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アメノチハレ

都志見隆の果てしない日々の日常

アマゾンとWi-Fiあれば

2023-03-30 | Life
三寒四温とはよく言ったものだ

暖房をつける朝が続けば
Tシャツ一枚で歩きたい日がある

ふた月前から計画していたゴルフも
その前後は晴天 当日は大雨と
まあ 相変わらずの雨男ぶりである

20代半ばの甥(弟の息子)が
東京から島根の田舎に移住した

広島に住む両親が
最後に孫の住処を見ておきたいというので
彼岸の墓参りついでに
旅行がてら甥の新居を訪ねた

都会の便利さよりも
田舎の静かな生活を選んで移住を決めたという

人付き合いが得意ではなく
一人でいることの寂しさは
苦にならないらしい

広い敷地に畑がついた古民家を買って
オール電化にリフォームして
年明けから住み始めた


at Factory & Labo 神乃珈琲

アマゾンは来るのか?
うん
Wi-Fiは?
工事を頼んでる

少し行くと日本海が見える

先日は近所の農家のおじさんが
釣った魚を持ってきてくれたらしい

捌いて食ったか?
どうやるかわからなかった

魚の捌き方ならYouTubeに五万とある
俺なら三枚に下ろして
刺身や干物や燻製にする

そんなことも一つ一つ覚えてゆけ

古民家の一つ一つの部屋を見て周りながら
自分ならここに住めるだろうかと
自問自答してみる

答えはNOだった

都会の生活を全て捨てて
バスに乗らなければコンビニもない
隣近所まで何十メートルも歩く
そんな土地を新しい生活の場と決めるには
相当の覚悟をしたに違いない

自分がどうしているのが
一番幸せか
色々と考えた挙句の移住だったのだろう

いろんな人生があるもんだ

相手に善かれと思うことも
本人には余計お世話となる場合だってある

人の幸せは他人の物差しでは測れない

中国自動車道を降りて残りは下道でいく
同じ距離でも山道を走る時間は
倍もかかる

帰京してから
甥からラインが来た
田舎まで両親を引き連れ
訪ねてくれたことへのお礼の内容だった

道のりは遠かったが
思いは一瞬で山坂を飛び越える

あとは新しい土地で

元気に人生を存分に謳歌すればいい


亀鳴く

2023-03-11 | Life

今年は花粉症がひどく
目の定期検診も兼ねて
眼科へ

これも春への通り道

視力も落ちて
乱視 遠視 そしてひどい老眼

このところなんだか肘痛や腰痛も出てきた

ヘルニアによって
左腕は痺れ度が増してきている

何年か先をゆく先輩たちは
みな口を揃えて
「60過ぎたら急にガクンとくるよ」と脅かすが
決して大袈裟な言い方ではなかった事に
最近気づく


Mr or Mrs turtle

ところで、亀は万年と言われるほど
長寿の象徴として存在するが
冬はゆっくりと呼吸しながら冬眠し
気温が上がってくると活動を始めるらしい

まさに省エネルギーでの活動が
長生きの秘訣らしいのだ

先日 友人が送ってくれた写真が なんとなく良い

春の訪れを告げるかのように
むっくりと起きだした亀


最近 さらにせっかちになったと言われる

そのせっかちさに 時々 自身が疲れてしまう

特に天気の良い日は落ち着かない

先日、母も同じようなことを言っていた

雨が降れば 洗濯物も干せないし
買い物にも出かけず
ダラダラしていられるから
気が楽だと笑う

そんな性分を完全に引き継いだに違いない

天気の良い日にスタジオにこもって
曲など書いてる場合ではない
