行く末遠ければ

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地元サッカークラブ・カターレ富山を応援するブログ

勝ちきるミッションを完遂。90分で決着をつけ、天皇杯進出 富山新庄クラブ戦

2024-05-13 17:59:49 | カターレ富山
2-0で勝利!
正直言って、苦戦しました。
舐めてかかったわけでもないでしょうが、新庄クラブの気迫に押されてヒヤリとさせられる場面もあり。カテゴリ差を見せつけるだけの強さを発揮できたかと言えば、さにあらず。
それでも。反省材料もあるなか、手放しでは喜べない部分もあるにせよ。
勝つべき試合を、勝ちきった。それはなによりということで。
一昨年は延長まで、昨年はさらにPKまでもつれた同カードでしたが、90分でケリをつける勝利。
富山県代表として、第104回天皇杯への出場権を得たのでした。

13時キックオフの試合でしたが、それまで曇っていた空模様が、試合開始に合わせたかのように弱い雨が降り出して。
その雨も、霧雨程度ならばほとんど気にならなかったであろうところ、雨粒自体は気になる程度。さりとて、しとしとと降り続くような、雨で濡れたピッチに足をとられるほどではないくらい。実際、スタンドでも雨具を身につける人とつけない人、気にする人と気にしない人、という塩梅で。
それよりも、気にしなければならなかったのは。
南から北、アウェイ側からホーム・電光ビジョン側に向かって、強い風が吹いていたこと。
大旗の使用が禁止、いつものリーグ戦のようなスポンサーボードが設置されないなかでの試合でしたが、もし設置されていれば撤去も視野に入れていたようなレベルであったかと。
前半は新庄クラブが風上、カターレが風下という状態で、試合開始となりました。

メンバー編成は、いわゆる「ガチメンバー」で構成。試合間隔が詰まっていないということで、現時点でのベストメンバーを起用するという監督の方針に沿ったものとなったようで。
出場経験の少ないメンバー編成が仇となるかたちでジャイアントキリングを許してしまう、というシーンは、これまでの天皇杯をはじめとしたカップ戦では、しばしばみられてきたものですが。
このままのメンバーでリーグ戦、と言われても遜色ない編成で臨むということは、実戦での試合勘の面でも安心感はあります。
ただ、一方で。
ガチメンバーだから格下相手には余裕かと言われたら、そうではないでしょう。
格上として、挑戦を受ける側。挑む側のガムシャラ感に比べては、守るものがある立場としてのやりにくさは、やはりあることでしょうし。
そう、これが出場経験の少ないメンバーであれば、もしも敗れたとしても、それを理由に言い訳めいたものも成り立つかもしれませんが。
なにが起こるかわからない一発勝負。
ガチメンバーで不覚をとることがあったなら・・・そのダメージというものは、いかばかりか。
ある意味、諸刃の剣という一面もあったかと。

そんな思いを、知ってか知らずか。
試合開始からわずか3分ほどで、河井が接触プレーで頭をうって倒れ込む、というアクシデントが。
幸いにして程度は軽かったようで、しばらくした後に立ち上がりはしたものの。
大事をとってということでしょう、ほどなくして末木に交代。リーグ戦とは違ってサブメンバーが9人という体制でしたが、その交代枠のひとつを戦略以外のところで使うこととなりました。
どうしたって、優先度で言えばカップ戦よりもリーグ戦。出場経験の少ないメンバーに経験を積ませるという以外にも、主力選手の怪我を未然に防ぐため、あえて起用しないという選択もあります。
いろいろな条件を考慮に入れつつも、それでも勝利を追い求めねばならない。
その難しさというものを、開始早々に突きつけられた格好。

カテゴリ違いの対戦では、上位カテゴリをリスペクトし過ぎて実力を発揮しきれない下位カテゴリチームもいる一方で。失うもののない下位カテゴリチームのほうが、守るもののある上位カテゴリチームよりもイキイキとプレー出来る傾向も、またしかり。今回の対戦では、新庄クラブには後者の傾向が。
実際、見ていても北信越リーグという2カテゴリ下、という差は感じられず。
16分ごろには、バー直撃で難を逃れるという肝を冷やす場面があったり。
もちろん、無視できないほどの風の強さがあり、その影響は顕著。
カテゴリ差には関係ない部分として、やはり風下の不利は否めず。カターレとしては、なかなか攻勢に出られない展開が続きました。
本音を言えば、「それでもなんとかしてほしい」というところだったのですが。

0-0で前半終了。両チームにとって勝負の行方は、後半の出来如何にかかってくることに。
新庄クラブ側としてみれば、有利な風上であった前半のうちにどうにか得点したいところだったことでしょう。それでも、無失点に抑え込めたことは上々の成果。GK田村 直樹を中心に集中した守備が出来ていた手応えというものは、感じていたことかと。
一方で。
カターレの側はと言えば。
なんというか・・・悪い意味で、リーグ戦とあまり変わらないな、と。
新庄クラブを侮っていたつもりはないのは、もちろんとして。良し悪しではない部分で、いつものリーグ戦とは違うリズムというか・・・プレースピードなどの微妙な違和感が、試合を難しくしていた部分もあったかもしれませんが。
それよりも。
なにか、自分たちが試合を難しくしていないか?と。
リーグ戦でも、ここまで13試合で12得点は、正直言って不満です。得点力の無さ、決定力不足という面もさることながら・・・仕掛けの数が、そもそも少ないのでは?と。
後方からボールを繋いで攻めのかたちを組み立てていく、というスタイルそのものは理解するにしても。
そこは戻したりせずに前へ、だろ!とか。時間を使いすぎじゃないか!とか。
ともすれば、消極的にすら見えるプレーぶり。相手に守備の余裕を与えて攻め切れないでは、本末転倒じゃないのかと。
そういった部分が、この県選手権決勝でも。
いやいや、カテゴリ差のある対戦と言っても、その難しさに自分たちからハマっていってやしないか?と。
なんなら、リーグ戦ではないからこそ、リーグ戦にも通ずる強度でもって挑み、次節以降の試合に向けて自信を深める機会にせねば、という部分もあったはず。
そんな目論見が、どうにも機能していないのではないか?と。

