olatissimo

この島で生まれた息子はなんと中学生。ほぼ育児日記です。

クラス対抗リレーに燃える男子達

2018-10-30 | 6年生
先日、小学校の運動会がありました。



運動会の目玉は、何と言っても
高学年のエイサーとクラス対抗リレー。

低学年はもちろん可愛くて、
もう何をしてもしなくてもキュンキュンするのだけれど、
高学年のそれは全然違う魅力が。
自分の子が低学年で、高学年の知り合いががいない時から
子ども達の迫力ある走り、本気度に圧倒され、
毎年、感動していました。

それが自分の子の学年で、
ほとんどの子の名前や人となりが分かるとなると、
そりゃー親も盛り上がります。


もちろん、子ども達も、練習段階から大盛り上がり。
特に走るの大好き男子は。

陸上アスリートK君はクラス替えのあった4月初日
クラスのメンツを見て、
「よし、今年のリレーは勝てる」とニヤけていたらしい。

4月に運動会リレーのことを考える男子がいるなんて、
運動に興味の無い子(←かつての私)からしたら驚きですよね(笑)


Kはトラック半周近く離されていても、
あとの半周で追いつき追い抜いてしまうほどの
圧倒的な速さ。

息子は、Kほどの身体能力は持っていないけど、
それなりに速いチーム。そしてリレー大好き。
去年はKと同じクラスで一緒に盛り上がっていました。
が、今年は違うクラス。
クラスの速い子チーム男子で結束し
「打倒K」で燃えていました。


それでもやはり練習ではいつもKのクラスに負け、
悔しい思いをしていたようです。

「僕とかWとかRとかが
 どれだけ頑張って1位になっても、
 TやUであっという間に抜かされるんだよ!」

「先生も、もっと考えてほしいよなー!
 クラス替えは、ちゃんと50m走の結果見て、
 各クラスの速さが同じくらいになるようにするべきだよ!
 何のための体力測定?!

とボヤいていました。


(いや、体力測定、クラス替えのためではないから(笑)
大人は誰もリレーの順位なんて気にしてないはずよ。)


(ついでに、足遅いチームの私としては、
速い子の本音にちょっと心が痛む。
うん。あのね、
勝ちたいのは分かるけど、
遅い子の気持ちも考えてあげて。
速く走りたくても、無理なんだよ。
本人が一番辛いはずだから、分かってやって〜。)



でもまあ、クラスメンバーのことを
今更言っても仕方ないのは皆分かってます。

でも勝ちたい。

ということで、
速いチーム男子の間で「このメンツでどうやったら勝てるか」が
日々話し合われるようになってきました。
よそのクラスの走る順番を偵察に行き、
それを踏まえて作戦を練る。

その中で、だんだん皆の考えが変わってきたみたいです。

遅い子を「お荷物」と嫌がるのではなく、
それをどうカバーするかが自分達の腕の見せ所と考えるようになってきたのが
息子の話から伺えました。

遅い子もチームの仲間と考えられるようになり、
それも込みでレースを組み立てる。
速い子には、人をフォローする力が自分にはある
という自負
が芽生え、
もはやスター選手 兼 監督の気分。

速い子にしたら、差を縮めて抜き返すのもまた快感だしね!

「ぶっちぎりだけが良い訳じゃない。
 ドラマがあった方が面白い
というのが、駅伝好きの息子の弁。




それは隣のクラスのアスリートKも同じで。
彼は、自分が特別速いってだけじゃなく、
誰よりも熱心に競技のことを考えている。

(Kのお母さんは、
 「あいつ、1年364日くらい、運動会のこと考えてるからね。
 自分の誕生日だけは運動会のこと忘れてるかもしれないから364日」
 と笑っていました)

そんなKを見込んだ先生は、
Kにクラスの作戦を一任したそうです。
みんな、Kの競技にかける熱意が尋常じゃないことを知っているから
誰も文句を言わない。
Kは何日もかけて、真剣にクラス全員の走る順番を考えていたらしい。

低学年の頃は、「自分の見せ場」だけを考えていた彼も、
成長し、「クラスで勝つこと」を念頭に
全体を見渡すことを覚えたようです。
先生の心憎い采配を感じます。




そして本番。

やっぱり速い子の走りは爽快!
いいねー、6年生!迫力がある!
応援にも熱が入る。

でも。
やっぱり遅い子は遅い。
一瞬目を疑うほど見事にスローモーションな子もいる。
(かつての自分もこんなだったかも…)
もちろんその子も一生懸命走っているんだけど、
当然、あっという間に抜かれる。

ところがクラスの子は
よっしゃー!その調子!大丈夫だ!いけー!」
と叫んでいる。

お!?と思いました。

どうやら作戦を練る中で、
「あいつとあいつで抜かされるのは想定内
 その差がトラック4分の1周以内だったら、
 その後のSとRで軽く挽回できる!全然問題ない!
 で、最後、アンカーWがKから逃げ切れば勝てる!」
という計算がクラスの共通理解となっていたらしいのです。


きみたち、いいねー。
その前向きな発想!






・・・で。


結局息子のクラスは負けました。

(アンカーのアスリートKが
 随分前を走っていた息子のクラスの俊足Wを
 ゴールギリギリで追い抜いた。
 これもまた見事なドラマだった!)


もちろん悔しがってはいたけれど、
足の遅い子も速い子も、
やり切った感溢れる良い笑顔でした。
あいつのせいで…みたいな
嫌な雰囲気は微塵も無く、
クラス、仲が良いんだなーと感じられて何よりでした。




家で、息子は興奮気味に
解説付きでレースを再現してくれました。

(息子は、1番からアンカーまで、
どのタイミングで誰がどう抜いたか、
各クラスの各人がどんな走りをしていたか、
レース展開を事細かに覚えていてね…)

(・・・その記憶力よ!
ったく、ほんと、
好きなことに関する観察力と記憶力は無駄に良いよね。
それ、何か別の有益なことに役立てられないかなあ?)


そこでも、遅い子のことを

「Tは、抜かれた後も根性出して
 差をこれだけに抑えられたんだよ。
 すごかった!
 Tも頑張ったよ!」

「Uは足遅いんだけどさ、身体が大きくて腕を横に振るから、
 A(俊足)がなかなか抜けなかったんだよ!
 あれ、いい作戦だよねー!」

などなど、皆に対して肯定的な言葉が出ていて
聞いていて気持ちが良かった。

小学校最後の運動会、ひたすら楽しかったし、
子ども達の人間的な成長も見られて、母は満足です。




子どもが走る姿って、素敵。
「子どもが走っている」ってだけで、涙が出そうになる。
美しくて。

自分が子どもの頃は
走らさせれるのなんて大嫌いだったし、
競技には魅力の欠片も感じなかったけど、
今は、子ども達の走りを見るのが、大好き。

一人一人の名前を
大声で叫びながらの応援は
盛り上がって、スカッとしました。

あーー、楽しかった!



***



それにしてもアスリートKは見事!
あの子、きっと近々、地元紙のスポーツ面を賑わせるはずね。
サインもらいに行くから断らないでよ!って念押しとこう。

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