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三菱i(アイ) 早朝ワインディング・プチインプレ

2015-10-25 16:44:15 | 三菱 i(アイ) インプレ

 ということで、インプレというほど大げさなものではないですが、三菱i(アイ)を早朝のワインディングに連れ出してみました。


 この車が発売された2006年当時のカーサイトの記事をネットなどで見てみると、奇抜なデザインとともに自動車評論家の方たちには、走りが高く評価されていたということがわかります。結局、4ATのみでマニュアルミッションも用意されなかったし、メーカーとしてはスポーティな車としては売っていない。この車最大の特徴であるミドシップレイアウトも、ホイールベースを伸ばし室内空間を確保するため、デザインの自由度を高めるため、クラッシャブルゾーンなど安全性の確保が目的となって採用されている。


 車体の高さが、トールワゴンと同等の1600mmもあって、重量も2WDで900㎏もあるため、元よりサーキットを走ったりジムカーナなどに参加する車ではないですが、ミッドシップ、RR車の挙動が街乗りの法定速度内でも体感できるということから、評価が高かったみたい。今は、本格的なスポーツカーS660が発売されていますから、そちらで体感できますが、このi(アイ)現役当時はワゴン車全盛期で、そこからエコカーの時代になったため、スポーティな走りが期待できる車種も限られていた。


 ネット上でi(アイ)オーナーが書かれた感想を読んでみると、若いときには280馬力のスーパースポーツに乗っていたとか、経済的、家庭的な事情で軽に乗り換えたという方が結構多いよう。90年代~2000年代の初頭くらいまでは、ロードスターなどのオープンカー、RX-7などロータリーエンジン、MR2やMR-Sなどのミッドシップ、三菱もスバルもラリーに参戦しておりそれらのイメージをまとった4輪駆動車を販売していて、そのため安い中古車も選り取りでたくさんありました。そういうスポーツカーに乗っていた方の評価も意外に良かったりする。


 実は、街乗りでも普通の軽ワゴン車との違いは、はっきりと体感できる。加速やスピード感的には似たり寄ったりだと思いますが、ブレーキを踏んだときにフロントが沈まず、車全体がじんわりと沈んだり、ハンドルが軽く鼻先も軽かったり。車体の重量配分がフロント45、リア55くらいで、ブレーキを踏んだときにはそれが50:50になるよう作られているからだとか。それではカーブ主体のワインディングを走った時には、回頭性やハンドリングはどうなのか、軽快感はどうなのか。この車を買う前から、気になる点でした。


 ということで、ワインディングロードを走った感じの感想を書いてみたいと思います。


 4ATの軽ワゴン車なのに、なんだかスポーツカーちっくなポジションが取れるシートに収まります。もちろんバケットでもセミバケットでもない軽自動車の標準的なシートのため、あくまでも気分の問題。速度的には、40キロ+αくらいでワインディングを流して、軽快な走りができるかどうかを見ます。


 i(アイ)のタイヤは、フロント145/65R15、リア175/55R15という太さの異なるものを履いている。リアには、普通車並みの大きなタイヤが付いているし、対してフロントはスペアタイヤかと思うような細さのものが付いている。これは、どんな人が乗り、どんな使われ方をするかわからない軽自動車で、リアを流さないため。ミドシップ車やRR車の挙動のネガを出さないためにこうなっているそうです。同じくミドシップ軽自動車のホンダビートでは、フロント155/65R13、リア165/60R14と、タイヤのリム径(インチ数)まで異なっていた。 S660だと、フロント165/55R15、リヤ195/45R16と、やはり前後でインチ数が異なっている。市販のミドシップやRRを出す際の、ある意味お約束みたいなもの。このため前後のローテーションができないことと、タイヤサイズが特殊なことから維持費が高く付く。


 ということで、徹底した安定志向に振られていますので、法定速度内で通常の走りをする分には、オンザレール感覚でハンドルを切った角度そのままにツーっと曲がっていく。この時、リアにエンジンがある後輪駆動のため、後ろから押される感覚でカーブを曲がっていくことが気持ちが良い。