なんて言ったら怒られそうだ

そろそろそんな強迫観念に駆られず
亀鳴く季節のこの春を
ゆったりとした気持ちで
迎えたいものだ



土に還る

2023-03-07 | Life

今年は一足先に
弟が彼岸の墓参りに帰るということで
今から新幹線に乗ると連絡があった

ラインの最後には
昨年に亡くなった愛犬の墓をやっと作ったと
写真も一枚

女房と二人
レストランの一角に植わった大きな樫の木の下に
穴を掘って埋めて それから
手作りの墓標も立てた

そうしたら そこをまたぐように
小さな虹がかかったというのだ

それはきっと亡くなった愛犬からの
サインかも知れないよな


dog's Grave in nirasaki

なんか一年過ぎてもウルウルくるね
会いたいなあと 締めくくってあった

僕自身は3年過ぎてようやく
土に還してやることができた

今の家からいつ引っ越すことになるかもわからないし
移動できる鉢植えに埋めて花を咲かせてあげるのも
供養になると聞いた

時間という薬はゆっくりと優しく効いてくる

骨壷を開けてみたら
3年前には多少の形が残っていた骨も
すでに荒い粉末のような状態だった

先の事など考えず
とにかく土に還してやりたいと
ようやくそんな気持ちになれた

自宅敷地内の
2匹を埋めた場所には
ツツジやさつきが大きく育ち
いまでは墓碑を覆うほどだ

今年の春のお彼岸は3月18日から一週間

現世とあの世の距離が最も通じやすくなる春分、秋分の時期に
こちら側から近くまで行きご先祖様を供養するのが
彼岸らしい

墓前に出向き
先祖の霊を供養し感謝を伝えよう

ワン子たちにも大好物だったおやつを供えて
あいつらの名前を呼んでみたら
もしかしたら なにかの気配に変えて
答えてくれるかも知れないな



AGA進行

2023-02-27 | Life

今までの作曲を通して
コードがA-G-Aという進行は
あまり使ったことがないように思う

ロックな作品の発注も
持ち前の性(さが)で
どうしてもポップさを前面に
仕立て上げる癖がある

同じコード進行でも
使い方や聴こえ方は無限大だ

そう言う意味では
自分がアウトプットしてきた
コードトーンの種類は
まだまだ少ないと感じる

昨今 このAGA
自分にとって別の意味で
非常に馴染み深い

Androgenetic(男性ホルモン) Alopecia(脱毛症)

いわゆる男性型脱毛症だ


at Numazu Golf Club with Friends

2019年あたりから抜け毛が気になり始めて
クリニックの門をたたきカウンセリングを受けた

同年から服用を始めたフィナステリドという薬

男性ホルモンが悪玉化するのを抑える効果があり
これによって生え変わる周期が長くなる

飲み始めて数ヶ月で
抜け毛が大幅に減った

脱毛ブラザーの友人にも紹介したのだが
お互いに見事な効果だ

しかし 最近の不調の原因は
まずは加齢だと口を揃えて医者は言う

いただいたこの身体ひとつで何年もいきていりゃ
そりゃ劣化するのは当たり前だが

まあそうやって自分でできることで
少しでも改善されるなら
やらない選択はないだろう

主だった副作用もなく
少し時間をかけながらでいいなら
この脱毛対策
試してみる価値はあると思う

抜け毛が減っただけで
気分も上がるんだから

そんな些細なこと一つ一つが
人ひとりを支えてるんだなあと
つくづく思う


 さて、昨年亡くなった義母の弔いも兼ね
先日は義兄弟や甥など10人ほどでランチをした


mon atelier(モナトリエ)

