人間は時に、愛するためだけに生き物を飼う。
食用とするわけでも、毛皮や乳や卵をとるわけでも、使役するわけでもない。
彼らを養うために餌をとって来ることもいとわない。糞尿の始末や、環境の世話もするなど、様々な苦労をすること、そのものを目的として飼うのである。
愛するためだけに、他の生き物を利用するようになったのは人間だけである。
愛することが、よいことなのだと、人間にはわかったからなのである。だが、まだ人間にとって人間は、安心して愛せる存在ではない。
だからそれを、まだ無力な存在である動物に求めるのであるが、それゆえに、飽きたら平気で捨てるなどのむごい仕打ちもできるのだ。
金魚や鯉などの魚類、昆虫類、犬猫やウサギ、ネズミ、鳥類、爬虫類などの生き物を、ファッションとして飼うものも多い。また近年ではハムスターのブームや、フェレットの登場などもあった。
ペット産業と言って、中には醜い商売をするものもいる。それはまるでセックスを売るようでもある。
愛を必要としているのなら、それなりの美しい態度を学ばねばならない。人間の愛欲のために、動物を苦しめたり、馬鹿にするようなことをしてはならない。