日々是好日(膵臓癌と向き合う日々)

膵臓癌になって思ったことや感じたこと、その関連の情報を書いてゆきたいと思います。

がん対策基本法動き出す

2010-09-01 19:18:07 | 膵臓癌

 先日、入院しているホスピスで開催された癌サロンに参加しました。私が住んでいる奈良県では公式ながんサロンは以下の3箇所で開催されており、開催場所の施設で治療を受けていないがん患者、その家族、医療従事者他の方も自由に参加できます。私が参加した日は約10名ぐらいの参加があり、1名が奈良県のガン対策の担当者の方、2名が地域支援センターの方、1名がホスピスの看護師兼患者の方、その他ががん患者およびその家族でした。がんと言うのは、診断、治療の選択等が急ピッチで進みますので、それらの対応がひと段落するまで、がんサロンに参加して情報収集と言うのは難しい気もしますが、一旦落ち着いた時点で精神面のケアー面で参加してみるのは大変ためになると思いました。

名称             施設名            開催日時                  問い合わせ先
ほっとサロン 飛鳥     国保中央病院        毎月第2水曜日 13:00~15:00      同病院 地域支援センター 0744-32-8800(代)
がんサロン「くつろぎ」   県立奈良病院        毎月第3火曜日 14:00~16:00      同病院 相談支援センター 0742-46-6001(代)
患者サロンなごみ     県立医科大学附属病院  毎月第1・第3金曜日 13:30~15:30    同病院医療サービス課 総合相談窓口 0744-22-3051(代)

あと、本サロンに参加していろいろな情報を得ることができましたので紹介したいと思います。
(1) がん情報サービス
 独立行政法人 国立がん研究センターがん対策センターのHPに、がん情報サービスのパートが追加され、患者目線で役に立ついろいろな情報が掲載されるようになりました。H20年末からH21年前半にかけて私がいろいろと情報をインターネットであさっていた時にはこのホームページには気がつかなかったのですが(存在しなかった?)、このHPにある情報で私が役に立つと思ったものは、
a) 患者必携
  がんと診断されたとき、精神的なショックを受けているのにも関わらず、情報が少ない中次々と判断を求められてゆきます。その際に家族を含めどのような対応をしたらいいのか、どのような情報をあつめるべきなのか、医者との付き合い方はetc.が重要と成ってきます。また、一旦治療が落ち着いたあと、食事等を含めその後の療養生活どどのように過ごしたらいいのか等もなかなか適当な情報がありませんでした。この患者必携は、患者目線で必要な情報、ツールがまとめられています。.なお、今後、これらの冊子はがんと診断された際に患者に手渡されるようになるようですが、現実は、同センターが発行するがんの種類別にその概要を説明した冊子同様、印刷物が同センターから十分な量、医療機関へ配布されるのはなかなか難しいような気がします。
   ・ がんの情報を取りまとめた「がんになったら手にとるガイド」
   ・ 患者さんが理解したことや知りたいことなどを書きとめて整理できる「わたしの療養手帳」
   ・ それぞれのがんの療養生活で役立つ情報を集めた「各種がんの療養情報」

b) がんの種別毎に説明した冊子
 この冊子は、私が平成21年の初頭に入院した際にも病院に置かれていましたが、在庫が切れていて置かれていないがん種別もあり、膵癌もその1つでした。

c) がん拠点病院のリスト
 がん拠点病院のリストもありますが、手術自体がもっとも難しい膵臓癌の場合、その施術者の熟練具合が問題となるため、こちらのリストよりパンキャンジャパンの膵臓がん専門病院一覧(症例数)から選択されることをお勧めします。


(2) 相談支援センター
 がんとわかった時点で一度訪ねて見られることをお勧めします。相談支援センターでは以下の業務が行われています。
 ・ がんの病態、標準的治療法等がん診療及びがんの予防・早期発見等に関する一般的な情報の提供
 ・ 診療機能、入院・外来の待ち時間及び医療従事者の専門とする分野・経歴等、地域の医療機関及び医療従事者に関する情報の収集、提供
 ・ セカンドオピニオンの提示が可能な医師の紹介 
 ・ がん患者の療養上の相談

これら以外にも同サイトには色々な情報が掲示されていますので、一度、じっくりと見られることをお勧めします。

なお、これらのがんに関する患者目線の情報の整備等を含む包括的な取り組みは、平成18年5月22日参議院本会議にて民主党の山本孝史議員が自らのがんを告白し、法案の早期成立を訴えられ、同年6月18日に成立したがん対策基本法によるものです。なお、山本議員は平成19年12月22日に逝去されています。同議員のご冥福をお祈りしたいと思います。

それにしても、今党内勢力の巻き返しに必死で周りが見えていない民主党小沢氏およびそのグループの議員達はいったいなんだろう?



