辞書引く日々

辞書が好きなのだ。辞書を引くのだ。

『地図を探偵する』(今尾恵介、新潮文庫、2004年)

2005年08月30日 | 
『地図を探偵する』(今尾恵介、新潮文庫、2004年)は、1995年『地図ざんまい・しますか』(けやき出版)の改題なり。

「ふだん宗教に興味の片鱗も持ち合わせていない人たちが外国では熱心に聖堂めぐりをするのは、特筆すべき奇観」と断ずる著者が「興味の赴くままに地図をご覧になったらいかがでしょうか」とすすめたる本にて、(1) とりとめもなく歩いた記録 (2) 地図そのものの話題 (3) 気になる場所を地図で確認した結果、などを記したるものなり 。


  1. 取手、藤代間に直流、交流かわるは、筑波山東麓にある地磁気観測所地図)に影響を及ぼさぬために、これを交流にしたるものなり(p.21)
  2. 水準点は旧国道に多し。(p.57)
  3. 二万五千分の一の地形図には鉄道の軌道幅(軌間といふなり)通常の1067ミリに外れるものは特に記してあるなり。(p.88)
  4. 地形図に道路を表現するとき、実際の縮尺通りだとほとんどの道が細すぎて見にくいので、実際には縮尺通りより広く」し、「これを地図業界用語では『記号道路』という」。それに対して縮尺通りに描かれているものを「真幅道路」という。(p.113)
  5. 道路と鉄道の並走せる箇所は重なりを排して表示することありてこれを「転移」といふ。道路に面した建物もまたこれにともない地図上を移動させられるなり。(p.121)


など私の興味あるところなり。

地図を探偵する

新潮社





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