更新世に生きていた古人類。絶滅したとされるが、わずかに現代人に血流が伝わっている。
ここでは人間とサルの違いを語ってみよう。
サルの霊魂はみな、単純な自己肯定感の中に生きている。自分というものを、当たり前にいいものだと信じ、自分は全く正しいと思っている。
だがこういう霊魂が、自分というものに疑いを感じ始めると、ヒトになる。
なんで自分はこんなことをするのか、いやなんだ、こんなことは。
理由はわからない。そんなことがわかるほど理論能力は発達していない。だが伸びてきた感性が、自分というものを感じ始める時、自己存在は最初に、かすかに自分に拒否反応を感じるのである。
自分というものが、いやだと。
そう。彼らはこの時初めて、自分の存在というものを、つかむのだ。
そして霊魂はさまよいはじめ、思索ということを始めるようになる。嫌なことをし始める。馬鹿にし始める。つらいというようになる。
それが人間の始まりなのである。