拈華微笑 ネンゲ・ミショウ

我が琴線に触れる 森羅万象を
写・文で日記す。

  春の海こそジャズ

2014年07月10日 | 色読是空
  数日間、日本から来た友人一行と過ごしスイスにいながらにしてスイスじゃないどこかに迷い込んだような・・・彼らと別れ 軽い疲れがどっと出ると
  同時に季節が『秋』か?・・・と思うくらい気温が急直下して 頭がボーっとしている昨夜 
  ジュネーブの領事館が主催した『中村明一コンサート』(スイス・日本交流150年記念の一環の催し物)へ行ってきた。

  あの松岡正剛も褒める尺八奏者をひと目見ようというわけで 出不精なボクは相方を伴いジュネーブに出かけた。

      
   五月にパリに行った時の写真・・・月にUFO?   ボクの春の海

  中村氏はこの後 モントルージャズフェスティバルに参加するそうだが、ボクには彼のバンドによる耳をつんざくジャズよりは 
  琴と尺八のみで演奏された古典『春の海』のほうがよほど ジャズで 斬新で ダイナミックで 日本的としか言いようのない底無しの深さに感動した。

  最近こういった『日本』にこちら海外で出会う時 それは揺るぎない『日本文化』として日本国から独立してひとり歩きしている事を
  確信するのだが、こうした『美しい日本』とのたまう安倍晋三自身が 大事な後継者を摘み取るような政策に 一層悲しみを覚える。

  その感情は 今日、読了した 雨宮処凛さんの本『排除の空気に唾を吐け』で百倍増してしまったようだ。

  本の見出しの一つ『90年代は雇用が猛スピードで破壊された時代』がこの本のすべてを象徴するような出来事で埋め尽くされている。
  1991年に渡欧したボクは この本を読むまで 日本の90年代に何が起こったのか全く知らずにいた・・・。
  フリター元祖的生き方をしていたボクには この本を読むのは辛かった。
  『雇用が猛スピードで破壊された時代』とは 金の亡者となった人間性欠落の社会システムのもとで働かなければならない状況であろう。
  
  


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