すずか*ぜ便り

季節の花や風景、美味しいものなど、日々の暮らしで見つけたものを気ままに撮っています。

星組「霧深きエルベのほとり」。

2019-03-28 | 観劇&映画のこと

 

 

 

星組公演「霧深きエルベのほとり」を観劇しました。

 

 劇作家・菊田一夫が宝塚歌劇のために作った作品で

何度か再演されています。

 

水夫のカール(紅ゆずる)と

名家の令嬢・マルギット(綺咲愛里・きさきあいり)の

‘身分違いの恋’の物語。

現代にも通じるテーマではありますが、

セリフの言い回しの古さが気になりました。

まさか初演(1963年)のまんまですか?

 

たとえば、カールが使う「気が差す」。

オバさんの私ですら聞いたことなく、死語では?

(調べてみたら‘後ろめたい’とか‘気がとがめる’という意味らしい)

 

カールのプロポーズを受け入れたマルギットが

「毎年新しい‘着物’が欲しい」とカールにおねだり。

え?着物?

ふつう洋服とかドレスじゃない?

今着物といえば和服のことですから、

ドイツのお話に和服が出てきた、みたいな

ちぐはぐな感じを受けました。

‘着る物’という意味で使われていることはわかるけど・・・

今時‘着物’は使わないです。

 

そうした脚本の古さはあるものの、

マルギットの邸宅であまりに場違いな自分を知り

「自分と結婚したら、マルギットは幸せになれない」と

姿を消したカールの気持ちはわかるし

それでもマルギットを好きでしかたがないカールが

酒場の女・ヴェロニカ(英真なおき)に本心をぶちまけて

膝で泣き崩れるシーンには涙を誘われました。

 

専科の英真(えま)さん、

いつもいい仕事してますよね~。

よしよしと慰める元星組組長の英真さんに

べにちゃん(紅ゆずる)が甘えているかのようでした。

 

演出の上田先生は、かつて

雪組で上演された「星逢一夜(ほしあいひとよ)」(主演・早霧せいな)という

藩主の息子と百姓の娘との身分違いの恋を描いたお話を作、演出し

好評を博しました。

 

身分違いの恋’は先生のツボなのかしら?

はさておき

女性ならではの細やかな演出で

余韻の残る「霧深きエルベのほとり」。

個人的にはすごくよかったです。

 

かと思えば

古くささを吹っ飛ばすかのごとく

大階段を使い華やかに繰り広げられる

プロローグのビア祭のシーンは

まるでショーを見ているよう。

上田先生が放つ‘古典’への挑戦だったのでしょうか。

 

さて。

春は別れの季節。

24日の東京千秋楽をもって

 3番手スター・七海(ななみ)ひろきくんほか

3人のジェンヌさんが退団しました。

 

 退団者にはたいていそれぞれ見せ場が用意され、

加えてひろきくんには

「みんな、あばよ!」という退団リンクのセリフが・・・

カールの妹との結婚が決まり、

水夫をやめてカールの田舎に去っていく場面、

このセリフとともにドアから出て行くトビアスに

ファンはきっと号泣だったことでしょう。

(わかる~)

  

(千秋楽を控えた前楽での観劇でしたが、

トップスター退団公演ではないのに

劇場内白服率が非常に高かったのは

ひろきファンがそれだけ多いということ。

ファンにとっても特別な

長く寂しい1日、

お疲れさまでした)

 

  

星組の組子たちを星になぞらえたショー・

「ESTRELLAS エストレージャス~星たち~」は

 星だけに

衣装も舞台もライトも超キラキラ。

 

2階席前方真ん中での観劇だったので

レーザーライトの全体も見渡せ

いつも以上に非現実の美しい世界に

テンションが上がりっぱなしでした。

 

中でも一番心震えたのがデュエットダンス。

MISIAの曲「逢いたくていま」が流れる中

こんなにもラブラブなデュエットダンスは初めてかもな

幸せそうな二人に泣けてきました

 

愛おしそうに

相手役の愛里ちゃんを見つめるべにちゃんの眼差しを見ると

添い遂げ退団はなるべくしてなった

信頼し合う二人なのがよくわかりましたよ。

何度でも見たい、と思える

最高のデュエットダンスでした。

 

べにちゃんがトップスターになってから

初めての観劇となった今回。

観劇率の低さは

単にべにちゃんと愛里ちゃんの顔立ちの好みから。

ごめんね、べにちゃん、

完全に食わず嫌いでした~!

 

考えてみれば

過去観た舞台でも

キザリを含めた男としての仕草が自然で

いちいちサマになっていて

男役道を追求しているんだな、と思えるし

カールという役に一生懸命取り組んだことが感じられ

好感度がぐ~~んとアップ。

「紅ゆずる」観がガラッと変わった気がします。

 

紅ゆずる応援宣言’してもいいくらいで

次の公演が楽しみになりましたが、

 すでに退団が発表されていますから、

チケット争奪戦、激戦必至

 

あのデュエットダンスは

なんとしてでも観たいんですけど。

  

(やっぱり今日もながながと・・・

自分の観劇記録として残したいので。

興味のない方、ごめんなさい



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