アクアライン800円実現化100万人署名活動推進協議会
この前、梅雨入り直前にアクアラインを通って木更津くんだりまで逝ってきた訳だが、房総半島の思ったよりも酷い惨状を目の当たりにして資本主義の恐ろしさを感じる。(嘘)
この協議会はアクアラインを800円にすれば、料金収入は減るものの、東京湾を囲む高速道路との相乗効果で1億円/日の経済効果がある、だから安くせいという。果たしてそれはホントなの?と突っ込み入れたくもなる。
まず、業務用車両であるが、現状高い通行料を敬遠して通常の高速道路を利用しているとしているが、アクアラインを通っていないトラック等の車両が一体どれくらいあるのかと。アクアライン開通を見越して千葉県企業庁は木更津に広大な工業団地の建設を目論んだもののその大半は未だ更地のままだ。それらの土地に工場がない状態ではトラックも走らんぞというもの。現在の火力発電所と工場の規模ではまずあの一体を走る車のパイ自体が其程多くないのであって、アクアラインをトラックが通らないのは何も通行料だけの問題じゃなかろう。
次に一般車両について、まず観光面で見てみると、東京・川崎方面から木更津方面への観光客が大半を占めると思われる。これは何も東京・川崎におもしろいところがないという訳ではなく、ただ単に人口比からして川崎→木更津の流れの方が多いだろうという目測。でだ、料金が安くなることで、このボリュームの利用者は簡単に増えると想定される。ただ、あのあたりの観光資源がゴルフと潮干狩りと氣志團(ATOKで一発変換されて驚く)と木更津キャッツアイぐらいしかないのが非常に気がかりだ。しかも、後者二つはあと2年もすると完全に資源として枯渇する。ここをテコ入れしない限り、観光利用者の劇的な増加は困難と想定するのはたやすい。
ただ、マザー牧場としては万々歳ということは公然の秘密だ。
これとは逆にアクアラインを経由しての一般購買・消費活動となると一転反転し、木更津から東京・川崎方面への通行が殆どであろう。しかし、木更津は人口12万程度で、近隣市町村を含めても最大30万人程度の市場としかならないわけだが、しかも彼らが全て東京方面へ買い物に行く訳ではない。近くには千葉などの商圏もある訳なので、この利用客の貢献度はかなり低く見積もらざるを得ない。(それでも木更津の街がシャッタータウン化してしまうほどのインパクトはあった訳だが)
となると、期待したくなるのはアクアラインを利用しての通勤客となろう。
この協議会のウェブにも東京駅から40?圏での地価の公示価格の比較なんぞして、距離の割に地価は安いから、アクアラインを安くすれば通勤しやすくなって、今後は人も増えてウヒャヒャというような想定をしている模様だが、そうはいかん。
車で通勤できるようなところに勤めているような人間がどれだけいるか胸に手を当てて考えてみろ。殆どいやしない。自分だってリーマン満載の電車で通勤してるだろう。通勤客だって結局はそんなに見込めない。木更津から電車で東京に通勤したら軽く1時間半は超える。誰がそんなところに好きこのんで住むというのか。
ということで、眠くて死にそうな状態で、ざっと考えてみただけで休日の利用客は増えるものの平日の利用客の増加は其程見込めないという感じではないだろうか。そしたら1億円の経済効果は何処?てなもんだ。
となると、何でアクアラインを800円にせいと言っているのかよくわからん。よしんば経済効果があったとしても、現状よりも通行料金収入が減るというのは一般国民の理解は得にくいだろう。ただでさえ大赤字を垂れ流してる状態で、単体での採算が合わんというのにこれ以上赤字を増やしていくということは、いずれ税金を投入せないかん訳で、ここいらに関係のある人間以外が果たして納得して貰えるかどうか。
でも多分日本中ブーブー言いながら借金棒引きとかやるんだろうね。っていうかインフレになれば借金なんて全然問題なくなるんですけど、どうですか?竹中さん?