元気な店長

「ふうっ・・・」

プラットホームへ来るなり、カトちゃんはため息をついた。

私、ここで働き始めて明日で丸一年になるけれど、カトちゃんがため息をつくなんて、見たことなかった。

内山さんなら毎日だが・・・。

「俺、今日から内山さんになる！」

と、ある日、高田さんが言うので、何の事かと思ったら、

「荷出しのあとは、俺も、ため息つこう！」

と宣言　ぶっ！

そういう訳で、カトちゃんが誰も居ないと信じて（私はオリコンを道路に置いた直後で、プラットホームへ入ってきた直後のカトちゃんからは、私の姿は見えなかった筈）

ため息ひとつ・・・。

わ～っ、珍しい！と思い、同情するより、クスッと笑ってしまったのである。

私に気付いたカトちゃんは、

「　失礼だな・・・笑うなんて」

ごめんなさいね。これからは、むやみに笑いませ～ん！余り、保証できないけれど。

カトちゃんが、最近、ちょっとお疲れ模様？で下向気味なのとは対照的に、昨日、今日と超元気なのが店長。

闘牛のような勢いで、プラットホームへ現れたかと思うと、

「暑いっ」

と大声で叫んだ。

「わあ～びっくりした！」

と、矢木さんは腰を抜かしそうになった。

その後も、発声練習よろしく、

「岸辺さん　これ、出して下さい」

「鈴木さん　冷凍食品が入荷されたから」

「矢木さん　は、今日、何時まで仕事かね？」

「カトちゃん　今、エンドにお菓子、出したんかね？」

（とうとう、店長が、カト君ではなく、「カトちゃん」と、呼びました!　これを聞いたマネキンさんは、苦笑。　遂に店長公認の名前になったわけです。これで、スタッフは遠慮なく、今後カトちゃん　と呼べます。おめでとう！）

グロッサリー女史は、全員、今日の店長、声がいつもの倍、大きいね。どうしたんだろう??と、不思議がっていた。

梅子さんと高田さんが二人並んで冷凍食品売り場にいるもんだから、店長、二回も、二人のすぐ側に立って、作業してたじゃない?　何も言わないけれど、私は、ちゃんと見てますよ～って感じで。

あの二人だけ、御喋りに夢中で全く気付いてないみたいだったけど・・・。

何でもかんでも、注意するんじゃなくて・・・。

店長の、そういうところ、私、好きなのよねえ」

上記のセリフは、言わずと知れた、店長ファンの岸辺さん。

勤務時間終了後、更衣室では、こんな話をしていた昨日。

こうして向かえた今朝は、早朝からの仕事だった。

ちょっと遅れて豆腐兄ちゃんの代わりにやって来たハマグリ君。今朝、眠いっすよ・・・と、多少ボケ気味である。

豆腐を出し終え、伝票をチェックしていたハマグリ君に、店長が話しかけた。

「ハマグリ」

（あっ、昨日と同じノリだわ）

「今日は何時から仕事かね？」

「１０時です」

「何時まで仕事できる？？　９時？」

（ゴクン・・・　９時って、朝８時から夜９時・・・よね!?）

「４時くらいまでなら・・・働けます」

「そうかっ」

店長は、ここで一呼吸、置くと、ハマグリ君が向かっていたデスクの上に、バン!!と、一本のオレンジジュースを置いた！

　　

「そうか！じゃあ、これで、夕方６時まで働いてもらおう!　一時間の休憩に行っていいからっ」

再び・・・。

　　　超、驚きっ!!

４時くらいまでなら働けます・・・が、何故か勝手に６時に訂正？？変更されていた。

オレンジジュース一本!!　という、超オトクなご褒美と共に・・・。

いや、あれは、お給金だね、きっと・・・。

４時から６時までのお給料は、オレンジジュース。

本日大当たりのハマグリ君。

今頃、やっと仕事を終えて、ほっとしている頃かな？？

レポートは・・・鈴木鈴子でした！　 
 
 

 

 

 

 

 

 

本当に!?

カトちゃん・・・。

超ショックです!

