息白し

2005-12-26 11:06:00 | Weblog
駆け上るホームに残る息白し
瑠璃通し温もり新た日向ぼこ
空の巣の吹き飛ばされて冬の蜂

俳句雑誌「水煙」2月号掲載作品

2005-12-21 15:01:28 | Weblog
照紅葉(作品7句欄)

瑞瑞し大根引の土匂う
人参を忍ばせ跨る馬上かな
振り向けは来し方すべて照紅葉
冬の空枯葉踏み行く音高し
くっきりと際立つ冬構の土光る
懐かしき炭切る音の堅きかな
焼薯の売声俄かに風に乗り
椎の実を覆う落葉の温みかな

東京 平田弘(水煙作品欄)

先人の知恵に野生の自然薯
逞しき枝に孤高の冬薔薇
冬の空枯葉踏み行く音高し
野に混じる野菊の白の愛らしさ
落人の里に木の実の音静か

俳句雑誌「水煙」1月号掲載作品

2005-12-13 00:45:31 | Weblog
ひよどり(作品7句欄)

菱の実と見初めし殻に割を入れ
ひよどりのたまに飛び来る尾の動き
草深き近道すれば牛膝
柚子浮ぶ椀ほんのりと包み込む
朝顔の種取る紙に色を付け
盛り花の五色の菊に彩られ
落人の里に木の実の音静か