話の種

新聞やテレビ、雑誌などで、興味深かった記事や内容についての備忘録、考察、感想

「話の種」索引

2024-07-14 11:54:42 | 話の種

「話の種」索引

(世界・政治・経済)

権威主義と民主主義 (23/06/05)
政治体制について (23/06/11)
なぜ戦争を繰り返すのか (23/06/27)
台湾は中国の領土だった? (23/09/24)
「国家」(成立要件と現況) (23/09/24)
朝鮮半島の歴史(略史) (23/09/29)
パレスチナ問題 (23/10/14)
ウクライナ問題 (23/10/17)

韓国の反日感情について (24/06/18)
戦後賠償の日独比較(Use:ChatGPT) (24/06/20)
親日の台湾と反日の韓国(Use:ChatGPT) (24/06/20)

トランプ人気について (24/03/18)
「もしトラ」について (24/03/25)

政治とカネについて (24/05/21)
政治不信と政治家の資質 (24/06/07)

権力にしがみつく人たち(天声人語) (24/07/13)(NEW)
最高裁が旧優生保護法に違憲判決 (24/07/14)(NEW)
検察が自民党裏金問題で不起訴処分 (24/07/14)(NEW)

世界の三大宗教について (23/08/10)
キリスト教徒の神への信仰と進化論 (23/08/10)
イスラム教の戒律の厳しさと過激な行動 (23/08/10)
仏教の理念と温厚な理由 (2/08/10)

失われた30年 (23/08/17)
年功序列と成果主義 (23/08/14)
正規雇用と非正規雇用 (23/08/20)
景気関連の各種統計データ (23/08/20)
戦後日本経済史年表 (23/08/24)

トヨタの最高益決算について思うこと (24/05/11) 
企業の好決算と問題点 (24/05/18) 
人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか (24/05/31)
日本の労働生産性はなぜ低いのか (24/05/31)

半導体の製造工程と日本の関連企業 (23/12/08)
半導体業界の構図と企業 (24/04/28)

(社会・文化・科学)

社会の閉塞感と同調圧力 (23/05/15)
価値観と同調圧力 (23/08/03)
腹が立つこと(威張・忖度・無責任) (23/08/22)
鹿児島県警問題にみる権力と報道の問題点 (24/07/07)(NEW)

同性婚について (23/06/23)
LGBT及び性同一性障害について (23/06/23)

男らしさ、女らしさ (23/06/23)
女性ことばについて(「女ことばってなんなのかしら?」) (23/07/08)
女らしさ(「風の盆」を見て) (23/09/07)
女らしさについて(「女らしさは誰のため?」) (23/09/08)
女性はしたたか (24/06/03)

*My Blog:「男と女」

外国語教育について (23/06/20)
死について (23/08/28)
人生の目的 (23/08/28)
「草枕」の冒頭文について(人間関係) (23/09/18)
英語の発音(カタカナ英語) (24/07/05)(NEW)

紫式部とその時代(人物) (24/05/17) 
紫式部とその時代(制度) (24/05/17) 
平安時代の女性文学と日記  (24/05/17) 

人類の進化とウィルス (23/05/13)
ChatGPTについて (23/08/21)
ChatGPTとの対話 (23/08/20)

半導体について (23/12/08)
半導体の製造工程 (23/12/08)

(軽い話題)

町名の読み方(「ちょう」か「まち」か) (23/05/18)
「整理」(益田ミリ)(くらし) (23/08/17)

投稿サイト「パンドラの憂鬱」より (23/08/03)
日本は男尊女卑の国?(「パンドラの憂鬱」より) (23/09/18)
現金主義の日本とドイツ (24/06/12)
「蛍の光」について (24/07/01)(NEW)

若者言葉(天声人語) (23/06/11)
若者とスマホ(天声人語) (23/10/17)
「先生」という呼称について(声) (24/05/20)

和製英語 (24/07/05)(NEW)
和製漢語 (24/07/05)(NEW) 