「あっ今朝、初めて会いましたね！」

「そうだっけ・・・？」

「今日は、今、初めて会ったような気がする」

「それでは・・・（アラタメテ）おはようございます！」

朝の挨拶は、これだけで無事終了。

そして午後。。。

売り場への通路ですれ違った時、不意に、カトちゃんが言った。

「僕、そんなに黒いオーラが出てましたか？」

「あっ・・・。あれはね、冗談だから。冗談・・・。　

（カトちゃん、コメント欄もしっかりと読んでいるのね。参ったなぁ）

ちょっと、ブログを面白く書いてみただけよ。でも、あれを読んだ人は、これまでのカトちゃんのイメージが崩れたかもね　はっ・・・はははっ」

「いや、他の人にも言われたことあるから。

これが僕の本来の・・・カトカト吉の姿です」

「・・・・でっ・・・でも、ほんとに黒いオーラは出てなかったから・・・」

私がオーラ、オーラと言っているところへ偶然にも精肉の江原オーロラチーフがやって来た。

話の断片が聞こえたのか、私の顔を見て、少し赤くなっている。

オーラの泉と言えば、とあるスーパーでは、精肉の江原チーフと決まっている。（私が勝手に決めた）

本家の・・・このタイミングでの登場に、多少戸惑った私であった。

まあ、そういう訳で、全国のカトちゃんファンの皆様。

あれは、ジョークですからね。

カトちゃん、ちょっと、お疲れだっただけですので。

黒のオーラは出てません、はい。

 

そして帰る時間になり、ニューヘアスタイルで登場した桃木副店長からシフトを貰った　岸辺さんと私とカトちゃん。

「あら、すずちゃん、可哀想に。貴方が遅番の日は、カトちゃんがお休みの日が多いわよ!　寂しいわねえ」

岸辺さんは、カトちゃんが居ないと困ると言い、私も仕事に来ていいよ、といったのだが・・・。

「来いと言ったり、来るなと言ったり・・・。どっち!?」

（・・・・そっ・・・そうだ!　忘れていた。以前、休みの日は、ゆっくり休みなさいと言ったんだった。）

「それは・・・ね。熱があるのに無理して出てくるから。体調が悪い時は、ゆっくり休む。元気なら来ていいよ。

カトちゃんが居ると、ネタになるし!」

今日もブログネタにされてしまった、カトちゃん。

どうもお疲れ様でしたぁ。

まだまだ、お話は尽きないけれど、今日はここまで～。

鈴木鈴子

店長はお医者さん

あの・・・バタバタと忙しかった水曜日。

この日、店長はお休みのはずだった。

でも、朝、出勤し、二階の休憩室へ行く途中、本社前にいる店長に会ったのである!!

「おはようございます」

と、挨拶を交わしただけであったが、会議か何かあるのかなぁ。

毎回、休日出勤かぁ・・・。

本当に大変そう。

休憩室へ入室すると、テーブルの上で、だら～～んと寝そべっているハマグリ君の姿が目に飛び込んできた！　

「あ～～びっくりした！」

「まだ、ちょっと時間、早いっすから・・・」

その後、着替えて下へ降りていこうとすると、ハマグリ君に呼び止められた。

「いつも売り場へ行くのが早くないっすかあ？」

時計を見ると、十数分前。

「いつもじゃないよ。発注日は、１５分~２０分（この日は２７分だったが）いつもサービス残業当たり前になるから、早目に行くの。ハマグリ君は、今日、発注ないんだから、ゆっくりしていればいいよ」

プラットホームで高田さんに会い、ハマグリ君の話をしていると、何と彼は、１２分前にやって来た。

「噂をすれば・・・ほら、来たよ!　たまには早くから仕事を始めてもいいよ。働け、働けぇ～～～」

と、高田さん。

ところが、ハマグリ君は、プラットホームでお仕事中のカトちゃんを誘惑しようとしていたのである。

「カトちゃん、タバコ吸おうよお～～」

「いや・・・。僕は、今、吸いたくないから」

カトちゃんに断られ、私の背後でハマグリ君は、呟いた。

「俺、一人でここの風紀を乱してる・・・」

 

