信州ななめよみ

長野県政をはじめ長野県に関することを思いつくままにつづるもの

靖国問題と小泉バッシング、中曽根元首相

2005-06-26 22:26:21 | Weblog
国会議員を辞めた、正確に言えば辞めさせられたはずの老人が政治に容喙をする。自民党だけでも中曽根康弘、宮沢喜一、野中広務の3名はいずれも小泉首相によって政界の場を去ることになった人物であるが、自己顕示欲なのか小泉首相への逆恨みなのか、老いてもまだ盛んで未だに政治の場に口を挟んでくる。一方でそれを小泉バッシングのネタにしようと歓迎するマスコミがいる。
マスコミの間では一様に小泉総理大臣への批判論調が主流となっている。そのこと自体に問題はないが、バランスを欠いた批判や、中には捏造や誹謗中傷までもが少なからず混じっており、そうしたいわゆる小泉バッシングが正常の政治批判を却って歪める結果をもたらしている。
これは非常に不幸なことだ。

散々騒がれている小泉首相の靖国参拝については、正直思考がうまく整理されていない。しかし一国の総理大臣が靖国神社を公式参拝することについて、感情的な抵抗は無い。政教分離に反するとの議論は正直ナンセンスだ。日本国における神道の存在は欧米におけるキリスト教、西アジアにおけるイスラム教と同等であり、単なる宗教を超えて生活や思考や社会習慣に染み込んでしまっている。
一方で政治的効果としては、小泉首相の対中国強硬路線により、中国政府側が音を上げ始めている。中国国内の反日デモがそのまま反政府デモに発展する恐れが多分に出てきてしまい、農村一揆が王朝を滅ぼした経験を何度か持つ中国としても苦しい立場になっている。そもそもで言えば反日デモは中国政府が煽ったところが少なからずあり、まるで絵で見るようなマッチポンプの図式だ。中国韓国などによる内政干渉、そしてそれを手引きする国内の売国勢力、それらを悔しい思いで見ていた者としては、ひとまずの評価を送りたいと思うが、一方で靖国をあまり政治的に使わないでもらいたいとの思いもある。

さて中曽根元首相。靖国問題を外交問題にしてしまった張本人でもある。
私事だが祖父が靖国神社に祀られている者として、いわば一人の関係者として言わせて頂ければ、この老人に靖国の問題を一切論じていただきたくないというのが偽らざる気持ちだ。これまた、そもそもで言えば、A級戦犯などという言葉をこの老人がいけしゃあしゃあと使うことじたいに強い怒りを感じる。それは極東裁判と呼ばれるものに対する史観の問題でもあり、レッドパージを潜り抜けた中曽根康弘という人物の生き様に関する問題でもある。かつて昭和天皇が中曽根康弘という人物を非常に嫌っていたとの有名な話があるが、わかる気がする。