*My HP:「Web喫茶店ひまつぶし 話のタネ」

 

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検察が自民党裏金問題で不起訴処分

2024-07-14 11:50:54 | 話の種

「検察が自民党裏金問題で不起訴処分」


自民党の裏金問題で今年1月検察は安部派幹部5人の立件を見送ったが(この時は他の安部派議員3人と秘書らが立件されている)、一昨日(7/8付)は告発されていた計16人の国会議員や元議員を不起訴処分とした。(派閥の収支報告書にウソの内容を記載していたとされる3派閥8議員については「嫌疑なし」、派閥から受け取ったキックバックを自らの政治団体の収支報告書に記載しなかった11人については「嫌疑不十分」だった(3人は重複)。)
(この他、派閥や各議員の会計責任者など24人については「起訴猶予」または「嫌疑不十分」、2人については「被疑者死亡」で不起訴処分とした。)(従って今回は計42人が不起訴)

*不起訴処分:検察官が「起訴しない」とする決定
*不起訴処分の種類:
 ・嫌疑なし(犯罪を犯していない、嫌疑がないとされるケース)
 ・嫌疑不十分(完全に嫌疑がなくなったわけではないけれど証拠が不十分なケース)
 ・起訴猶予(諸事情によりあえて起訴しない決定)

*立件:
刑事事件が起こった際、テレビ報道などで立件という言葉を耳にするが、立件とは、法律用語ではなく、定まった明確な定義があるわけではない。一般的に、「検察官が公訴を提起できる要件が備わっていると判断し、事案に対応する措置をとること。」という風に理解される。テレビ報道においては、警察が逮捕したという意味で使うこともあれば、検察官が起訴という意味で使うこともある。

検察は今年1月に安部派議員3人を立件したが、安部派5人衆といわれる幹部の立件は見送っている。
これは不記載額3千万円を基準に線引きしたためで、「過去の摘発例を超える判断は公平性に欠け法的安定性を損なう」と述べているが、ちょっと待てよと言いたい。
最高裁は旧優生保護法問題で国の賠償責任を認めたが、これはかつて最高裁自身が下した「時の壁」という判断(判例)自体を変更したことによるもの。
裁判所は過去の判例を覆してまで正義を貫こうとしているのに、検察は未だに前例踏襲に拘って不正を見逃そうとしているのだろうか。過去の判断は間違っていたとは思わないのだろうか。
まず必要なのは法律に違反しているかどうかの判断で、金額の多寡はその次の問題である。
(金額の多寡というのは、事件の悪質度と同様、量刑にかかわる問題に過ぎない。)

日本の検察は「有罪となる確証がないと不起訴にする」傾向が強い、言い換えれば「確実に有罪判決を得られると確信した場合のみ起訴する」と言われているが、今回本当にその確証が得られなかったのだろうか。

政治家がらみの事件では特に不起訴が多い気がするが、どうも検察と言えども政治家に対する「忖度」があるとしか思えない。
(例えば、「もり・かけ・さくら」といわれる「森友学園」「家計学園」「桜を見る会」の問題など)

他方、検察は民間人相手の訴訟には異常なほどの執念を発揮する。
(例えば、「袴田事件」や「大川原化工機事件」など)

今回の裏金問題の42人不起訴処分についても、当然SNSでも国民の怒りが沸騰している。
「これで国民が納得すると思う?」
「一般人も一定額、脱税してもいいのですか?」
「これでは裏金や政治資金パーティーは無くならない」
「マジメに納税するのがアホらしくなる」
「もはや法治国家ならぬ犯罪者を野放しにする放置国家」など

この不起訴処分についても、当然告発した大学教授たちはこれを不服として、今後検察審査会に申し立てをする方針だが、思うような結果は期待できないだろう。
起訴相当あるいは不起訴不当となる確立はかなり低く、仮に裁判に持ち込めたとしても、有罪となる確立は更に低い。
(政治家がらみの事件で検察審査会の議決により、裁判で有罪となった例もないわけではないが、その場合でも有罪となったのは秘書で、政治家本人は無罪となっている。)