その日の午後、店長が突然、マスクに白衣姿でプラットホームに現れた。

「メス！」

と言うセリフが似合いそうなお医者さまみたい。

どうして、このようなお姿なのか、全く分からなかったのだが、約３０分後・・・。

青果の・・・ちょっとだけ実年化が進んだお姉さまグループが店長と同じスタイルでバックを通り過ぎた。

「草取りだったんだあ！」

この時は、何故か、即、理解できた。

店長の時は、分からなかったのに・・・。

何故？？どうして？？

「店長、手をこういう風に医者のポーズにして、メス!なんていったら、絶対似合うよね!ぎゃははあ!!」

と、例のごとく、店長の姿を見ていない矢木さんですら、納得してウケている。

２７分のサービス残業を終え、（その前は３０分単位なので、残業付けてますよ）

二人でお茶しながら、今日、一日を振り返った。

お休みの日も出勤して、スタッフと草取りを・・・？

お疲れ様でした、店長。（矢木さん）

それでは、わたくし今朝は１０時からお仕事ですので、行って参ります！皆さん、よい一日を！

鈴木鈴子

マネキンさん

お話が前後するが・・・。

前回の火曜均一祭では、牛乳の宣伝販売があった。

マネキンさんが、「おいしい牛乳」（だったと思うけど）のお勧めをしている隣には、みどり牛乳が並んでいる。

残り二列になっていたので、私は、これ幸いと、大型冷蔵庫の中へ・・・。

おお～～～っ！気分は南極白熊さん

最近、蒸し暑くて叶わんわぃ。

しばらくここに居たい気分ではあるが、棚が空っぽになる前に・・・牛乳を運んで行った。

みどり牛乳の前で立ち止ると、マネキンさんが、私に話しかけてきた。

「あっ、みどり牛乳の在庫、まだあったんですね。私、こちらの宣伝販売用の牛乳だけ冷蔵庫から出しました。すみませ～ん」

「いえいえ、そんな・・・。これは、こちらの仕事ですから」

そんな会話をしている所へ、７０代のお客様が割り込んできた。

「ちょっと、この牛乳、二日前に買って帰った分はねえ・・・（つまりは、日曜日。私達が自分で早朝に荷出しをした日・・・西村チーフご訪問の日である）

消費期限が７月１０日までになってたよ!今、あんたが出してきたのは、７月８日までやないか。冷蔵庫の在庫も、全部、この日付けか？」

「はい、そうです」

ちょっと、と言われた時点で、すでに嫌な予感はしたのだが・・・。　いつかの「ぬか爺」と同じ空気を感じたので・・・。

冷蔵庫にはあと２ケースを残すのみ・・・。

牛乳の在庫は、これで全部。まだ、３時だから、今日中に、すべての「みどり牛乳」を売り切ってしまう事は、ほぼ、間違いないわね。

先ほどのお客様。

今、店頭に出ているのは、今日、入荷した牛乳か?と聞くので、勿論そうですと答えた。

「そんなこと、ないやろ?　二日前に買った、これと同じ牛乳、今も開けずに家の冷蔵庫にあるわい。やりっぱなしに、めちゃくちゃしよるんじゃないんね？」

　　間違っても、こうなってはいけない。

こちらが激怒などしようものなら、これ幸い　

こりゃあ～面白くなってきたぁ～～～!!

・・・と、こういう爺ほど、ご都合主義の「作り話」をし、喜んで本社にクレームするのだ。

そうとは分かってはいても、つい、

「そうですか。では、貴方が購入した　みどり牛乳をご持参ください」

と、言ってしまった。

つい、さっき、冷蔵庫にあるといっていたのに、その事を忘れたようで、

「いや、もう、開けたからいい」

「別に開けてあっても構いませんが」

「いや、いいよ」

（あっかんべ～）

人にからむのが趣味の爺、ここに参上!　

・・・と思ったら、早々に引き上げた。

もっと遊んであげても良かったのだが、残念。

隣にいたマネキンさんと、つい、お絡み爺の退去いえ、対処方について話した。

「まあ・・・、そういう時は、どうどう・・・（馬の調教師？）ってな感じで」

と、マネキンさん。

成るほどねぇ。

「お買い求めになられた牛乳を持ってきてください!」

とは、すなわち、私は貴方が言う事を全く信用していませんと言ったのと同じだものねえ。

早くもクレームになっているかも・・・。

マネキンさんは、あちらこちらで、この商売をしているだけあって、オモシロ体験?豊富のようである。

私も、もっと、大人になろう。

最近、おめでたい爺が多くて、退屈せずにすんでいる。大変ありがたい事だ。

ありがとう、爺さん。

 

そして夕方６時。

マネキンさんが、バックにいた私に再び話しかけてきた。

「今、終わりましたぁ～＾－＾；」

とっても、にこやかな表情。

今日一日、お疲れ様でした。

私の場合、たったの数分、牛乳売り場にいただけで、あれだけのドラマが誕生した訳で・・・。

丸一日の宣伝販売、さぞかしご苦労が・・・。

「お疲れ様でしたぁ～。大変でしたね。は～い、またぁ」

心の底から、お疲れ様と言い、見送った私であった。

又、とあるスーパーさくら通り店へいらしてくださいねっ！

 　鈴木鈴子

 

