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あくてぃぶ・そなあ

深海に潜む潜水艦。ピンと響くアクティブ・ソナー。何かそんな刺激的なことが書けられれば良いと思っております。

日和崎尊夫(ひわさき たかお)

2005年07月04日 18時54分20秒 | 版画
 版画家(木口木版)1941年~1992年
「鑿の会」のリーダー。同人誌「鑿」(1979年~1983年)は5集まで発行された。同人は他に城所 祥、柄澤 齊、小林敬生、栗田政裕、山本 進らの計6名。

 日和崎尊夫とその弟子筋にあたる柄澤齊氏との出会いは、柄澤氏のエッセイ『銀河の棺』掲載されている。日和崎氏は独学で木口木版を習得したらしい。

 代表作は「カルパ(劫)・シリーズ」。カルパとは途方も無く長い時間のことらしい。『カルパ―夜』はシリーズの代表作。他に詩画集『卵』など多くの画集を残している。取り扱い画廊:シロタ画廊。ブックマークに入れておきます。     

中山忠彦『優しき相貌(すがた)Ⅲ-E』

2005年07月03日 19時52分24秒 | 版画
『版画芸術』でみて、熱烈に欲しいと思った作品。
確か5点組で¥3,000,000円也だった。当然手が出るはずも無い。が、デパートの美術コーナーで直に見てしまった。¥1,000,000円以上はした。ローンを組むと¥1,700,000円には成ったと思う。で、買ってしまった。後に苦労する羽目になる。

『優しき相貌Ⅲ』は1991年(平成3年)の5月に制作・発表されている。
入手したのは、世紀末だったと思う。

 画像データは、ブックマークに入れておく。    

 P.S.
ブックマークに入っている画像は少し暗い。本物は白い地に細い黒の線で描画されています。

柄澤 齊 (からさわ ひとし)

2005年07月02日 18時56分43秒 | 版画
 現代を代表する木口木版画家。
最近では2002年10月に推理小説『ロンド』を東京創元社より上梓する。その他にもエッセイ集『銀河の棺』(小沢書店 1994年)を発行、これはカタログレゾネとともに古書価も高値になっている。おいらは『銀河の棺』の普及本と小沢書店版70部の限定本を持っている。

 木口木版では肖像シリーズが有名。師は高知県出身の日和崎尊夫(ひわさき たかお)氏。
現在、梓丁室より隔月刊で『SHIP』を刊行中。(奇数月の初旬発行:初版150部)また、この6月には絵本風の挿画本『影法師』(初版150部)を発行。

 おいらも挿画本を何冊か持っているが、それは「青猫書房」のおかげ。
「青猫書房」は、直筆もの、限定本、特装本、署名本で有名。月1度目録が送られてくる。

 梓丁室と青猫書房の住所など連絡先を記そうと思ったが止めておく。
どうぞご自分で探してみて下さいまし。     

城所祥

2005年07月01日 19時04分09秒 | 版画
 版画家。1934~1988
木口木版の作家の「鑿の会」のメンバー。板目木版画も良くした。おいらは木口木版と板目木版を各1点ずつ所有している。もう少し範囲を広げると、詩集などにオリジナルを挿画として使ってある本を持っているので、コレクションしていることになるのだが……

 ここでオリジナルと書いたのは、「オリジナルな版画」の意味です。
版画の元になるオリジナルな絵画のことではありませんので。

 持っている木口木版画には、サインもエディションの記載も無い。
購入した版画専門の古書店(?)の記録に頼るしかない。板目木版画の方にはサインもエディションもある。城所祥はやはり木口木版をコレクションするべきものだと思う。

 が、冒頭の生没年をご覧頂けばお分かりになるように、手に入りづらい。
結構作品は残っているはずだが出てこない。ヤフオクで蔵書票などチラッと見たような気がするが、分からん。出てくる物はそういった小物ばかり。

