olatissimo

この島で生まれた息子はなんと中学生。ほぼ育児日記です。

小学校の人物画の書き方を脱する

2017-08-24 | 5年生
夏休みの宿題の絵についての話です。

お題は自由。
高校野球で盛り上がっている息子は
高校野球雑誌の写真をもとに描くと決めました。

で、まずは自分一人で張り切ってやり始めました。

そして、ほどなく泣きついてきました(笑)

「どう頑張っても全然かっこよく描けないーー!」


下書きを見ると…
まあね、このやり方じゃ
カッコよく描くことはできないでしょうね、
という描き方。
「小学校で教わる正しい人物画の書き方」を
きちんと守っているからです。

仕方ない。

「小学校で教わる正しい人物画の書き方」とは、

「目は楕円形に枠を描いてから
目玉を丸く描いて~。
鼻はこんな形で、
鼻の穴を丸く描いて~。
上唇も下唇も形を線で描いて~。
みんな上と下に歯があるでしょ?
ちゃんと描いてね~」

といった風な指導。
これではどんな美人も不細工になる(笑)

息子の描いた下絵の写真は撮ってないので
私が例を描いてみると

だいたいこんな感じ。
これが「沖縄の小学校が考える小学生らしい絵」
なんだろうと私は理解しています。

教室の壁面に飾ってある子供の絵を見ると
全ての人物画がこの手の顔。

ついでにはっきりとした色使いで
濃くべったり塗るよう
指導されているらしい。

私はこの「小学校の絵」が嫌いで。
はっきり言って、なんとも汚らしい。

自分が子どもの頃も、
大学で美術教育を学んだ時も
こんな指導は無かったけど…
沖縄独特なのか???(不明)


絵の上手な子は
「学校では汚く描いたら褒められるんだよ」
と言って、
「本当の自分の絵」と「学校用の絵」を
使い分けていたりするらしい。
うまく世渡りしてるのね。

でも、息子は「自分の人物画の描き方」を持っていない。
自分の動物の描き方は持っているけど、
人物画はあまり描かなかったから、
学校で教わるものが全て。


しかし、今、彼は
写真のようにカッコよく描きたい
と思っている。
でも、学校のやり方では描けない。
(そらな)


よし。

今年の夏の絵画の目標は
「小学校の人物画の書き方を脱する」だ!

とりあえず、彼の望む
「写真みたいにカッコよく」
に近づけるよう努力してみよう。


ということで、
彼が今までやったことのないやり方で
描いてみることにした。


まず、体のバランスをチェックしながら
〇や□でラフに輪郭を描いてみよう。

写真をよく見てーー。

頭の大きさと形はどんな?
身体の大きさと形は?
手はどこから出てる?長さは?
足の太さは?
関節はどこだと思う?
服の中の関節を想像してみて。
関節以外のところは曲がらないよ。

ということを、画面の分割線を引いて
場所をチェックしながら
一つ一つ描いていった。


とにかく写真をよーーく見て!


これだけでも大変。
すぐにいつもの癖で
パーツから書き込みたがるから。

違う、違う、まず大雑把な輪郭だけ!

バランスが命だよ。
字も、絵も、みんなそう。
それができたら大きく変になることはない。


次、顔。
目の形、鼻の形、唇の形、描かない!

写真をよーーく見て!

学校で描いてるような目鼻の形、
写真で見える?
見えないよね。
マンガみたいには描きません!
とりあえず顔のパーツの位置を
鉛筆で薄〜く印をつけるだけにしといて。

この「薄〜く」というのが難しいらしく
どうしても跡が残るくらいカリカリ書いてしまう。
(これにだいぶ時間を取る…)

そしてやっとこさ色塗り。

輪郭の線を絵の具で描かない!

そういう描き方もあるけどさ、
今は写真の通りに描く練習だからね。

よーーく見て。

ホントにそんな色?
よーーく見て。

顔は肌、服は灰色、帽子は紺色って決めつけないで。

服も帽子も顔も一色じゃないよ。
光が当たってるところと影になってるところ、
色が違うよね?
全然違う色だよ。

思い切って写真の色を作ってごらん。

で、大丈夫だから塗ってごらん。
顔半分違う色でも大丈夫!
近くで見たら変でも、
遠くから見たらそれっぽく見えるんだよ。

ちょっと待って!
その赤、どこに使うの?
唇?
写真をよーーく見て!
この人、唇、赤い?
違うよね。影で形が分かるだけ。


ということを延々と繰り返し、
やっとなんとか出来た。

「よーーく見る」って、実は難しい。

慣れてないと、どこをどんな風に見たらいいのか、
見方がわからない。
見ているつもりで、見ることができていない。

今回の絵を描くことで、
こんなやり方もあるのかー
ってことが分かったかな?

とりあえず、本人は
こんな風に描けたことに
満足していました。
僕にも出来るんだね!
絵を描くのが好きになりそう、と。

良かった。

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