孫子曰わく、 兵とは国の大事なり。死生の地、存亡の道、察せざるべからざるなり。
軍事は国家の命運を決する重大事である。だから軍の死生を分ける戦場や、国家の存亡を分ける進路の選択は、くれぐれも明察しなければならない。
(孫子の兵法より)
事業を再生するにあたり、怪しい再生本を読み過ぎて、まだ、会社が多少疲弊しているにすぎない状況であるにもかかわらず、考えもせず支払いを止めてしまったり、競売にもちこんだりする人がいる。また、とても危険なことだが、冷静に考えることすら怖くて事業再生家に全てお任せ状態の方もいる。
銀行の貸し渋りや、取り立てに過剰に反応してしまい冷静な判断ができなくなってしまっていたりする人の場合や、逆に事業再生本を読みすぎ、再生勉強会などに出たりする程度で簡単に再生できると思いこむ人(ケチな人に多く、顧問料を払うことがもったいないと感じる人)や、金さえ払って任せれば再生できると思う人(今の事業自体も人任せ)の場合である。
たとえ、事業再生実務家に直接相談するとしても、ごく当たり前のことであるが、貴方自身の事前準備が必要である。
自分の会社がどういう状態なのか、少なくとも財務諸表、設備や在庫チェック、不動産のチェック(実勢価格の把握、抵当権)、で客観的に今の状況を判断することが大事である。その程度のことが漠然とでも良いからわかっていないと相談すら無意味になってしまう。
(中小企業のオヤジさんたちには、細かい数字はわかっていなくても現場で直感的に肌で感じているから、自分の会社の状況が意外に正確にわかっている方もいる。)
また、そうすることが、怪しい事業再生実務家にひっかからないコツでもあるし、今後の事業再生を貴方自身が主導ですすめることができる。すなわち、再生の過程で貴方にとって大事なものを残し、捨て去るべき無駄なものを自分で客観的に判断することができるのである。
実務家主導では、もしも怪しい実務家にかかってしまったら、実務家の都合で売るべきでなかった不動産を売ってしまうことも十分ありえるのだ。
事業再生とはいえない借金の交渉の第一歩にリスケジュール(返済条件の変更)がある。
リスケジュールは、とりあえずの一時しのぎであるが、その間に会社が復活できるなら、あえて事業再生という戦争に飛び込む必要はないのだ。
尚、リスケジュールは返済条件の変更であって、ちゃんと銀行に仁義を尽くして全額返済するわけであり、それなりの手順(注1)を踏めば、銀行と戦争にならず、最上の借金交渉となる。だから、恥ずかしくなく堂々と行える、詭道ではない正道の交渉である。
テーマから外れるが、事業再生はどんな入り方にせよ、かならず誠意をもって正道なる交渉という過程を踏まなければならない。どんなに誠意をもって交渉しても、埒があかない場合、初めて詭道が効力を発するのである。…「孫子曰く、戦いは、正を以て合い、奇を以て勝つ」即ち、戦争というものは、正法で敵軍と対陣し、奇法で勝利を得るのである。
(注意:自分を冷静に客観視できていないと、リスケジュールという一時的な対処療法、即ちカンフル剤であって、資金繰りも楽になり「もう再生した」と勘違いしてしまい、その結果、リスケが終了した途端、慌てて実務家に駆け込んでくる方がいます。それも、自分の状況がわかっていないから起こることです。)
だから、事業再生という戦争に飛び込む前に、今の状況をよく判断し、明察する必要があるのである。正道のよる解決ができれば、それに越したことはないのだ。
<注1>
リスケジュールは銀行に口頭で申し込んでも相手にされません。ちゃんと書面で申し込み、今後の経営改善策を提示し、「リスケジュール期間終了後には改善されて、こうなります。」という具体的な計画案をだすことが大切です。
しかも、直接、貴方自身が平の銀行員ではなく融資担当課長クラスの方と直接会ってお願いすることが大切です。彼らもサラリーマンですから、その上の上司に報告しなければなりませんが、その時にそれらの書面が役に立つからです。