コースのメインは秋田由利牛

肉もそうだが
野菜の旨味が絶品だった

塩かな 塩もオリーブオイルも
一度入り込んだら沼だ

今年の目標の一つとして
イタリアンな料理に手を出し始めた自分としては
目から鱗のひと皿だった


空と僕との間には

2023-02-21 | Life
医療保険の担当者が変わり
改めて保険内容の見直しのため
保険会社に出向きカウンセリングを受けた

今までのプランは10年以上前に改めたもの

毎年ひとつ歳を重ねるごとに
つまり人生の残り時間が減ってゆくなら
重きを置くところも違ってくるのは必然だ

社会保障費などと照らしあわせ
入院保険などは半分程度に減額し
三大疾病に重きをおいたバランスシートに組み替えた



久々に大手町の高層ビルから見る街並み

ガラス張りの壁から見下ろせば
股間の息子も引っ込んで
スーッと力が抜けてゆくような感覚は
子供の時から同じ

街を歩く人たちに目線を揃えて
あれこれと思うのとは違い
こんな高いところに身を置き世間を見下ろせば
人間も米粒くらい

空を見ろ

そしてもっと大局に物事を捉えて
考えろと言われてるようだ

雑談の中で驚いた
現代の男と女の平均寿命

それぞれ82歳と88歳

健康寿命となると個体差はあれど
それよりも数年差し引いいておかなくては
なんて考えると
思考も高層ビルの最上階から
途端に地上の現実に引き戻される

どれだけ保険をかけても
人生を健康に過ごせることには及ばない

今後は酒も控え ジャンクフードとはおさらば
中性脂肪や尿酸値を下げ
粗食に慣れてゆかなくては

と、地上と天空の狭間では
妙に健康オタクに成り下がる

癌を経験した友人や弟も
その原因を開口一番
ストレスだと言う

何かに悩んだり苦しい時には
高いところに登って深呼吸してみるか

米粒みたいな人間に腹も立たなくなる

その日はそんな景色に気も大らかに
打ち合わせを終えたあと
遅めの昼食は大手町の鰻屋で
一杯やっちまった

あ〜あ やっぱ人間 
地上に降りると目先の欲に
いとも簡単に振り回される


P.S
その日の朝 松本零士さんの訃報を知った

以前に作詞家の冬杜花代子さんのお別れ会で
松本零士さんんがスピーチされた中の言葉を思い出す

「冬杜さん、いつか時空が重なる時
きっとどこかでまたあなたと出会えると思う」

僕自身も そんな魂の輪廻を信じながら
生きている人間のひとりである

2003年に逝かれた冬杜さんと 
20年ぶりにまた
宇宙のどこかで会われていることでしょうね

心よりご冥福をお祈りいたします


2023 「初」

2023-01-08 | Life


毎度のことながら
年が明けたら あっと言う間

正月はもう元旦だけで充分と
年始早々 せっかち虫が騒ぎ始める
本当に落ち着きがない

2日にはもう近所のゴルフ練習場が開いたので
クラブ二、三本持って筆おろし

友人に すでに練習始めとりますと写真を送ったら
正月三が日くらい大人しくしとくもんだと返された


2023.1.6

ゴルフ初ラウンドは沼津まで 
そして初映画には「Dr.コトー診療所」
初打ち合わせの会食は銀座で

さて

今年は積極的に歩く

初めてのことを沢山する

3キロ痩せる

仕事以外のことにも「全力」を尽くす

ブログの更新をまめに行う

そして精力的に仕事をする

と、まあ去年までと何が違うんだと言うくらい
新年に立てる目標としては一見在り来りだが

年齢も一つずつ増えてゆく折
同じ目標でもちがった取り組み方が必要になる

今年はとにかく 初めて 始める を躊躇せず
心がけようと思う

初めての人に出会い
何か新しいことも
始めてみたい

皆さま 本年もよろしくお願いします


今年初めていただいた 虎屋の『ゴルフ最中





パスワード

2022-12-06 | Life
年に一度の人間ドッグも無事終了

前日が友人たちとの忘年会だったので
早めに切り上げたものの 血液検査の数値は
相変わらず心配だが

今年は初頭からコロナ陽性で咳が止まらず
案の定 肺のレントゲンでは右の肺に
白い影が写っていたが
今回はそれもちゃんと消えており
エコーなども含め血液検査を除いては
概ね良好という結果であった



