ならおうは穏やかに語る

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(09/08/23カウンターを付けました。)

日米彼我の予算比較

2013-05-31 05:43:54 | Weblog
2013/05/31日経によると生命科学関連研究予算は米国が3兆円、日本が3500億円。とざっくり9倍の差がある。
なぜこんなに開きがあるのだろう。予算規模の違い?為替レート?ちょっと考えてみた。
USD: 米国ドルと表示する。
簡単な計算の為100[円/USD]で計算する。
80[円/USD]であれば1.25倍だけ日本円は強くなる。

外務省による2012年米国予算日本の予算を比較してみた。
日本の予算で新たな借金(税外収入)は財政赤字とした。

歳出は米国が日本の凡そ4倍である。
ちなみに円高80[円/USD]なら約3倍だ。
円安になるとこういう風に通貨が弱くなる。

この表は国民一人当たりの恩恵と負担を記している。
まず恩恵となる「歳出」を見てみよう。
米国は国民一人当たり119万円で、日本は71万円だ。
これは国防費やら国のサービスやら、米国民という事で享受できるサービスだ。

次に負担となる「歳入」を見てみよう。
米国は国民一人当たり84万円で、日本は33万円だ。
企業の負担となる法人税や固定資産税がもの凄く大きいのかもしれない。
とりあえず一人当たりの名目GDP(2012年)を比較してみる。
USA: 49,922.11(USD)
Japan: 46,735.72 (USD)
49,922.11/46,735.72=1.068倍。と日米に差が無い事が判る。

一方財政赤字の一人当たりの負担を見る。
米国が35万円で日本が37万円。あまり差が無い。
これはこういう風に考えることもできる。
米国では84万円の負担で119万円のサービスを享受できる。ただし借金は35万円だ。
日本では33万円の負担で71万円のサービスを挟持できる。借金は37万円だ。
日本は増税の余地があるという考えが成立する。しかし財政赤字の歳入に占める比率は憂うべき事態だ。


さて、緊縮財政、身の丈予算ってのは承知しているが、本題の生命科学関連研究予算の日米差について考えてみよう。
その前にこういう研究予算ってのは見返りが大きい投資だ。カンフル的な国土改造土建計画とは異なる。
国土改造計画も国のインフラ整備によって産業水準を上げて・・・という投資的側面があるが、残念ながら無駄な工事も多い。
一方、こういう研究開発予算ってのは見た目は地味だがこれから国力を向上する為にかかせない施策だ。
研究開発従事者が増える
⇒高等教育が必須⇒教育レベルが底上げされる。
⇒海外からの優秀な頭脳を集められる⇒国の知的レベルが底上げされる。
国外の優秀な頭脳の引き抜きで相対的に引き抜いた側の国力が増強される
⇒知的産業の充実⇒労働単価の増大
という具合に様々な波及効果がある。

さて、本題はなぜ米国と日本でこういう予算に開きがあるのか?ってことだ。
為替レートを考えた歳出額を比較しても3-4倍に収まるべき開きが8-10倍の開きだ。

という訳で歳出の内訳を見てみた。内訳の分類が日米で一致していないのでちょいと困難だが、強引に割り振った。

ここで、文教・科学費に使えそうな「裁量的支出 非国防関係」を見ると9倍の開きがある。一人当たりで7倍程度だ。
この辺か、もしくは災害費とTARP(不良資産救済プログラム)を公共事業費に振ったせいかもしれないが、防衛費ですごい支出をかけている米国に対して見劣りする配分かもしれない。

いずれにせよ、従来の安価な汎用製品を大量に供給する為ではなく、国力を強化する様な予算配分へシフトすべきだ。




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