大相撲

大相撲についての想い

新体制発表

2006-02-01 23:50:05 | Weblog
北の湖政権の新体制が発表になった。一門内の話し合いは順調についたと聞いていたので(それ自体の善悪はともかく)、誰が役員になるかではなく、ポストの割り当てがどうなるかを興味をもって発表を待っていた。

ポイントとしては個人的には二点。①大相撲人気回復の兆しの中で、新体制にどのような戦略意図が込められているか②解説が面白い親方が審判部入りしてしまうことでテレビ中継のメンバーが少なくなってしまわないか

①については、全体的に前期の総括が何で、何に注力したいのかがわかりにくい印象。そもそもその抱負なり方向性なりが、もしかしたら発表されたのかもしれないが公式な場ではまだ見れていない。奇しくもアメリカでは一般教書演説が行われて、ブッシュですら自分の考えとかを示したわけで、だからというわけではないが理事長には是非何らかのメッセージを発信してほしかった。

では、有形のメッセージがないとして、配属の中から何かの意図が読めるだろうか。まず、そもそもよく理解していないのが、伊勢ノ海さんがやってきている総合企画部長のポスト。普通の会社なら、中期戦略とか、あるいは売上または利益拡大の施策を考えるとかする部署だろうが、前期の成果は?というかそもそも施策として何をやったのか?クリアファイル?営業マン雇用?四人枡を二人に提供?役割と課題が不明。でもポストが存続ということなので、協会内部的には一応ヨシということなのか。

それから、今の上昇気流をうまく掴まえていけるかはメディア戦略がカギだろうと思うのだが、たとえば、初場所千秋楽なんかテレビ視聴率もかなりよかったというし。それは引き続き高砂さんが一人で担うってことで本当にOKなのか。彼はほかにも3つくらいの役職を兼務しているが大丈夫なのか。

それから、やはり力士育成が課題だと思うのだが、リソースの重点配分はされたのか。自分としてはよく判断できるだけの知見がない。しかし、外国人の部屋別枠とかって仕組みを採用していながらも外国人の元気のよさと相撲の質の高さが目立つように思うのだが、真剣にスカウトの段階から日々の育成までを部屋任せにしないで協会としててこ入れしないとまずい時期ではないのか。個人的には、完全にグローバルスポーツ化して、門戸開放するならそれはそれでよし、その中で大和魂を見せる日本人が出てくるのを信じる、というのも十分許容範囲なのでそれでもいいが、問題意識として協会がどう今の育成のあり方を捉えているのか是非知りたい。

同様に、指導普及部所属の親方が無数にいる。兼任してない人を除いても30人はいる。この人たち、もっと細かくミッションを与えていろんなことに励んでいただけばよいのでは。たとえば巡業の勧進元の開拓、入門希望者の発掘、相撲のカッコよさのPRなど。部屋付きの親方は個別事情で違いはあれど、協会の仕事に比重をかけてもらうようにしても良いのでは?協会から手当もらっているわけだから。

それで、全般に言えると思うことは、幹部級の人たちの中で、何か新しい変わったことをやってくれそうだとか、反骨精神で協会に対してもマスコミに対しても横審に対しても本当に力士の身になって意見をいいそうな正論居士とか、といった思わず注目してしまいたくなる顔ぶれではないなあということ。その分、活きのいい若手親方が役職がない分テレビ解説に出て盛り上げてくれればいいのだが。

②のポイントに関してはあまりその心配はなさそう。

個人的には、あとは、琴龍親方はそろそろ準年寄の期限のはずだがどうするのかな、というのと、友綱親方は理事だからもうテレビ解説はあまり来ないのかなということが頭をよぎった。

しかし、繰り返しになるけれど、大相撲はまだまだ潜在ファンがいることは初場所とかふれあい感謝祭とかで再確認できてきているはずなのだから、理事長には自分の言葉で想いを発して、そういう潜在ファンの注目を集めるようなことをしてほしかった。現状維持でいいや、と思っている訳ではないよね、とお訊きしたい。