長く生きれば多かれ少なかれ
身体のどこかにひとつやふたつの不具合や疾患を抱えながら
人はみんな何食わぬ顔で生きてるものだ

ひとつやふたつの不具合なら
もしろ抱えてる方が用心するからいい

自分の強さ弱さを知らないでは
長い道のり戦えない

そう言えば今年は特に電化製品も
まるで順番を待つかのように
各々が寿命を迎えた

仕事場の機材にはじまって自宅の洗濯機
テレビ 暖房器具 などことごとく壊れる

テレビは突然映らなくなり
洗濯機は直そうにも5年過ぎていて
部品がないらしい

挙句の果てには
インターネットWi-Fiまでもが突然不通になった

復活のための一通りのルーティーンを試せど改善しないので
NTTに問い合わせたりルーターを新しいものに取り替えたりで
古いパスワードをやっとのことで引っ張り出し
どうやらこの数日でもとの生活に戻れた

結構な時間と心の体力を費やした作業だったので
正直疲れた

ネット社会のもと仕事上でも
いろんなところにログインして
関わりを持ちながら生活しているが
便利と厄介は紙一重だなと思う

こればっかりはひとつの不具合でも
その先には進めない

今のうちから必要なものは後々でもわかるように
そうでないものは後々手間がかからないように
ちゃんと整理ないし処分しておかなくては
大変なことになりそうだ

その点 人間は ひとつやふたつ
誤魔化しながらだってちゃんと動いて前に進める

厄介だけど便利な生き物だ

その時のどんな想いも
すべてが自分へのパスワード(合言葉)になるのだから




そんなこんなで 今をしっかり生きてるぜ

2022-10-31 | Life
最近の若い人は 特に女性は
写真一枚を撮るにも
いろんなアプリを使うんだな

なるほど 肌はツルツルで実際より白く
ピカピカキラキラに映ってる

で、この60過ぎのおっさんがどう映るかと言えば
年齢に似合わず肌のシワもシミも程よく消えて
そして髪の毛は白髪成分が増して
なんとも生き返った貧弱なゾンビのようで

シワやシミ 白髪 弛み それは生きた証

アンチエイジングではなく
むしろ老いを受け入れた
今の輝きというのを手に入れたいねえ

若く見られることに悪い気がしないが
あくまでも自然体で
年相応の素敵なオヤジ臭をまとった
そんな男性でありたいよ

どっかのパーツだけ入れ替えても
やはりバランスは崩れるんだよな

そんなことをふと思ったこの頃だよ



内臓も毎日フル稼働だから そりゃガタが来る

この前 人生で初めて胃カメラ飲んだ

飲む前からお得意のゲーゲーが始まって 
気がついたらいつの間にか終わってた

主治医の先生に感謝だよ

こんなに楽なら もっと早くやればよかったと思ったが
まあそんな事もタイミング

人生全てがタイミングだよな

で、心配だった食道には何もなく
心配してなかった胃が思ったより荒れまくっていて

こりゃピロリ菌の可能性大いにあるから
早めに除去しないと癌へのリスクも増し増しになるというわけで
検査したら案の定 居やがった

それからは投薬と呼気検査を重ね
先日の検査でようやく除去できたところ

若い頃は結構身体を痛めつけてきた方だから
当然そのツケは他のパーツにも当然くるよね

まあ そんなこんなで日々
年齢と戦いながら 
プラスマイナス全てを受け入れながらね 

一生懸命 今を生きてるわけさ


おひとりさま

2022-10-05 | Life
たとえばYahooに おひとりさま と入力すると

おひとりさま 旅行
おひとりさま 老後
おひとりさま 終活

などと色々出てくる

他にも ゴルフや温泉 食事はもちろん
さまざまなジャンルに おひとりさまが居る

というよりも おひとりさまで居やすくなった
もっと言えば むしろ おひとりさまが快適

と言えるほど おひとりさまに対する生活インフラが
細部にわたって整ってきている現代

特にこのコロナ禍で
個人で完結できる場所や仕組みが急激に整った

美容室なども個室空間で
マンツーマンでやってくれるところは
売り上げが伸びていたりする

先日 友人と話していて そのおひとりさまが話題になった



昔なら食事はできるだけ家族で一緒にという考えだったものの
子供も成長し自分の世界を持ち始めれば
決まった時間に集まることも物理的に難しくなってきたなか

誰かと時間を合わせる作業や 
たとえばその日食べたいものの違いなど
すんなりいかない煩わしさを抱えるなら
ひとりでぶらっと入れる店で 
たまには旨い料理をおひとりさまでなんて
実に充実した時間になりそうだと言う