 鑿の会のメンバーは、
日和崎尊夫、城所祥、柄澤齊、山本進、栗田政裕、小林敬生。以上6名。現在「鑿の会21」が新たなメンバーで結成されている。
              

小林敬生

2005年06月30日 20時14分34秒 | 版画
 木口木版の版画家に小林敬生がいる。
今日、新たに1点を購入、今までの作品と合わせると計3点。コレクションになる。小林敬生さんの作品は版木を組み合わせて大きな版画を作るものが目立つ。が、今回購入したのは、A5版サイズのシートに刷ったものだ。タイトルは『幻華'98』、エディションは114/250。

 古書店で見つけた。
大きな古書店では版画だけでなく油絵や彫刻も扱うところが在る。古本屋をやるには古物商の認可がないと買い取りが出来ないために警察へ行って許可証をもらってくるらしい。近頃は古本屋も大変らしく、買い取り価格は安い。

 小林敬生さんの作品は、鏡張という手法で更に大きな版画を作っている。
鏡張とは、木口木版は雁皮紙に刷るのだが、刷った雁皮紙を2枚に剥がして対称的に張り合わせる手法だ。刷るときのインク絵の具の加減と雁皮紙の強さが無いと出来ないらしい。

 小さな作品もまたいいなと思った。   

武田史子銅版画作品集

2005年06月29日 20時16分43秒 | 版画
 1999年1月20日水玄舎 特装本Aセット22/50
AセットとBセットの2種類があり、それぞれにオリジナル銅版画3点が添付されている。もちろんAとBでは異なる作品が添付されている。価格は数万円だと思う。もう忘れている。何故、数万円だと思うのかというと、それは、おいらがAとBの両方のセットを所持しているからだ。

 これは武田史子さんの銅版画のカタログ(目録)に3点のオリジナル版画がついているのだ。
カタログレゾネはコレクターにとってはバイブルみたいなものだ。何年に何部製作されているか、エディション・ナンバーの付かない作品(AP版、EC版、PP版など)は何部あるのかなどの情報が網羅されている。

 カタログレゾネ【(フ) catalogue raisonne】〔説明付きの目録の意〕
ある美術家の全作品を時代別,主題別などに分類・整理した目録。また,ある美術館所蔵の全作品を時代別・作家別などに分類・整理した目録。全作品目録。三省堂 『ハイブリッド新辞林』

 例えば、本の装丁に使われた『アランフェスの庭』は、イメージ・サイズが42.7cm×24.5cmで技法はエッチング・アクアチント、EDは30部、1991年製作雁皮紙に1版1色1度刷だと言うことが分かる。今気づいたがこのカタログレゾネにはAP版などの記載が無い。レゾネとしては不完全だ。だが武田史子さんの最初のカタログレゾネには違いない。

 他の、例えば柄澤齊さんのカタログレゾネは、AP版などの記載がある。
AP版だけではなく何と言う本の装丁や挿画に使われたかなども分かる。「レゾネの何ページに載っていた」と言えばそれだけで作品の真作が保証されたようなものだ。

 だが中にはサルバドール・ダリのような場合がある。
彼の作品はレゾネに載っていても1960年代半ばまでの作品には贋作の可能性が付きまとう。ダリ自身が自分の生徒の作品にサインなどしている場合があるのだ。ダリの作品には真贋問題が付きまとう。

 話を武田史子銅版画作品集に戻す。
レゾネとしての価値は劣るものの、銅版画を買わなくても自宅で眺めている分には問題ない。おいらはこの作品集を見て『密かな穫り(みのり)』をシートで購入した。AP版だったけれど。

 一般的にはAP版などは正規のエディションが付いている作品よりも価値が下がるとされている。
が、まれにはAP版などの方が高い値段で取り引きされる(限りなく0に近い)。

 武田史子作品では『密かな穫り』の他に、初期の代表作『道しるべⅠ』もAPで入手している。
一体どのくらい正規エディションの付かない作品が存在するのか。作家や作品によって異なるようだ。多くて精気エディションの30%位だろうか。AP版=アーティスト・プルーフはそもそも非売品で作家の手元に置かれていなければいけない作品なのにどうした訳か流出して流通に乗る。
      

