身の丈経営

久し振りに仕事が早く終わり、電車でトボトボと帰る途、隣に飲んだ帰りだろうか、会社の後輩と乗り合わせてると思われる女がいた。

えぇ？車持ってないのぉ？　デートの時どうすんのよぉ？　休みの日に電車乗るなんて信じらんなぁい。

ふざけるな。お前の方がよっぽど信じられんわ。
車がないと何にもできんというのが田舎者の発想だ。私のように都心に住んでいれば、車なんぞ削減されうるコストの最右翼となる。都心で車に乗ろうものなら、余計に時間喰っちまう。お前のような奴は自転車に乗る資格すらないわ。
大体、お前がそんなこと言えるような珠かと。鏡見たことあんのかと。そういうこと抜かす権利は某か他より秀でた箇所をもっている必要があるが、そんなものは微塵も感じられない。見ているだけでイライラするようなしゃくれじゃねぇか。何故かブサイク故に女の権利ばかりを主張する田嶋陽子を思い出して、暗澹たる気分になった。

車を持っていないだけで罵倒される若者に同情の涙を禁じ得ないまま、今日もまた一人駅へ降り立つのであった。