竹の春

竹の春繁る緑の風騒ぐ
店頭にふるさとの色道草の実
しなやかに薄紅葉映ゆ花水木

秋風

秋風に朝顔なびき乱れ咲く
垣間見ゆ茘枝黄色く色づきて
粒揃う押さえし色の式部の実

秋祭

お揃いの絆天進む秋祭り
間歇の歓声流れる秋祭り
秋冷を俄に感ず日の翳り


二軒隣の氷川神社の秋祭り、台風も逸れ予想外の快晴となった。子供が少なくなったが、元気よくお神輿を担いで親御さんはカメラとほほえましい光景です。

芋虫

芋虫の縁より食いし葉に隠れ
虫の音を静かに愛でる秋扇
足早に隠れし蟋蟀鳴き始め

秋の空

艶失せし葉を振り落とす秋の風
秋空や流れは速き白き雲

栗

栗匂う炊き上がりたる湯気の中
崩れずに栗剥け上がる笑顔かな
枝豆を豆腐に散らす緑冴え

九月場所

一瞬の力は汗に九月場所
曼珠沙華花のみ燃ゆる此処彼処
摘まむ手をするりと剥けて衣被

霧

ビル群の見慣れし風景霧に消え
露草の潤う朝のひとあるき
受ける身の敬老の日の温もり

吾亦紅

吾亦紅花穂のみの枝幾重にも
稲の花集めし稲穂風に揺れ
竹の春緑に染まる風騒ぐ

秋茄子

秋茄子の色そのままに漬けあがり
一条の萩活けられて静まれる
草の穂を軽く扱きて種の散る