青い日記帳

彼氏持ちリーマンの独り言

恋愛下手男の恋愛事情‐初恋の男(その3)

2009-02-06 18:03:45 | Weblog
その後、O君も無事公立高校に合格した。

合格した後は、受験グループも解散。もともとクラスの違うO君とは以降あまり接触することもなく卒業していき、高校生活が始まった。

俺の通っていた高校は、電車で通うには一時間かかるが、自転車で通うには30分で着くという変なロケーションにあり、自転車通学が必然となった。

毎朝、遅刻しそうな時間に家を飛び出していたのと、当時なんでもかんでも詰め込んだボストンバックを括り付けて自転車で通っていたため、足腰が鍛えられ、いまだにその名残りで足太いし、ケツも大きかったりするのは余計な話(笑)

今でこそ、ゲイ受けの良いこの特徴も、当時は足とケツがデカイのがコンプレックスでした。

ところで、O君も俺の通学路の途中にある高校に通っていた。俺はいつかO君に会えるのではないかと期待しつつ、毎日学校へ通っていた。

そして、ついに踏切待ちをするO君を見つけた。俺はゆっくりとO君に近づき、

「おはよう、久しぶり」

と声をかけた。

O君は、あの笑顔で

「○○、おはよう、元気?」

と答えてくれ、踏切待ちのわずかな時間互いの近況を話した。

O君に会えて気を良くした俺は、毎日だいたい決まった時間にその踏切に着くように時間調整をするようになった。もちろん、いつもいつも会える訳ではないけど、O君と会えた日はウキウキしながら学校へ向ったものだった。

この頃、O君と会えた喜びを何かに吐き出したいと思うようになって日記を付け始めた。内容はというと、今日はO君とこんなことを話したとか、自分がどう思ったこととか、本当にとりとめのないこと。

この朝の待ち合わせを画策するにあたっては、あんまり頻繁に会うのもわざとらしいだろうなと、思って、ちょっと遅れて行って、踏み切り待ちをするO君の後ろ姿を見るだけということもあったが、それはそれで満足だった。

こんな感じで、明らかにO君に対して恋心を自覚した俺ではあったが、だからと言ってO君とどうにかなりたいと思っていた訳ではなかった。

情報が氾濫している今ならまだしも、当時は男同士の関係があるなんて知らなかったし、俺自身、友達のワイ談についていけず逃げ出すような奥手な子供だった。

まあ、そんなことが半年くらい続いたある日、いつものように信号待ちをするO君を見つけたが、いつもと違っていた。

O君の隣には、同じく自転車を引いた制服を着た女の子がいて、O君もあの屈託のない笑顔を浮かべて楽しそうにおしゃべりをしていた。

俺はそれ以上近づくのを止めて、二人の姿をじっと見ていた。O君の通っていたのは公立の共学校であり、来るべき時が来たのかと、あきらめににた気持ちで二人の後ろ姿を見ていた。

とは言っても理性で感情が割り切れることはなかったので、泣きそうになる気持ちを日記に書いていた。

その後、何回か同じ女の子がO君の隣にいるのを見て、俺は学校に行く時間をずらしてO君の姿を見ることを止めた。そして日記も書くことは止めて、机ね引き出しの奧にしまった・・・


こうして俺の初恋は完全なる片思いで終わった訳ではあるけど、O君とのつかの間の時間は本当にドキドキして楽しかったから、O君との出会いを感謝している。今はO君とはまったく連絡が取れないが、きっといいお父さんになっているんじゃないかな。


あの日記は社会人になって一人暮らしを始める時に捨ててしまった。捨てた時は、書いている内容のあまりの恥ずかしさに見てられなくて捨ててしまったけど、今考えるともったいなかったと少し後悔している。だって、あれは紛れもない子供だった自分の一部だったから。

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