検察は日本では「起訴便宜主義」により、司法の側面も担っているが、組織上は行政機関であり、任命権者も内閣であることより、現行制度では検察がこのようになってしまうのは仕方がない(どうしようもない)ことかもしれないが、もういい加減に国民の声に耳を傾け、諸問題につき再考すべき時であろう。

*検察審査会とは:

検察審査会議において、検察が不起訴処分にした事案を、告発人からの申し立てにより、その可否を審査する。(非公開)
構成は選挙人名簿に基づきくじで選出された11人の検察審査員(任期6カ月)。(名前は非公開)

検察審査会議の議決は次の3種類。(議決書は非公開)
「起訴相当」(起訴すべきである)(*11人中8人以上の賛成が必要)
「不起訴不当」(更に詳しく捜査をすべきである)
「不起訴相当」(不起訴処分は妥当である)

・議決が「不起訴相当」となった場合は終結。
・議決が「不起訴不当」となった場合は、検察は再捜査を行う。その結果「不起訴」となれば終結。「起訴」となれば「裁判」となる。
・議決が「起訴相当」となった場合は、検察は再捜査を行う。その結果「起訴」となれば「裁判」となる。「不起訴」となれば再度検察審査会にかけられる。

再度行われた検察審査会議の議決は次の2種類。
「起訴すべき旨の議決(起訴議決)」(*11人中8人以上の賛成が必要)
「起訴議決に至らなかった旨の議決」

・議決が「起訴議決に至らなかった旨の議決」の場合は終結。
・議決が「起訴すべき旨の議決(起訴議決)」の場合は指定弁護士による起訴となり、裁判となる。

*起訴議決がされると、検察審査会の所在地を管轄する地方裁判所は、検察官の職務を行う弁護士を指定し、指定された弁護士は検察官に代わって起訴をして訴訟活動を行う。

(参考)

本日(7/10)検事総長交代の報道があった。(7/9付)
後任は畝本直美氏(62)で、女性で初めての検察トップへの就任となる。会見で「検察が国民の信頼という基盤に支えられていることを胸に刻み、適正な検察権の行使に努めたい」と抱負を述べているが、直前の東京高検検事長のときに自民党の裏金事件で捜査を指揮したが(安部派5人衆問題のとき)、派閥幹部が立件されなかったことでかなり批判を浴びている。果たしてこの人で大丈夫だろうか。

 

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最高裁が旧優生保護法に違憲判決

2024-07-14 11:48:31 | 話の種

「最高裁が旧優生保護法に違憲判決」

先日(7/3)このニュースを目にしたとき意外な感じがした。
というのも、三権分立にもかかわらず、最高裁ではこれまで国に配慮した判決がしばしばなされ、腹立たしく思うことが多かったから。(国会議員の選挙区定数是正の問題など)
またこの旧優生保護法の問題については、最高裁自身が「除斥期間」が適用されるとの判断を下しており、これまでの裁判では被害者側の損害賠償請求を認めてこなかったこともある。
(しかし、2022年の大阪高裁や東京高裁の判決以降潮目は変わってきたが。)

この問題を簡単に振り返ってみると、

1996年: 旧優生保護法が廃止され、「母体保護法」に改正された。これにより強制不妊手術の規定は削除されたが、被害者への補償措置は取られなかった。
2000年代以降: 被害者団体や人権団体が問題を提起し、旧優生保護法の被害者救済を求める運動が続けられたが、当時は具体的な訴訟には至らず、主に行政や立法府への働きかけが中心だった。

