島のように巨大な頭足類の姿をした海の怪物。荒れる海の波のような、しなる腕を持つという。船を襲い、人間を海に引きずり込む。
陸生動物であるヒトにとって、海は異界に等しい。異星と言ってもいい。そこで長期間生存することは事実上ヒトには不可能だ。
だがヒトにはクマやイヌにはない性質がある。無謀な冒険をしてみたい。そのような、焦りに似た情熱がある。神にさからい、馬鹿なことをしてみたい。
それが人間を海に向かわせるのである。
クラーケンはそのようなヒトの甘い考えに立ちはだかる、神の鞭である。人間にはわからない、ひどい世界があるということを、神が教えているのだ。
冒険したいという気持ちを妨げはしないが、神を甘く見ないほうがいい。十分に気をつけてやりなさいという意味なのである。
不可能に挑戦する自己存在の前に立ちはだかる、負の厳しさを表す。
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