「ひしお」というものがある。
調理用の味噌ではなくて、これで飯を食うというような味噌である。大辞林第二版(オンライン版)によると、「(1)なめ味噌の一。大豆と小麦で作った麹(こうじ)に食塩水・醤油を加え、塩漬けの瓜・なすなどをまぜ込んだもの」だそうで、「醤」と表記するとある。(「なめ味噌」という言葉があるのを初めて知った。ナメネコみたいでなんだかかわいい)
一方、孔子の弟子子路は権力闘争に巻き込まれて殺され「ししびしお」になったという。この「ししびしお」の「ひしお」は、同辞典によれば、「(2)塩漬けの肉や塩辛。肉びしお。」で、「醢」と表記するとあるのがこれだ。
どうも同じ「ひしお」でもだいぶ趣が違う。
「言海」で、この手の言葉を引くと、妙にくわしく載っていて可笑(おか)しい。いわく「食物。精(しら)ゲタル(=精白したるの意なり)小麥ノ飯ニ大豆、糯米(もちごめ)ヲ炒リテ粉トセルヲ雑ヘテ麹トシ、鹽水(しおみず)ヲ煮テ加ヘ、掻キマセテ貯フルコト数十日ニシテ成ル。多ク瓜菰(うり、こも)ナドヲ漬ク。ナメモノ●醤(●部分判読できず)。肉ナルヲ肉―、又しほからトイフ。醢。」(括弧内引用者による)。
「肉なるを肉ひしほ」というというところが大事で、ようするに麦をなんとかしたものがひしお味噌で、肉をなんとかしたものが肉ひしお、というわけだから、明快な構造である。「ししびしお」というのが肉ひしおのことであるということも、よくわかる
下の写真は、たまたま我が家にあった、ひしお味噌の入れ物の一部。旧カナで書くなら、「ひしを」でなくて「ひしほ」であろう。もっとも、一般名詞は商標登録ができないので、商品名として商標登録できるようにわざと「ひしを」にしたのかもしれない。
調理用の味噌ではなくて、これで飯を食うというような味噌である。大辞林第二版(オンライン版)によると、「(1)なめ味噌の一。大豆と小麦で作った麹(こうじ)に食塩水・醤油を加え、塩漬けの瓜・なすなどをまぜ込んだもの」だそうで、「醤」と表記するとある。(「なめ味噌」という言葉があるのを初めて知った。ナメネコみたいでなんだかかわいい)
一方、孔子の弟子子路は権力闘争に巻き込まれて殺され「ししびしお」になったという。この「ししびしお」の「ひしお」は、同辞典によれば、「(2)塩漬けの肉や塩辛。肉びしお。」で、「醢」と表記するとあるのがこれだ。
どうも同じ「ひしお」でもだいぶ趣が違う。
「言海」で、この手の言葉を引くと、妙にくわしく載っていて可笑(おか)しい。いわく「食物。精(しら)ゲタル(=精白したるの意なり)小麥ノ飯ニ大豆、糯米(もちごめ)ヲ炒リテ粉トセルヲ雑ヘテ麹トシ、鹽水(しおみず)ヲ煮テ加ヘ、掻キマセテ貯フルコト数十日ニシテ成ル。多ク瓜菰(うり、こも)ナドヲ漬ク。ナメモノ●醤(●部分判読できず)。肉ナルヲ肉―、又しほからトイフ。醢。」(括弧内引用者による)。
「肉なるを肉ひしほ」というというところが大事で、ようするに麦をなんとかしたものがひしお味噌で、肉をなんとかしたものが肉ひしお、というわけだから、明快な構造である。「ししびしお」というのが肉ひしおのことであるということも、よくわかる
下の写真は、たまたま我が家にあった、ひしお味噌の入れ物の一部。旧カナで書くなら、「ひしを」でなくて「ひしほ」であろう。もっとも、一般名詞は商標登録ができないので、商品名として商標登録できるようにわざと「ひしを」にしたのかもしれない。