 同じ軽ミドシップであるビートにも似ているというインプレも見つけたのですが、ビートの場合だと車体の地上高が低い2座のツーシーターであり、トルクの小さなNAエンジンを高回転まで回して走る車なので、よりスポーツカーに近いと思います。アクセルのレスポンスもダイレクトで、ターボとはいえ車高も重量もあるi(アイ)では、あのようなダイレクトなレスポンスは望めない。4ATらしくもっさりと加速します。でも後ろから押されるようにカーブを曲がっていく感覚や、後方から聞こえてくる3気筒エンジンの音は、どこかしら似ているように感じます。加速的には、ターボエンジンのi(アイ)の方が良いと思いますので、ビートのような走りをi(アイ)ですると横転しそうで怖いかも。


 またi(アイ)のターボは今どきのターボなため、どっかんターボどころかどこからターボが効いているのかさえわからない。軽スポーツのカプチーノでは、ターボが効き始めるとターボマークが点灯し、軽自動車としては怖いぐらいの加速を始めた。ビートやカプチーノのようにレッドゾーン直前で最大トルクや最高出力を出すのではなく、今時の車らしく3000回転で最大トルクを発生するようになっている。昔だと馬力やトルク、加速感で高性能かどうかを図っていたし、高回転まで回るエンジンが高性能だという風潮もあった。今では、街乗りで使いやすい回転域で最大トルクを発生するようになっているんですね。


 i(アイ)は、燃費が悪いとか言われていますが、おそらく車重も似通っているスーパーチャージャー仕様のプレオRSと同等程度。CVTでない分、i(アイ)の方が悪いくらいかも。ターボだと低速トルクがあるため、3000回転以下に抑えて走れば燃費は稼げる。タイヤがローテーションできないため維持費が高く付く、燃費が悪い、リアにエンジンがあるため整備性が悪い、工賃が高くつくなど、このようなことを気にしないマニア向けで、実はあんまり女性向けの車ではないような気もします。


 ワインデイングで攻める走りをする目的には向いた車ではないため、飛ばしてもあんまり意味はない気はする。ただ、単なる移動のための時間であったものが、軽快な走りを楽しむ時間へと変わるという意味はある。とばさなくても、ドリフトできなくても、自分を中心に車が回頭し、リアから押し出されるような、ミドシップの独特の運転感覚は味わえる。重量が900㎏もある軽ワゴン車とは思えないほど、ハンドリングの軽快感がある。これでマニュアルがあれば、とも思いますが、どちらにしても中古の軽自動車でマニュアル車を探すのは至難の業なのでそこは仕方がない。4ATは、D、3、2HOLDという構成になっており、2HOLDを主体に使えばそれなりに自分でコントロールできる部分はある。


 こういった点が自動車評論家に受けが良かったり、昔ハイパワーのスポーツカーに乗っていた人にも好評価されている点なのでしょう。ちなみに、かの徳大寺有恒氏が軽自動車で唯一所有した車だったり、エランやシトロエン、アルファなどを乗り継ぎ、マニアックさを売りにしていた某自動車漫画家の方もi(アイ)に乗っていたという話がある。


 軽のポルシェという評価もあったが、ポルシェは乗ったことないので、そこはどうかわかりません。ちなみに乗り味が軽トラに似ているという評価もあった。ホンダのアクティ/バモスはミドシップだし、スバル製の旧サンバーはRRだった。このあたりも乗ったことないので、比較は出来ない。ただ、運転席の後ろやトランク部分にエンジンを収納するのではなく、床下に搭載するという手法は、これらのワンボックスやキャブオーバーの軽トラック、バンの搭載方法を連想させる部分ではあります。


 ということで、ちょっと広くなったところで折り返し。走って楽しいかどうかは置いておいて、この車はあんまりワインディングには似合わない。未来形スモールというキャッチフレーズで登場し、今では電気自動車になっているし、バック・ツゥ・ザ・フューチャーに出てきそうな車というか、どこか玩具的で浮世離れしたデザインなので。ちなみにこの日は日曜だったこともあり、バイクが数台、RX-7が一台走っていた。途中のコンビニの駐車場では、ケータハムスーパーセブンの集団も。皆さん、飛ばさずに流して走っているようでした。