言われてみれば僕自身も
おひとりさま思考が強かったように思う

選んだ仕事だって基本的には籠に篭っておひとりさまだ
誰かを束ねて先導する作業には向いていない

趣味のゴルフや釣りだって 人と集えど
やってることは おひとりさま

人と足並みを揃え行動できないわけではないが
どちらかと言えば苦手かも知れない

おひとりさまの方が気楽で
それが苦にならない体質なのだろう

だからと言って
孤独をこよなく愛するというわけでもなく
そうやって一人の時間を自由に楽しめる贅沢が
いわば おひとりさまなの極意なのかも知れないな



考えてみれば

人間 みな おひとりさま なんだもんな


10年前からやってきた使者

2022-09-28 | Life

なんだか毎日のようにスマホへの依存度が高くなってきている

メールからLINEから音楽から映像から
写真から計算からアラームから
スケジュールから 新幹線や飛行機のチケットレス化から
Amazonからヤフオクから
あ〜 何から何まで 考えると恐ろしい

何かを調べるためにすぐにスマホで検索する人間と
とにかくまずは思い出そうとする人間と
どちらがボケやすいかという その答えは
もちろんスマホ人間らしい

おまけに仕事ではコンピューター

さすがに少し危機感を持って
スマホに向かう時間の一部を読書に変えてみることにした



「株式会社タイムカプセル社」という本を読んだ

10年前に書かれた手紙を預かって
それを10年後にその本人の手元に届ける会社の物語

10年と言う月日は長く
住所も変わっていれば 家族関係 それから仕事など
自分を取り巻く環境が変わるには充分な時間だ

10年前に描いた夢や想いとのギャップ
願っていても そうはいかない現実を生きながら
いつしか日々を生きることだけに追われている
そんな主人公たちの前に
突然 使者が現れ 10年前に自分に宛てた手紙が
手渡しされる

思い通りにいかないのが人生で
もがき苦しむから人間なんだな

とてもハートフルで一気に読み終えた

僕なら10年後の74歳の自分にどんなことを書くだろう

これからを新たな10年として 
家族や両親に思いを馳せながら
どう生きていきたいか そして
自分の生きたいように生きて来れたか 
そして最後に
お前もよく頑張ってきたなあ と
手紙の最後に書き残してやろうか

もう僕の年齢的にはもしかしたら
この先10年は
手紙を受け取れない可能性だって
無きにしも非ずの時間の長さかも知れない

面白かった

喜多川 泰さんの作品
もう一冊読んでみよう

豆腐一丁の賄い

2022-09-12 | Life

冷奴は好物である

ちりめんじゃこや みょうがや 大葉や 
多めの薬味もいいが
シンプルに葱と生姜と鰹節をのせて醤油がいい

美味い豆腐は豆の味がよくわかる

上京へのきっかけを模索しながら
広島時代 ピアノの置いてある洋食レストランで
弾き語りのバイトをしていた頃

ジャケットを着てピアノを弾く者
長靴履いた厨房の見習い達
そしてシェフや支配人も
そこで働く誰もが まかないとして
同じ釜の飯をいただく 

一枚の大きめの洋皿に
各自が米は好きなだけよそい
その横に豆腐一丁とめざし一本をのせたもの

今で言うワンプレート飯だ

それに醤油をかけたものが 毎回のまかない飯だった



最初は鬼のように寡黙で怖かったシェフとも
まかないの時間に少しずつ打ち解けて話をするようになり
やがて「音楽」というキーワードで
別人のように気さくなおっちゃんに様変わった

