をはじめとする複数の日本企業による直接投資プランも浮上している。米国内に生産拠点などを新たにつくるほか、米企業のM&A(合併・買収)を進めて投資を加速させる提案を検討していると報じられた。雇用創出にこだわるトランプにとって、わかりやすい手土産になるというのである。

■ トランプはハナから交渉する気ナシ

 安倍は4月に入って連日、官邸で訪米に備えた勉強会を開催。外務、財務、経産、農水、国交、防衛各省から幹部が参加。都合2時間を超える日があるほどの熱の入れようだが、その結果がこうした売国外交なのだから、目もあてられない。

 勉強会に日参する柳瀬唯夫経産審議官も訪米に同行。加計学園による獣医学部新設計画をめぐり、首相秘書官として官邸で愛媛県と今治市の職員と面会し、愛媛県が作成した備忘録に「本件は首相案件」との発言を記載された渦中の人物である。各社の世論調査で約7割が証人喚問を求めている。追い詰められた首相と元首相秘書官がトランプ相手にディールという冗談のような亡国貢物交渉の行く末に、マトモな展望が開けるはずがない。

 日米会談の会場はフロリダ州にあるトランプの別荘「マール・ア・ラーゴ」。トランプのリクエストに応じ、結局ゴルフをプレーするという。

 「日本の国益を考えれば、今回の日米会談は外交手腕が問われる非常に難しい交渉です。そんな席でゴルフに興じるなんてあり得ません。ゴルフ外交を通じて信頼関係を深めるとかいわれていますが、トランプ大統領は安倍首相をハナから交渉相手と見なしていないのでしょう。これまでの付き合いを考えれば、議論をしようがしまいが、最後は自分の言いなり。政権基盤の弱体化でますます足元を見られ、何を言ってもイエスと応じるとタカをくくっているのです」(五十嵐仁氏=前出)

 大義も何もない世にもおぞましい日米首脳会談。安倍をズルズルと延命させた代償は国民一人一人に重くのしかかることになる。
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