誠意ある銀行マンなら、その書面の書き方を丁寧に教えてくれる方もいます。
軍事は国家の命運を決する重大事である。だから軍の死生を分ける戦場や、国家の存亡を分ける進路の選択は、くれぐれも明察しなければならない。
(孫子の兵法より)
事業を再生するにあたり、怪しい再生本を読み過ぎて、まだ、会社が多少疲弊しているにすぎない状況であるにもかかわらず、考えもせず支払いを止めてしまったり、競売にもちこんだりする人がいる。また、とても危険なことだが、冷静に考えることすら怖くて事業再生家に全てお任せ状態の方もいる。
銀行の貸し渋りや、取り立てに過剰に反応してしまい冷静な判断ができなくなってしまっていたりする人の場合や、逆に事業再生本を読みすぎ、再生勉強会などに出たりする程度で簡単に再生できると思いこむ人(ケチな人に多く、顧問料を払うことがもったいないと感じる人)や、金さえ払って任せれば再生できると思う人(今の事業自体も人任せ)の場合である。
たとえ、事業再生実務家に直接相談するとしても、ごく当たり前のことであるが、貴方自身の事前準備が必要である。
自分の会社がどういう状態なのか、少なくとも財務諸表、設備や在庫チェック、不動産のチェック(実勢価格の把握、抵当権)、で客観的に今の状況を判断することが大事である。その程度のことが漠然とでも良いからわかっていないと相談すら無意味になってしまう。
(中小企業のオヤジさんたちには、細かい数字はわかっていなくても現場で直感的に肌で感じているから、自分の会社の状況が意外に正確にわかっている方もいる。)
また、そうすることが、怪しい事業再生実務家にひっかからないコツでもあるし、今後の事業再生を貴方自身が主導ですすめることができる。すなわち、再生の過程で貴方にとって大事なものを残し、捨て去るべき無駄なものを自分で客観的に判断することができるのである。
実務家主導では、もしも怪しい実務家にかかってしまったら、実務家の都合で売るべきでなかった不動産を売ってしまうことも十分ありえるのだ。
事業再生とはいえない借金の交渉の第一歩にリスケジュール(返済条件の変更)がある。
リスケジュールは、とりあえずの一時しのぎであるが、その間に会社が復活できるなら、あえて事業再生という戦争に飛び込む必要はないのだ。
尚、リスケジュールは返済条件の変更であって、ちゃんと銀行に仁義を尽くして全額返済するわけであり、それなりの手順(注1)を踏めば、銀行と戦争にならず、最上の借金交渉となる。だから、恥ずかしくなく堂々と行える、詭道ではない正道の交渉である。
テーマから外れるが、事業再生はどんな入り方にせよ、かならず誠意をもって正道なる交渉という過程を踏まなければならない。どんなに誠意をもって交渉しても、埒があかない場合、初めて詭道が効力を発するのである。…「孫子曰く、戦いは、正を以て合い、奇を以て勝つ」即ち、戦争というものは、正法で敵軍と対陣し、奇法で勝利を得るのである。
(注意:自分を冷静に客観視できていないと、リスケジュールという一時的な対処療法、即ちカンフル剤であって、資金繰りも楽になり「もう再生した」と勘違いしてしまい、その結果、リスケが終了した途端、慌てて実務家に駆け込んでくる方がいます。それも、自分の状況がわかっていないから起こることです。)
だから、事業再生という戦争に飛び込む前に、今の状況をよく判断し、明察する必要があるのである。正道のよる解決ができれば、それに越したことはないのだ。
<注1>
リスケジュールは銀行に口頭で申し込んでも相手にされません。ちゃんと書面で申し込み、今後の経営改善策を提示し、「リスケジュール期間終了後には改善されて、こうなります。」という具体的な計画案をだすことが大切です。
しかも、直接、貴方自身が平の銀行員ではなく融資担当課長クラスの方と直接会ってお願いすることが大切です。彼らもサラリーマンですから、その上の上司に報告しなければなりませんが、その時にそれらの書面が役に立つからです。
誠意ある銀行マンなら、その書面の書き方を丁寧に教えてくれる方もいます。