今日のバンキシャの特集は「"激安競争"ついにここまで・・・止まらない"デフレ"の現場」。
内容を要約すると
安い商品が蔓延すると企業の売り上げが下がる
↓
売り上げが下がれば給料も下がるし、倒産が増える
↓
一般家庭も収入が入りにくくなるし、失業者が増える
↓
結局だれも幸せになれないというもの。
番組内で紹介されていたジーンズメーカーの現状は悲惨の一言。
国内の工場を閉めて海外につくっても、値段が2万円から1万円。
大手販売店に1000円を切る値段で売ってこられた日には、どうあがいても太刀打ちが出来る訳ない。
そもそもこうした流れが国内の求人率を下げ、格差社会なんてものを作った原因なのに。
しかしそれでも物の価値が分かる人は高い方を買ってくれるでしょうが、このまま収入が下がり続ければどうしたって安いものしか買えなくなる。
そうなればいよいよ質の良い物は売れないという理由で、この世から消えざる終えない。
これはどんな産業でも言える事ですが、『頂きなくして麓もなし』。
なんでもかんでも低価格、低品質という世の中になれば、当然高価格、高品質のものはなくなる。
それは産業を山に例えれば、ドンドン山頂が下がっていって、最後は平らな地面だけになる事だ。
もっと恐ろしいのは、平らにするだけでも飽き足らず、ユニクロ辺りに至っては元々安い商品をさらにタイムサービスで安くするという事を平気でする点だ。
これは平らにするどころか、もはや墓穴を掘っているとしか思えない。
早朝6時に開店してまで安く売る必要がどこにあるんだろう?
安くても自信を持てる品質として売り出した自社商品の価値を、自ら下げる行為に何の意味がある?
真っ当な売り手なら、その商品の持つ価値を必要以上に下げるというのは愚公の極みにしか思えない筈なんですが。
こうした行為を平気でする売り手も恐ければ、そうした事を一切気にせず無頓着に朝から並べる2000人という人の数にも薄ら寒いものを感じざるおえない。
大体元々の値段が低価格でしか作れないなら、作り手だって製作過程で選べる選択肢が限られてしまうし、単純作業化を余儀なくされてしまい、技術力、発想力も衰えてしまう。
豊さというのは本来、多種多様なものが存在するという点にあると思うんですが、そういう意味で今の日本を考えると、安いから物は多くあるかもしれないけど、選べる、もしくは本当にお金を出しても買いたいという類の物はそんなにない。
これって本当に消費者にとって良い事なんでしょうかね?
もう少し一人一人がこうした事を真剣に考えても良いんじゃないですか。
とりあえず私は値段の安さばかり強調して、我が物顔で他産業に入ってくる巨大企業の無頓着さには辟易。
最初に紹介した流れで自分たちの首を苦しめているんだから、もう少し餅は餅屋って言葉もあるし、他人の畑を荒らす前に自分達のホームグラウンドで頑張ってみればと言ってみたい。
安易な価格破壊は全体を苦しめるだけなんて、マクドナルドが二昔前に出した結論だったし。
最後にちょっとだけオマケ話
バンキシャが番組内で散々低価格におけるデフレの悪影響を語った直後に流れたCMが、某大手スーパーが謳うキャッチコピーが『安いは愛だ』のアレ!
散々こういうのが悪いといっておいて、お金を払ってもらっている企業に対して最悪のタイミングでCM流すその気遣いの無さには笑うしかない。