2018年:宮城県の女性が初めて国に賠償を求めて提訴。
これ以降、優生手術等に関する国家賠償請求訴訟が全国各地で提訴されてきたが、仙台、東京、大阪、札幌、神戸の各地方裁判所では、訴訟提起時には改正前民法第724条後段の除斥期間が経過していたことを理由に、原告の請求を棄却。
2019年: 被害者に一律320万円を支給する一時金支給法が成立。
(しかしこれは賠償ではなく、一種の見舞金という性格のもの)
2022年:大阪高等裁判所、東京高等裁判所において、除斥期間の適用を認めることは著しく正義・公平の理念に反するとして、除斥期間の適用を制限し控訴人への賠償を命じ、これ以降各地裁判所で同様の判断が続く。)
(しかし政府はあくまでも補償はしないという立場で、こうした判決を不服として原告側は控訴、上告を重ねる。)
2024年:今回の最高裁判決。

今回の判決の朝日新聞(7月4日付)の見出しと判決内容・理由を簡単に記しておくと、

(新聞の見出し)
「強制不妊 最高裁「違憲」」
「国に賠償命じる判決」「人権侵害重大 請求権消滅せず」

(判決骨子)
・旧優生保護法の強制不妊手術に関する規定は、個人の尊厳と人格の尊重の精神に著しく反し、特定の障害がある人への差別で、憲法13条、14条に違反する。
・国民の憲法上の権利への侵害が明白な規定をつくった国会議員の立法行為は違法。
・今回の事案で「除斥期間」を理由に国が賠償責任を免れることは、著しく正義・公平の理念に反し容認できない。

*旧優生保護法:
1948年に「不良な子孫の出生防止」などを目的に議員立法で成立。遺伝性疾患や障害などがある人に本人の同意なく不妊手術の実施を認めていた。1996年に強制不妊手術に関わる条項は削除された。国によると、旧法下の手術は約2万5千件。(しかし本年5月末時点で1,110件に過ぎない。これは国が支給対象者に個別に通知していないことが理由でもある。)

*除斥期間:
法律で定められた期間のうち、その期間内に権利を行使しないと権利が消滅する期間。 
時効と異なり、中断や停止することはなく、期間の経過のみで権利が消滅する。

改正前の民法には、不法行為による損害賠償の請求権は不法行為から20年経つと失われるとの規定があり、最高裁は1989年、この規定について、中断や停止がある「時効」でなく、画一的な年月の経過である「除斥期間」との解釈を示していた。

(2020年4月に施行された改正民法では、この規定は時効と明示され除斥期間ではなくなったが、但し、改正民法の施行前に20年を過ぎた問題には遡って適用されないとしている。)

今回の判決が評価されるのは、
・「立法時点で既に違憲」と初めて明示し、法を作った国会の責任を断じていること。
・「除斥期間」として35年前に最高裁自身が下した判断(判例)自体を変更したこと。

また違憲判決の理由も明快で(それまでに各地高裁の判断があったとはいうものの)、これが15人の裁判官全員の結論というのも喜ばしい。
なぜもっと早くこのような判断を下さなかったのかと言うそしりは免れないが、ともかく国に対してこのような判決を下したということは評価される。

今回の判決で特に注目されるのは「除斥期間」の適用の制限と言うことで、今後他の訴訟にも影響してくることは必至である。

(参考)

昨日(7/9)最高裁長官交代(7/8付)の報道があった。
後任には今崎幸彦・最高裁判事(66)を指名する人事を内定したとのこと。(8月10日以降就任予定)
この人は最高裁刑事局長や同事務総長、東京高裁長官を経て、2022年6月に最高裁判事に就任。
戸籍上の性別変更に生殖能力を失わせる手術を必要とする性同一性障害特例法の規定を「違憲・無効」とした昨年10月の最高裁大法廷決定や、旧優生保護法を「立法時点で違憲」とした今月3日の大法廷判決に加わっている。
また、戸籍上は男性だが女性として暮らすトランスジェンダーの経済産業省職員が、省内での女性トイレの使用を制限されたのは違法だと訴えた訴訟で、制限を認めた人事院の判定を違法とした昨年7月の最高裁判決で裁判長を務めている。期待したい。

 

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