The Usedのライブではあるが、内容は良かった。2ndの1曲目「Take It Away」で幕を開けたステージは初っぱなからテンションが振り切れてるような感じではあったが、若干Voの音抜けが悪く、折角のスクリームも聞こえないときがややあり、趣を削ぐ。Voのバートはデビューの頃よりも随分と余裕が出てきたみたいで、客いじりも随分と上手くなってる模様。あの余裕のなさからくる純粋さのようなものがある種彼の魅力ではあったのだが、それはそれで成長ということで相殺ということよいのだろうか?
これはそのまま2ndアルバムへの評価にも繋がる。
1stの時は貧乏で音楽しか彼らにはなくって、だからその分もの凄く凝縮された感情がそれぞれの楽曲には込められていたのだが、2ndは流石にメシを喰う余裕は出てきたのか、率直なところそこまでの濃さがない。ただ、曲の構成などのクオリティは格段に上昇しており、音楽としては凄く楽しめるのである。
が、これを「The Usedの音楽」として聴いたときに、1stの時にあった純粋すぎる感性が胸にグサッと刺さる感じが弱いので物足りなさを若干感じるのも確かで、この変化を成長と見るか没落と見るかは微妙なところだろう。
で、ライブの時間は正味1時間。短くね?
折角2枚もアルバム出してんだから、もっと曲やれよ。1stからもやってない曲あんじゃん。しかもシングルカットした奴。たしかにバートのあの歌唱法は躰にスゲー負担をかけそうだから、実際のところ1時間が限度なのかもしれない。
だとしたら、今回の構成は若干消化不良気味のような感じ。後述するが客が乗り方を知らないため、スローテンポやテンポが変わる曲では途端に客が冷える。2ndの曲調が全体的に突っ走らなくなってしまったため、やむを得ない点は差し引いても、もう少し考える必要があるかも。
で、一番気になったのは客の質。ルックスのいいバンドが陥りやすいところではあるが、ぱっと見普通の女の子が多かった。普通の男の子も多い。一般的な我々が愛するハードな音楽のライブに集まる層とは明らかに違う層が集まっていた。勿論それが悪いというわけではないものの、あまりこの手の音楽のライブでの振る舞いになれていないせいか、乗るべきところ、溜めるところの区別がついておらず、こっちも気持ちよく暴れられずにかなり欲求不満気味。
大体、モッシュピットすら作れないってどういうことよ?フロアの半分よりうしろはそういうところだろ?
ただ、押し合いへし合いしてるだけじゃ、リズムに合わせてモッシュもできねぇし、そういう素人どもはまずはビデオ観てこういうライブがどういうものか一から勉強し直せと。
そして、一番腹立ったのは、ステージをデジカメで撮ろうとしているデブ女!
マジで腹が立ったので、撮ろうとするたびにショルダーチャージをかましてやりましたよ、ええ。
ルール違反だろうが、写真撮るのは。濫用には反対するが、アーティストの権利はちゃんと守んないと、次これねぇだろうがよぉ。てめぇだけがよけりゃいいって考えは、結局はその共同体ごと潰しちまうということに気付かねぇのか、馬鹿野郎。
と一頻り怒ってみたものの、全体的にはスゲー良かった。
ライブで曲聴いて泣けてきたのは90年に観た
Queensrycheの時以来だ。
だから余計に客の質の粗さが気になったのかもしんない。
次もまた観たいと思える、いいバンドなんだから、心底楽しみたいのよ。