話の種

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権力にしがみつく人たち

2024-07-13 15:42:54 | 話の種

「権力にしがみつく人たち」

本日(7/13)付「天声人語」に次のような記事があった。

(天声人語)引き際の美学
「一国の指導者として、理想的な引き際とは何か。私が見たなかで最もそれに近いのは、ニュージーランドの首相を務めたジョン・キー氏の辞任だ。8年前の記者会見で突然、「今が去るべき時だ」と表明した。当時55歳。3度の総選挙に勝ち、カリスマ的な人気があった▼投資会社の敏腕ディーラーとして巨万の富を築き、40歳で政界に転身。7年で首相まで上り詰めた。辞任会見での言葉が印象深い。「長年、この決断に踏み切れない多くの指導者を見てきた。理由はわかる。辞めがたい仕事だからだ」▼貧しかった幼少時代から、「金持ち」と「首相」になるのが夢だったという。当時取材した側近の一人は「家族と過ごしたいと言いつつ、深く悩んでいた」と話した。夢を果たしたキー氏も、権力を手放すことには迷いがあったか▼「私は進み続ける」。日本時間のきのう、バイデン米大統領は記者会見で、大統領選からの撤退を否定した。初めの方でハリス副大統領を「トランプ副大統領」と間違えた衝撃から、声の張りや言い間違いばかりに気を取られてしまった▼権力を手放す決断には、生き方や哲学、流儀、利害や愛憎など「全人格」が凝縮されるそうだ。日本では、「潔さ」も重要な評価基準だという(塩田潮著『出処進退の研究』)▼どんなに辞めがたい仕事でも現実を直視し、未練なく去るのが理想か。バイデン氏は、続投したいのは「この仕事をやり遂げたい」からだとも繰り返した。引き際とは、かくも難しい。」

今回なぜこれを取り上げたかと言うと、当方もなぜバイデンは立候補を取りやめないのかと常々思っていたから。
そして期せずして現在、兵庫県知事のパワハラ問題の内部告発に端を発した辞任要求に対して、知事は辞任を拒否し続けているから。

バイデン大統領については、81才になってもまだ大統領を続けたいのかとあきれていたが、このところの醜態、また大統領候補を辞退すべきだとの各界からの声にもかかわらず、「私にはまだすべきことがある」として、これらには耳を貸さず意固地になっている。

兵庫県の問題では、その後の対応の問題もあり、副知事が「県政に停滞と混乱を招いたことより、誰かが責任を取らなければならない」として辞職を表明し、知事にも辞任を促したが、知事は「県民の負託を受けているので職務を続ける」としている。
知事の経歴を見たら、東大卒で元総務官僚だったということが分かり、なるほどなと思った。
(なお、内部告発した元県民局長は渦中に死亡しており、自殺とみられている。)

天声人語には、ニュージーランドのジョン・キー元首相のことが書かれていたが、ニュージーランドの首相といえば、当方にはアンダーソン元首相の方が強く印象に残っており、この人の引き際も潔く見事だった。

権力にしがみついている人たちといえば枚挙にいとまがないので、列挙することはここでは割愛しておく。
ただ権力にしがみつく人たちは、自己中心で、周りが見えず、ただ醜いだけだということ。
多くの非難を浴びたならば、普通の人間ならとても耐えられないと思うのだが、これらの人たちの神経は図太くできており、蛙の面に小便で、何を言われても感じることなく平気なんだろうね。

 

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