話の種

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「蛍の光」について

2024-07-01 11:55:48 | 話の種

「蛍の光」について


100円ショップのダイソーが閉店の時に流す曲を「蛍の光」から別の曲に変更したことが話題となっている。
この変更は6/11よりなされたが、6/13には投稿サイト「パンドラの憂鬱」、更に6/30にはフジTV「Mr.サンデー」でも取り上げられていたので、話の種として以下記しておく。

まず、ダイソーが曲を変更した理由だが、同社の担当者は次のように述べている。

「蛍の光が流れると、日本人には『そろそろ閉店だな』とわかってもらえる。でも近年は外国人も増え、意味が伝わらない方も増えた。買い物を楽しむ気持ちを損ねることなく閉店の声かけをするのは大変。そこで、さりげなく閉店を伝えながらも、快くお帰りいただけるような新しい閉店音楽を考えた。」
「蛍の光は別れの定番曲でもありメッセージ性が強く、印象をやわらげたい思惑もあった。」

つまりこの曲は、ダイソーに限らず、日本では「閉館・閉店を伝えるBGM」として、全国の公共施設や店舗で広く使用されているが、英語圏の国々では新年を迎える曲として知られており、なぜこの曲が流れているのか意味が分からない人が多いようである。

(*「Mr.サンデー」ではスーパーと洋品店の店主に協力してもらい、試しに店が開いている昼間に「蛍の光」を流したところ、スーパーで買物をしていた客はビクッとして「もう閉店ですか?」と店の人に尋ねたり、洋品店に入ってきた若者3人は「来たばかりなのに、もう帰れということかよ」と言い残して帰ってしまった。
どうやらこの曲は閉店のお知らせとして日本人の間ではすっかり定着しているが、出店を促すものとしてある意味威圧感を感じさせるようでもある。)

ところでこの「蛍の光」だが、元となった曲はスコットランド民謡の「オールド・ラング・サイン」で、日本では明治初期に文部省唱歌として「蛍の光、窓の雪・・・」の歌詞が付けられ、今では卒業式の定番の曲となっている。

しかし、店舗の閉店時によく流れる曲は「蛍の光」ではなく、正しくは「別れのワルツ」である。
これはショパンの「ワルツ第9番」の別名で、1940年のアメリカ映画「哀愁」の挿入曲にもなり日本でも広く知れ渡ることになった。
同じ曲のように思えるが、何が違うかと言うと「蛍の光」は4分の4拍子だが、「別れのワルツ」は4分の3拍子のワルツである。

*オールド・ラング・サイン(Auld Lang Syne)とは「久しき昔」といった意味で、懐かしい友と久しぶりに再会し酒を酌み交わす光景を歌ったもの。(Auld=Old, Lang=Long, Syne=Since、意訳すると「Times gone by」となる。)


(参考)
「パンドラの憂鬱」(日本人にしか理解出来ない世界的な民謡に込められた意図が話題に)
http://pandora11.com/blog-entry-4984.html

 

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