今は料理の仕事をやっているが
自分も音楽好きで楽器を弾くのが好きでと
とりとめのない話に花が咲いた

当時は独り住まいで電話もなく
そのレストランを自分の連絡先にさせてもらいながら
東京の事務所やレコード会社にせっせと
デモテープを送る日々 

弾き語りをしながら
今日か明日かと
来るかどうかもわからない東京からの返事を待っていた

運良く上京が決まり 最後のバイトの日 

「応援してるぞ 東京行ってもがんばれよ!」
と 鬼だったシェフが終いには
似合わない涙目で一番喜んでくれた

冷奴といったら真っ先にその 
まかない飯とシェフが浮かぶ

さて 

今夜も好物の冷奴をいただくわけだが
もうその話何回聞いたかわからないと
言われないよう

今夜は黙って静かに食おう


レストラン TSU.SHI.MI

2022-07-15 | Life
兄貴 話があるのだけど と
ある日弟が東京にやってきた

俺 料理人として頑張ってみたいので
広島を出たい

上京後はフランス料理店で修行をしながら
NHKのフランス語講座のテキストを貪るように読み
独学でフランスへ渡った

パリ滞在中の5年の間に
僕ら夫婦で2度ほど会いに行った


パリ修行中の仲間と都志見セイジ(右から二番目) 1989

3畳くらいの屋根裏部屋にはベッドと小さな流し場だけ
風呂はリオン駅の公衆シャワーを利用していた

修行の身に給料など出ない

フランス語とその意味がびっしりと書かれたレポート用紙が
狭い部屋の壁に何枚も貼られていた

涙が出た

よくやってのけたと思う

帰国後 数件のレストランでシェフをやりながら
今から20年前に 松見坂にて
晴れてオーナーシェフとなる

そこでミシュランの一つ星を取ったが
あえて返上し
10年前にリニューアルした店も
昨年で終えた

そして今年 20年過ごした東京の松見坂を離れ
山梨県の韮崎に 最後の住処として
レストラン TSU.SHI.MI が誕生した


TSU.SHI.MI Nirasaki

2019年には大腸癌が見つかり大手術をした
そんな状況にも関わらず
その後 幾度となく山梨に出向き 
2年をかけて1000坪の土地に自分の城を築き上げた

病気を境に 両親も驚くほどの優しい顔になった

最近では たまに東京に来ると 
街の音がうるさいなどと言うようになった

1日ひと組だけのレストラン

出来立てホヤホヤのレストランも 
人の形(なり)と同じように
やがて年季を重ね お客様に育てられ
いい顔の店になってゆくんだろうな

あの20代のパリの武者修行から
走り続けて 今年で還暦

本当にいい顔になった

凄いね 60歳 そして
新たなスタートに 心よりおめでとう 


弟夫妻

お二人 何より元気に そして
末長く健康でいていただきたい


感謝

2022-06-06 | Life

作曲家としては駆け出しで
ヒット曲なんぞまだまだ無いに等しい時代に結婚した

落ち着いた色のスーツなど持ってなくて
派手目のネクタイとジャケットに長めの髪

どう見ても初めてのご挨拶には相応しからぬ風体で
女房の両親に会った

一体どんな野郎が現れるんだろうと
内心ヤキモキされていたに違いない

居間に通され座布団を出されてからの数分間は
何を喋ったのかよく覚えていない

それからは ビールに寿司やら なんやらかんやら
飲みなさい 食べなさいで
時間はあっという間に過ぎていった

2000年に義父(ちち)は他界し

数日前 義母(はは)も 天に召された



93歳 老衰だった

割と肉付きのいいふくよかな人だったが
死んでいく時は骨と皮
実にちいさくなるもんだな

生きてるうちはなんだかんだと色々あるが
お前この先 30年 それでも頑張って
元気に生きていけるかと問われたら
今の自分にそんな自信なんかありゃしない

願わくば 元気でコトンと逝きたいが

老いてもまだまだ修行が足りんと
これから先に課せられるかもしれない
病や試練に慄く

天寿を全うされたことは
それこそが偉業にほかならない

いつ会っても 
あの初めて招いていただいた時と変わらぬ笑顔で
ずっと家族の支えになってくれていた

そんな義母に心から感謝している

長い間 本当にありがとう


LANVAN

2022-03-23 | Life
おにいちゃん、おにいちゃん

ちょっと話があるんだけど と言って

赤坂を歩いていた時に
おじさん二人組に呼び止められたことがある

ちょっとだけ時間ある?と車の中に誘われて
そこで話を聞いた

実は今日中にどうしても売らなきゃいけない商品があってと
ライターとカフスのセットを見せられた

これ実は1セット3万するんだけど 
3セットで3万円でいいから買ってくれない?