 
 


これまでの経過(その6)

2010-08-30 20:15:45 | 膵臓癌

8月26日に経過観察のため、CTを撮りました。結果は、2ヶ月前の前回と変化なし。膵臓の腫瘍の大きさ、膵菅の拡張状況、肺転移の疑いの陰影等も変化なしでした。変わったのは、副腎皮質ホルモン剤をプレゾニンからリンデロンに変更した影響によるのか、肝臓の脂肪変性(いわゆる脂肪肝)がみられるようになってきことです。リンデロンの点滴をやったあと、全くなくなっていた痰と咳とが、またほんの少しですがぶり返してきたので、肺への転移の影響がでてきたのかなと心配していたのですが、その心配も杞憂に終わりました。まずは、一安心です。この調子では、無理だと思っていた仕事への時間、業務内容を限定した形での復帰も射程範囲に入ってきたかなと思っています。

話がかわりますが、今週土日で前の会社の友人2人と福井の粟津温泉に行く予定です。昨年5月に愛知県奥三河の湯谷温泉に行って以来約1年半ぶりの再会です。1年半前は、20年前に行ったアメリカ大名旅行を再現する予定だったのですが、突然、私が病気になったため、国内の温泉に変更になりました。因みに湯谷温泉では、川沿いにある湯の風Hazuと言うホテルに泊まったのですが、食事、川に面した露天風呂(HPにある写真そのものです)、川のせせらぎ、新緑が最高によかったです。残念なのは、川に面したテラス等のホテルの設備が老朽化していた点ですが、設備面のマイナスを差し引いてもこの宿はお勧めです。

粟津温泉もよかったら報告します。


これまでの経過(その5)

2010-07-16 11:16:01 | 膵臓癌

 3月下旬ぐらいから体調を崩し、それに伴い食事があまりとれなくなってきたので、4月16日に自宅の近くにあるホスピスに入院しました。というのも、今は東北大学病院でWT1ワクチンを受けているのみで、一般の病院に入院してもなにも他の治療をするわけではないこと、また、さらに体調を崩したり、痛み等ができたときにホスピスの方が適切な対処がとれると感じたからです。幸い入院したホスピスは一般の病院も併設しているので胆管が詰まった時等において、内科的、外科的な対処も可能なので安心です。


 病状の経過ですが、4月の入院後しばらくは痛みも違和感も全然なかったのですが、5月下旬倉から腹部の違和感が徐々に増し、椅子に座っているのも苦しい状況になりました。それまでは、本を読んだりしていたのですがそれもままならずベッドで横になる日が多くなってきました。また、昨年6月から続いているひどい鼻炎と痰が益々悪化してきてました。


 そして、6月2日の朝、体が熱っぽいと思ったらなんと39度、血液検査では、血中に膵臓の消化酵素とアミラーゼと筋肉の溶解の程度(今回の場合はたんぱく質消化酵素のアミラーゼによるであろう)を示すCPKの値が高くなっており、拡張していた膵管が耐え切れなくなり、血液中に膵液が流出したようです。間質性肺炎でステロイドの知識はあるので、以前からホスピスの先生から癌によるサイトカインの悪影響をとるためにステロイドを試してはどうかと薦められていたのですが、ステロイドの使用は断っていました。しかし、今回はさすがにお願いしました。まず、最初にリンデロン2mg(プレゾニン換算で20mg)+抗生物質の点滴を5日間つづけ、それ以降はステロイドの錠剤を同じ量飲んでいます。点滴の結果は直ぐに現れて、翌日には熱が下りました。アミラーゼとCPKの値も、7月15日の採血ではアミラーゼはほぼ正常値に近づくとともにCPKは正常範囲内になりました。また、不思議なことに、昨年6月以来続いていたひどい鼻炎と痰もでなくなり、同時に異常を示していた血液検査項目、白血球値(9000以下が正常が15000程度を遷移)、CPR(0.2以下が正常が5程度を遷移)が、正常範囲内に戻ると共に、好中球とリンパ球(20%以上が正常値が4%程度)のバランスも少し改善し、リンパ球の割合10%程度に改善しました。今は、食事も3食普通に取れていますし(逆にステロイドの影響で少し食べすぎぐらい)、雨の降っていない日は1時間ぐらい散歩できるまで体調も大分回復してきました(最初は、5分ぐらいの散歩でへばっていましたが。。)。