0-0のままに試合が進み、延長、PKにまで持ち込まれては、去年と同じ。PKまで行けば運の部分も絡み、敗退の危機感も高まるというもの。
なにより、ガチメンバーで挑みながら勝てないのは、いかにリーグ戦とは別物とはいえ、今後に暗い影を落とすことになりかねないと。
そんななか、試合が動いたのが59分でした。
ペナルティエリア内で椎名が倒され、PK獲得。
リーグ戦においては、ここまで4度のPKがらみの失点があった一方で、こちらのPKは無し。つまり、今シーズン初めての試合時間内でのPKシチュエーションでした。
キッカーは、マテウス。
チーム内でもPKに自信を持つ彼が、この場面でもしっかりと決めて、先制。過去2回の同カードで90分のうちには動かなかったスコアでしたが、カターレの側に得点が入ることとりました。
前半から強度の高い積極的なプレーぶりを見せていた新庄クラブにも、やはり疲労の色が出てきたところ。たたみかけるべく、ヨシキやショウセイといった主力を投入して、試合を締めにかかることに。
引き分けのない試合において、モノを言うのが選手層の厚さを基にした交代策。
2022年の天皇杯では、ヴィッセル神戸を相手に試合終盤までリードする展開としたカターレだったものの。試合最終盤に投入された日本代表・大迫 勇也に、まさにハンパない2ゴールをくらって逆転負け、ジャイアントキリングならず、という試合がありました。
下位カテゴリのクラブが善戦できたとしても、それが必ずしも勝利につながるとは限らない。
昨シーズンの天皇杯で京都に勝利するまで、前述の神戸戦を含めて、J1勢にまったく勝てなかったのも、まさに選手層の厚さに圧し潰されたカタチとも言えたかと。
話は戻って、この富山新庄クラブ戦。
今回は、カターレが上位クラブであり。
善戦を続ける新庄クラブ。それでも、最後に勝つのはカターレだ!と。

試合最終盤、1-0でカターレのリード。ただ・・・このまま勝っても、それでいいのか?と。
プロクラブたるカターレに一歩も退かない奮闘を見せる新庄クラブ。その頑張りは、しっかりとリスペクトしなければならない一方で。
プロクラブとして、VAR検証もないなかで主審の判断に委ねられている部分を含むPKからの得点、それだけでいいのか?と。つまり、審判によっては採らなかったかもしれないPK、そのおかげで勝てたからと言って、プロの面目躍如となるのか?と。
このままでは・・・たとえ勝てたとして、あまりにしょっぱい結果ではないか?と。
そんななかで迎えた、アディショナルタイム。90+1分のことでした。
ピッチ中央から、ヨシキが鋭いスルーパスを前線に送ると。
それがドンピシャのコース、タイミングでショウセイにつながり、GKと1対1。
もしここで慌てて蹴ってしまっていたら、ふかしてしまって枠を外れてしまう、ということにもなりかねなかったところ。ショウセイは、冷静でした。
相手の動きを見定めつつも冷静に右足で蹴り込むと。ボールはネットを揺らし、駄目押しゴールに。
直近2試合連続ゴールを決めている自信が、ここでの冷静なプレーにもつながったということなのでしょう。ショウセイの公式戦3試合連続ゴールで、勝負あり。
試合終了。
90分でしっかりと勝ちきるという目標を達成、勝ちきるミッションをコンプリートしてみせました。
決して簡単な試合ではなかったけれど。それでも勝ったカターレが、今シーズンホーム負けなし記録を更新。富山県代表の座を掴み取り、天皇杯出場を確定させたのでした。

もう、毎年毎年の定型句のようになって申し訳ない気もしますが・・・それでも、言っておかねばならないでしょう。
「富山県代表としての出場は、今年で終わらせなければ。来シーズンはJ2クラブとして、天皇杯に無条件出場を!」
・・・毎年言っていますが、今回も。
スーパーシードとして決勝だけ勝っての富山県代表ではなく。その座を新庄クラブをはじめとした県下クラブに譲り、カターレはJ2、あるいはJ1クラブとして天皇杯2回戦以降の登場とならねば、というところ。
ともかく。
最後の富山県代表として臨まねばならない、第104回天皇杯。
1回戦は5月26日に、高岡スポーツコアにて大阪府代表・関西大学と対戦することが決まりました。
それまでの間にも、リーグ戦のFC大阪戦、ルヴァンカップ3回戦・ヴィッセル神戸戦と、いずれもホームでの試合が控えていますが。
勝ち取った、富山県サッカークラブ最強の称号、そして代表の座。
その名に恥じぬ活躍でもって、今回撃破した新庄クラブが誇れるカターレの姿を見せねば。

戦いは、続きます。
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