 この車、ガラスの面積が広く、ドアの開口部も広いため、視覚からの情報として乗っていてあまり剛性が高そうには思えない。内装のプラスチックがペラペラな質感なのがそれに拍車を掛けている。調べてみると、リアミッドシップを実現するため新規に開発されたシャーシーは、ストレートのフレームの上にシートが載っているという構造になっており、剛性的にもかなり高いそう。ゆくゆくはモーターを載せて電気自動車を開発することを視野に入れて作られているため、見えないところに金が掛けられている。車体の下は、プラスチック製のフルフロアアンダーカバーで覆われており、これはリアにエンジンがあるため、フロア下を流れる空気を効率的にエンジンまで送り冷却するためなのだとか。フェラーリかポルシェのような高級車かよ、突っ込みたくなります。


 この車が出た頃は、リコール問題とそれによるダイムラー・クライスラーからの資本提携打ち切りで三菱自動車が大変なときでしたから、下手なものは出せないと気合が入っていたのでしょう。ちなみにi(アイ)は、現時点で4件のリコールが出されています。AT関係が2点、冷却系が1点、助手席側のエアバックが1点です。購入時に中古車屋に頼んで、リコールに該当しているかどうか、リコール修理されているかどうかを調べてもらい、販売前に対応してもらいました。中古で買われる方は、この確認をやっておいた方がよいと思います。今は、日産と提携して売れ線のワゴン車を出すようになりましたから、どちらにしてもこのような見えないところにコストの掛けられた車はもう二度と作られないと思います。


 一世を風靡したランエボも終わっちゃいましたし、90年代にはGTOとかFTO、ミラージュのようなヒット車もあったがなくなった。北米からの乗用車撤退というニュースもあります。いすゞも昔は乗用車を作っていたり、マツダも以前は自社製で軽自動車を作っていたりしましたが、だんだん車業界も縮小していっているようにも感じます。スバルも軽自動車の製造を止めてしまいましたし、三菱がまだ軽作りを続けているのも貴重なことなのかも。


 個人的には、三菱の車を見ると、ジャッキーチェンを連想する。映画キャノンボール2では、ジャッキーの運転(日本人という設定)で三菱スタリオンが登場。コンピュータ制御で水中も走れたり、車内でパックマンも遊べるハイテク車として登場した。この頃は北米でも三菱車は人気があったし、90年代からはパジェロやラリーでの活躍で欧州でも人気があった。映画TAXY2では、忍者の乗ったブラックのランエボが登場。その高性能さを十分に披露していた。三菱車は、今はアジア市場では好調なようですが。


 ということで、今来た道を引き返して戻ります。


 途中眠くてしかたなくなり、やっとのことで自宅に戻ってきました。この車、街中を流して走ったり、四つ角を曲がるだけでも、十分に運転することが楽しい。そもそも対応するパーツ自体が少ないため、金を掛けて弄る気はないけれど、アルミとタワーバーくらいは入れたいかな。


 G、T、LX(NAの高グレード)では、アルミホイルが標準装備されているので、できればそちらを買っておくほうが良い。ヘッドライトもディスチャージライトが付く。この車を買うときには、同価格でこのMグレードとイエローのLXの2台があった。ターボ付きが欲しかったことと、LXの方が売れてしまったということで、結局このMグレードにした。このテッチンホイルについているホイルカバーは、穴の形がi(アイ)を横から見た意匠になっている。ダッシュボードも上から見ると、このうさぎやそら豆のようなi(アイ)の意匠が隠されている。i(アイ)専用のリアのエンブレムもそう。デザイン性の強い車なので、そのようなデザイナーの遊びが入れられているんですね。


 陽光がオレンジがかっていますが、この時点でもまだ9時過ぎ。7時半頃に現場に到着し、1時間ほど流してみた程度なのです。


 金のかかるような弄り方はしないけれど、ぼちぼち内装やアクセサリー類などを買って、少しずつ手を入れていきます。とりあえず考えているのが、シフトノブを皮製のものに交換、ハンドルカバー、シート用の座布団など。後は、ステッカー類やエンブレム、トミカのミニカーなど。


 ということで、三菱i(アイ)のワインディング・プチインプレッションでした。


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