利渉重雄『宇(時の渉猟者たち)』

2005年06月28日 19時54分22秒 | 版画
 1990年彩林画廊、7点1セット、¥40,000円。
おいらが初めて買った「版画集」だ。『21世紀版画』と言う雑誌の紙上頒布コーナーの葉書で購入した。当時、その雑誌では「私が選ぶ銅版画」みたいな特集があって利渉氏の『光を得た種子』が掲載されていた。で、「7点で¥40,000円、これは安い!」みたいな感じで購入した記憶がある。以来「版画集だと安い」と言う思い込みが染み込んでしまった。

 利渉氏の作品は、私のコレクションの中でも点数の多い版画家の一人だ。
後に大阪の都画廊から『光を得た種子』を購入している。この時は、多分、間違いなく電話で購入している。電話嫌いのおいらが電話するくらい、気に入っていた。今は、コレクションを木口木版に絞っているが、気に入った作品は板目木版に限らず銅版画、石版画、シルクスクリーンでも購入している。で、買っては資金繰りに苦労するわけだ。

 ちなみに今現在のお気に入りは、ブルノフスキーの作品『心の楽園への旅』を銅版画に起こしたもの、柄澤齊「死と変容Ⅱ」の『洪水A』(多分A)、日和崎尊夫『カルパ―夜』、中山忠彦「優しき相貌Ⅱ(?)」の作品E(?)、武田史子『密かな穫(みのり)』と利渉重雄『光を得た種子』となる。とりあえずは以上の様になる。

 他にもお気に入りは、沢山有る。で、増える。で、貧しくなる。で、本を売る。
要らない物を処分すればよいのだが、買った時の値段の3分の1になれば良いほうで¥1000円のものが¥100円以下になる事もしばしば。古本屋に売ると文庫は1冊10円になれば良い方だと思う。段ボール箱1箱で数百円にしかならない。

 版画なんて無料同様で売るつもりにならないといけない。
買い取りOKの画廊もこのご時勢、減ってきている。画廊では売れない。古本屋や美術関係の古物商にあたってみるしかない。で、経験から数十万円したものが数千円にしかならない。そりゃそうだろう、今時絵を買おうなんて人は少ない。需要と供給の関係からも数千円で引き取ってもらえるだけまし。となる。
          

カルズー

2005年06月27日 19時39分56秒 | 版画
 この画家(版画家)の名前も忘れ去られつつあります。
じつはカルズーはリトグラフ(石版画)で2点所持しています。おいらのコレクションの基準は、3点だからコレクションとは言いません。カルズーは、おいらがオークション以外で入手した最初の作品です。『城』という作品でシュールリアリズムな作品です。

『城』は、ぱっと眺めてみて物語が浮かんで来るような作品です。
ただし、おいらにとってはですが。カルズー・グリーンで統一された作品です。もう1点の作品は、『赤の出現』というタイトルだそうです。(フランス語が分からないので)これはタイトルの通り赤が目立つ作品です。これもシュールな作品です。

 なぜシュールな作品と断りを入れるかというと、カルズーには『~城』と言うような建築物を独特のタッチで描いたものと、人物を含んだシュールな作品群の2つに分かれるからです。と言ってもおいらの知っている限りで、と言う条件付です。

 この2点の版画、気に入っているのですが、売るとなれば二束三文になるだけです。
それよりも持っている方が良い。と考えての事です。版画は、他にも売りたい作品はありますが、売れないか同じように二束三文の値で取引されるだけだと分かっているのでさばけません。

 オークションで売っても良いのですが、補修とかの費用を考えると、売る前の段階でかなり面倒な事になりそうです。額に入っているものは、額からはずして、シートの状態を確認します。それから写真を撮って、シート・サイズ、イメージ・サイズ、エディション、サインなどを入力して出品になります。で、元のように額に収めて終わりです。

 同一の作家の作品群を眺めてみると、少ない割合で奇妙な作品が出現することがあります。
中には怖いものも……。やはりネガティブな部分も作品に反映されると言うことなのでしょうか。『赤の出現』もそういう作品なのではないか、と言う気がしてきます。