 

 

 

カトちゃんの憂鬱

数日前、仕事を終えた後、岸辺さんと私は一緒に買い物をする為、店内をウロウロしていた。

最初は和菓子バイキング。

「お腹が空いてると、甘い物が食べたくなっちゃいますよね！」

「どれにする？ゴマのお団子もおいしそうね！」

「鈴木ちゃんは、いくつ買うの?私は４つにしようかなぁ」

私達は、お団子を４つずつ選び、パンコーナーへ。

只今、菓子パン半額セールを開催ちゅ～。

ワゴンに並べられた菓子パンを岸辺さんと一緒に見ていると、カトちゃんが猛スピードでやってきて、

パパッといくつかのパンをワシ掴みし、私の買い物かごに入れたのだ！

　　

突然のことで、心臓が止まりそうなほど、びっくりした私に、カトちゃんは一言。

「買いが足りん!!」

「・・・・・」

その時、すずの目には、カトちゃんの背後に黒い影が見えた。

あれは・・・。目の錯覚だろうか？

それとも、疲労の末に幻が・・・!?!?

カトちゃんは、一旦、私の買い物カゴに入れたパンを元に戻し、

「精肉時代はいつも、やってた、これ」

そっ・・・そうなの？

じゃあ、次回のお昼時、カトちゃんがカップラーメンを買いに来た時には、その手を使わせて頂き・・・。

あっ、駄目じゃない、ここに書いちゃ。

カトちゃん、これ、読んでいるんだから。

 

そして今日。

梅雨の中休み?かと思う程、昨日、今日と暑い。

スタッフに会うときの挨拶は、

「暑いね～」

今日は、定番商品の入荷が多い。

３時を過ぎても終らない。

とうとう、矢木さんと私は発注を終了した後、残って荷出しを続行することに。

午後２時に出勤してきた社員の川石さんは、定番の荷出しを手伝いながら、

「いくら出しても、荷物が減らない。後から、後から、売り場へ持って来てるんじゃあナインね!?」

と、プラットホームから売り場へ定番商品を運んできた矢木さんに言ったらしい。

同じく２時から勤務の雑貨担当、末永さんを向かえた矢木さんの嬉しそうな顔。

「いらっしゃいませ　お待ちしておりましたぁ　ほら!荷物」

「きょ・・・今日の遅番は、大当たりだね」

いつもは一般食品の定番補充をすることはない、日配担当（事務も）の花岡さんまで、気が付くと、乾物と調味の荷出しをしてくれている。

「花岡さんが定番を出してくれてるよ!　初めてじゃない?　きっと、見かねたんだね!ぎゃはハハア」

バックへ戻って来た花岡さんに、お礼を述べた。

「助かりました。ありがとうございます！」

こうして、社員も事務方も巻き込み、グロッサリーのスタッフ総出で定番商品の荷出しに回ったのであった・・・。

荷台に乗せた荷物を売り場へ運ぶ途中、二度も、通路に出していた商品にぶつかった。

「大丈夫ですか?お疲れなんじゃぁ・・・」

背後で、こういったのは、カトちゃんである。

その直後、バックへ戻ると、今度は桃木車副店長が私のところへ来て、

「す・・・鈴木さん。あまり、無理はしないで下さいね」

「はい。これを出したら、帰ります」

「・・・・・」

荷物の大半が片付いたところで、私と矢木さんは上がることにした。

「じゃあ、帰るね。お先に・・・」

と、矢木さんが言うと、何故か仕事中毒のカトちゃんが意外なことを・・・。

「僕も帰ろう～っと！」

　　

なっ・・・なんか、今さっき、カトちゃんの背後に黒い影が・・・。

見えた・・・。

ような気がして・・・？

矢木さんが、すかさず理由を尋ねていた。

「最近、パンが売れないから面白くない！」

「あっ・・・わたし、昨日も買って帰ったよ!」

（そう。キムタクのカレーパン３個）

「買いが足りん！」

「・・・・」

こっ・・・今夜は早く寝よう・・・。

テキストリンク
 日記@BlogRanking
 
 
 みなさん、パンを買いましょう！鈴木鈴子。