3年前の遍路途中、24番札所・最御崎寺でおみくじを引いたら、長居は禁物と書いてあったので3泊の予定を2泊にして次のお寺に向かったところ、予定していた3日目に台風が直撃し、海岸沿いの道が高潮で危険な状態になっていた。地元(室戸周辺)では高潮による死者も出たほどの危険な状態だったことを知り、驚きとともに神様に感謝しました。
遍路に出発するまでは、歩きながら色々な事を自問自答し、普段時間に追われ充分考えられない事柄をじっくり考えられると思っていました。ところが、実際歩き始めて2~3日は次々と頭に浮かんでいましたが、そのうち黙々と歩くことに集中しだし、頭の中が無の状態になっていることに気がつきました。それと同時に肩の力が抜けていることにも気づき、なんとも爽快な気分となっていました。日常生活で頭の中を空っぽにすることは簡単なようで難しい事だと思います。私のストレス発散の最高の方法を見つけることができました。
遍路旅日記は色々な人がブログやHPで書いていますが、ここでは旅途中の一幕を思い出としてランダムに書いていこうと思います。
初遍路の時は荷物が12kg.程になり、無謀な重さであることを歩きながら実感しました。最初の宿で5kg.程度に減量し、溢れた荷物を宅急便で自宅に送り返しました。歩くスピードも最初はあまり張り切らないで、一時間で3km.位にし慣れてきたら4km.にしました。そうしないと早いうちに股関節や足首を痛めるからです。お遍路を考えている方の参考になれば幸いです。
以前、四国遍路中に徳島のある郵便局前で、休憩をとっていた時、見た目に80歳位の老人が、「わしの変わりに、次のお寺でお参りをしてきてくれ」と私に500円玉を手渡されました。まったくの見ず知らずの老人でしたが、何故か責任感が湧いて来て、次のお寺に向かって黙々と歩きました。歩いている途中で又70歳位の女性に「ジュースでも飲みなさい」と200円を頂き、とてもありがたい経験をしました。日常生活では経験できないことが、経験・体験できるのが遍路旅です。
何かをしなきゃと思わないで、その日一日平凡に暮らせればという悟りを追求しています。無の状態がどれ程難しいか、何かをしているほうが気を紛らわす事ができます。