たいせつな人

明日９月１８日はたいせつな人の命日だ
もう２７年も前になる
夫と結婚していきなり３人の男の子の母親になった私を支えてくれたのは義母だった
離婚して母親のいない小さな子供の面倒をその当時７０歳を超えた義母はみていたのだ
幸い３人の子供たちはすぐに私になついてくれ
仕事をしながら子育てや家事をうまく分担していた

そして私はもう一人男を子を産んだ
反対され結婚しているため出産だからといって実家に戻ることもできない
義母は娘のように接してくれた
４人の子育てをしながら仕事をしている私といっしょに協力し頑張ってくれた
当時、義母の年齢を考えるとさぞ体力的にきつかったのではないだろうか
食事中に居眠りをすることもあった
それでも愚痴一つこぼすことなく家族は何時も和やかだった

長男が中学生になったその年の春先から元気がなかった義母は黄疸が出て入院
それからの私は今まで家事を分担していた部分と義母の病院への往復と一気に忙しくなった
入院した義母はそれから人が変ったように私に甘えるようになった
忙しくて病院に顔を出せないと電話をしてきてあれこれ持ってきて欲しいと用事を言いつけ
子供に届けさせると不機嫌に「お母さんに持ってくるよう」に言つける
きっと心細いのだろうと出来るだけ顔だ出すようにした
今年のように暑くはなかったはずなのだが
その年の夏は私には人生最大の暑さに感じたし
何時も疲れていて眠りたいと思っていたことしか覚えていない
夜になると体が溶けてしまうような睡魔
今眠ったのにもう朝
こんな日がいつまで続くのだろうと思ったものだ
長い夏が過ぎ秋が近づくと義母は２度目の手術
以後意識が戻らないまま亡くなってしまった

ちょうど今日のように空が高く青く澄んでいて暑かったそんな日だった
悲しくてとても辛かったのだが
背中の荷物が少し軽くなったようなそんな気持ちを覚えている

その後はさらに子育、家事、仕事と息つく間もなく時は過ぎたのだが
義母と毎日おかずの話や仕事の話や昔の話など
些細な話しを積み重ねていた時間がとても、とても大切な時間だったと思う
少しは涼しくなった甲府へ来週お墓参りをするつもりだ