今年もステイゴールド産駒が活躍してくれ、ここ数年間その輝きに陰りを見せていた豊さんがダービーを制して再び輝きを取り戻したり、ややフライングな発言ですがロードカナロアが久しぶりに短距離馬の年度代表馬誕生にふさわしい記録と記憶を残したりと、競馬場を舞台とした記憶では喜ばしいことがとにかく多かった年に思えます。
その反面、馬産地から届く訃報には耳を覆い、眼を瞑りたくなるようななじみ深い面々がこぞって旅立ってしまった辛い年になりました。
トウカイテイオーを筆頭に、やっと今年再会を果たしたタンホイザ、今夏は諸事情から会えなかったイソノルーブル、ミスタートウジン、わずかな時間ながら最後にその顔を見れたのが救いとなったダイユウサク、ここでも取り上げたオレハマッテルゼ、イーベルツェーン。
4月にも大勢名馬が旅立ちました。
最後の先生とも言えたブライアンズタイムとの突然の別れに始まり、私の中で歴代好きな牝馬ランキングで殿堂入りしているエアグルーヴ、シンザンの記録を視野に入れていたハギノカムイオー、ドバイWCを勝った馬とは思えないほど愛らしい性格だったキャプテンスティーヴも世を去りました。
3月にはシンザン系の忘れ形見マイシンザン、アフリート初期の傑出馬ゴールデンジャック、そして七夕にはデュランダルが逝ってしまいました。
現役馬でもその復活を願ってやまなかったジョワドヴィーヴル、今年の活躍を期待されていたフィフスペトルと才能豊かな2頭をはじめ、やはりつらい別れを経験した年ではありましたが、とにかく引退馬の訃報が多かった気がします。
そして来年もきっと多くの出会いと別れを経験することになるでしょう。
だからこそ『一期一会』という言葉に表されているような気持ちをもって、今を共に生きている存在との出会いをこれまで以上に大切にし、去って行った大事な存在との記憶を守っていきたいと思います。
この記事を読んでくれた貴方にとって、来年も良いお年であるようにお祈りして、本年最後の記事を書き終えようと思います。