ステロイドでよくなったので、私の病気は癌ではなく自己免疫性膵炎の可能性もあるとおもったのですが(自己免疫性膵炎の血液検査による判断基準から見ると、赤血球減少、リンパ球減少と言う面で該当していた。ただ、昨年やってもらった血液検査で自己免疫性膵炎でよく見られるマーカであるIgG4のの上昇はみられなかった)、それは少し甘かったようです。ただ、7月に入って取ったCTでは腫瘍の陰影は拡大しており、ステロイドにより縮小していませんでした。まあ、今は痛みや強い違和感と言った症状がでていませんのであまり関係ありませんが、CTの映像によると癌は当初の直径2cmぐらいから6cmぐらいに拡大しています。ホスピスの先生によると、癌患者の3割ぐらいは痛みが出ないようです。


今、一番気になっているのは体重が病気の前から22kg落ちて46kgになったことです。4月の入院時から比べても5kgへっており、一向に増える気配がありません。肉がないので、なにをしても骨が直接あたり、ベッドの上に座っていてもつらいです。まあ、周りの入院患者さんのことを考えると贅沢な悩みですが。


6月の悪化を経験して以降、幸福論や仏教、哲学の本を読み始めました。今後、これらの本や再び聞きなおしている私のCDライブラリについてブログに書いてゆきたいと思います。


これまでの経過(その4)

2010-04-02 16:18:19 | 膵臓癌

3月始めにCTを撮りました。結果、これまで腫瘍本体の拡大や転移がない、から、腫瘍本体が拡大プラス肺への転移の疑いあり とのこと、少しがっくりです。一方、CTの結果(奈良の病院で撮った)をもってWT-1ワクチンを受けている東北大学病院で血液検査を受けてみたら、マーカのCA19-9は前回に引き続き減少していました。どう見たらいいのだろう?


それにしても、最近体調があまりすぐれません。昨年夏ぐらいから出ているたちの悪い鼻炎が益々ひどくなっていくのに加えて、1週間ぐらい前から背中に重い痛みが出てきました。このことについて間質性肺炎でお世話になっている呼吸器内科の先生に”肺への転移の影響で痛みがでているのですか”と聞いてみたら、”肺の癌はこのくらいの大きさでは痛みがでません。その代わりせきが出てくるようになります。”とのこと。悪くなると色々と考えて自分で落ち込んで行ってしまうので、正確な情報は必須です。


膵臓癌と診断されて既に1年3ヶ月が経過しました。発病以降、会社を休んでいます。北欧の会社に勤めているので福利厚生が非常にしっかりしており安心ですが、これが英米(i.e.アングロサクソン系)の会社だったらと思うとぞっとします。同じ外資といっても全く違いますので。


WT-1ペプチドワクチン1クール目の結果

2009-08-16 23:13:22 | 膵臓癌

8月13日にWT-1ペプチドワクチン治療の1クール目の最終回である8回目の治療を受けに東北大学病院に行ってきました。初回の5月22日から約3ヶ月自分でもよく行ったなと思います。その際に奈良の病院で5月13日と8月3日にとった造影剤使用のCTの画像を持参し、先生に診てもらいました。結果は、ガンは大きくなっておらず(感じ少し小さくなったようにも見える?)、転移もしていないようです。5月の際も1月からあまり進行していなかったので、これで今年の1月から約7ヶ月、ガンはおとなしくしているようです。


ちなみに、抗がん剤のTS-1は2クールで止めました。理由は、
*TS-1の原発巣への奏効率が4%しかなく、わたしの場合は転移がないこと。
*TS-1が効く場合は2クール目迄に90%弱の人に効果がでること。
*私が知り合いになったがん患者間でTS-1の評判があまりよくなかったこと。
などなどからです。

ガンは進行していなかったのですが、実際の体調はアップダウンがありました。最悪は6月中旬から7月末ぐらいまで、最低時体重は更に5kg減って(昨年12月のガン発症時から比べると15kg減)53kgとなり、37度から38度弱の熱が続くし、咳は止まらないし、最悪でした。犬の散歩も、まあ夏の暑さもありますが、体調悪化と気分が乗らず行かなくなりました。今は少し持ち直して、体重は56kg程度、熱も37度弱に落ち着いてきています。今は気分的には、TS-1を始める前の4月の状況に持ち直したような気がします。


WT-1ペプチドの治療ですが、今回の治験は8回で終了なんですが、幸い厚生労働省で次のプロジェクトが承認され、今後も東北大学病院で治療を継続できるようになりました。それも無料で。東北大学病院の江川先生に感謝です。


よって、ここ暫くはまた仙台詣でが続きます。ガンには私の体からご退出願うか、少なくともウロチョロや領地拡大と言った変な気をおこさずに、大人しくしてていて欲しいものです。