これ、あとから売れば1セット2万くらいにはなるからと
半ば強引にやり込められて結局3セット買った

買ったあと すぐさま
ブランド品に詳しい事務所のスタッフの方に
「これ、本物ですか?」と恐る恐る聞いてみた

「笑! お前なあ よく見てみろよ。 
 箱にLANVANって書いてある 笑!」

「え!? あのランバンでしょ?」

「あのな〜 ランバンはLANVINって書くんだよ! 
 東京は恐いところだから気をつけなさい! 笑」

自分にとっては命の大枚をはたいて買ったものが偽物で
食欲も失せるほどのショックだったが
周りのスタッフの方々には妙にウケていた

広島から上京したばかりの18歳の夏の出来事


あれ以来 45年 いろんな人にお世話になりながら
この世界で仕事をさせていただいている


富士霊園のあげかまうどん 2022.3.21

先の春分の日 ドライブがてら御殿場にある富士霊園まで

生前 大変にお世話になった方の墓前へ
今年やっと出向くことができた

他ならぬ人とのご縁に支えられて
長い間 音楽の世界で色々とお引き立ていただいた

線香を供え 改めて感謝の意を言葉にした

このコロナ禍で ひっそりと逝かれた方も多い

そんな方々の墓前に機会を見つけては出向きたいと思っている


あいにくの曇り空 富士の御山は拝めずとも
富士の形の揚げ蒲鉾が 冷えた身体を満たしてくれました


哀しみの終わりに 2022.3.11

2022-03-11 | Life

クリントイーストウッド監督の「ヒアアフター」という映画を観に
横浜のららぽーとまで行った

すこし早めに着いて近くのレストランで食事をし
そろそろ映画館に向かおうとしてたその時

地面が揺れた

自律神経のバランスが悪かった時期でもあり
一瞬 自分の身体が自らふらついたのかと思った

ショーウィンドウに陳列してあったバッグや靴が
バラバラと落ち始めた

地震だ!と叫んで 女房の手を取り
ショッピングモールの外の駐車場へ一目散に走った

自分の足元のアスファルトが波打つ光景に
恐ろしさで足がすくんで動けない

館内から溢れ出た大勢の人たちに埋もれて
誰かが携帯で話している声が聞こえた

宮城!? えっ? 大地震?

2011.3.11の出来事だった



観る予定だったヒアアフターという映画のオープニングは
皮肉にも大津波のシーンから始まる

それゆえに震災以降
その映画はすぐに打ち切りとなった

あれからもう11年 まだ11年

人それぞれ 時間の長さも
過ぎてゆく速さも違うだろう

何を思い出しても 
そのひとつひとつが語り尽くせない

震災から一年後に訪れた石巻 女川の風景は
忘れることのない記憶

瓦礫の山とモノクロの風景

未だにどんな言葉を使っても
表現できる術がない

あの時を境に
自分の仕事に価値を見出せない日が続いた

こんな状況で何ができる どんな歌も響かない

そしていつからかまた
仕事場で作業しはじめた

もしまだ役目があるのなら
人の心に寄り添える歌を作りたい そう思った

その年の暮れ 
作家の伊集院静氏との新たなご縁をいただき
作品が完成した

もしあの地震がなければ 
おそらく出会うことのなかったご縁かもしれない

本当ですか 哀しみにもやがて終わりが来るって
本当ですね 哀しみが終わっていつか笑える日が来る

この歌を聴くと
いつもあの日のことが浮かびます

心より哀悼の意を込めて