自分の尾を噛んだ蛇、または竜の姿。
これは自己存在の迷走の象徴である。
それと知らず自分の尾を噛み、その痛さに耐えきれず、また強く自分の尾を噛み、また一層痛くなり、また噛む、という状態に陥った自己存在の虚無的状況を表す。
人間は時に嫉妬を主な原因として、神を攻撃するが、それが自分を攻撃していることに気付かないのだ。結局は自分がつらいことになり、そのつらさがいやでまた神を攻撃する。神を攻撃すればまた自分がつらいことになる。神こそが自分の姿だからだ。
ウロボロスは一切の変化と進歩を拒否し、この永遠の自己矛盾の輪の中から出てこようとしない。怖いからだ。同じことを繰り返す死のような毎日に安ど感を見出している限り、この苦しみは続く。どうすればこの恐ろしい結び目を解けるのか。それに必要なのはアレクサンドロスの剣のごとき一撃である。
堪えがたい痛みをも耐えねばならないが、一旦ほどければもう、二度と自分の尾を噛むことはない。
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