大相撲

大相撲についての想い

取組編成

2006-08-08 20:57:58 | Weblog
ふと思ったが、名古屋場所十四日目、朝青龍に白鵬をぶつけていたらどうなっていただろう。もし白鵬が千秋楽と逆に負けていたら、千秋楽は綱とりもなければ優勝も決まっていて、時天空が技能賞取るかくらいの日になってしまっていたかも。いや、それでも協会は「千秋楽の相撲を見て決める」と言っただろうか。多分それはないだろう。そして仮に白鵬が勝っていたら、どうか。優勝決定は千秋楽に持ち越し、ただし横綱は十中八九千代大海に勝っただろうから、それは朝青龍-白鵬戦がいつであろうと優勝の行方は同じ。しかし、十四日目終了後、白鵬の昇進問題について協会はいずれにしても「千秋楽の相撲を見てから決める」あるいは「優勝又は優勝決定戦になったら昇進」と言っていただろう。そして白鵬は勝つものの、優勝もできず優勝決定戦にもならず、本割でいい相撲を取っていたとしてもやはり昇進見送りになっていただろう。

こうしてみると、朝青龍-白鵬戦がどちらの日に組まれていても、昇進見送りによるがっかり感はいずれにしても発生していたはずだが、千秋楽が完全な消化試合になるリスクがある分、千秋楽結びの一番、これで今場所は終わり、というところで組んだほうがいろんな意味でよかったのかもしれない。勿論、協会が不必要に千秋楽の結果と内容によって昇進が決まるかのような期待を煽ったことで千秋楽のがっかり感の方が大きかったことは間違いないだろうが。

今回は優勝争いと横綱昇進という二つの要因があったので、事情が複雑になったが、優勝争いで1差・2差つけてトップを走っている力士がいる場合、好調な者から順番にあてて優勝争いを少しでも長引かせるべきだというのは一般論としては正しいだろう。ただし、今場所のように単独トップの横綱に対して、2差で追っている優勝争い二番手の白鵬を十四日目に当ててしまうと、優勝が決まっちゃうということもある。だけど、白鵬の替わりに白鵬よりも調子がよくなくって横綱に勝てなそうな人を当てちゃうとどっちにしても横綱が勝って優勝が決まっちゃう。

つまり、終盤くるまでに2差ついちゃうと四の五の言っても無駄で、取組編成は原則に立ち返って番付どおり組めばいい。まだ1差や同点なら、番付順でなく、勝ち星順で最も調子のいい者から当てていけばいい。ただし、いずれにしても優勝争い二番手の人は温存しておいて千秋楽に当てるべき。ということにならないか。以上のように考えると、十四日目の取組編成は妥当。やはりあくまでメディア向けの昇進基準の言い方がまずかったのだ。

上記のルール、慣習化して、折角死ぬ思いで早起きして整理券とって千秋楽のチケット取った人ががっかりすることの可能性が減るために役立ててほしい。押尾川前部長は慣例にとらわれず、大相撲が盛り上がるために最適な取組編成をしていたように思えた。果たして彼だったら今回をどう処置していただろうか。