空飛ぶ大根
家庭菜園で種を播いていると、犬を散歩させている人から何を植えているのと声がかかる。「ダイコンです。」「ダイコンは簡単に育つからいいわね」「えー まーそうですね」と力なく答える。私にとっては何とまぁ手間のかかる気難しいひ弱なヤツと思ってはいる。 ダイコン、タマネギ、ジャガイモなど家庭菜園の定番、どれも癖がないので飽きないし色々な料理にも使える。8月下旬になると、まだ収穫途中の夏野菜を清水(きよみず)の舞台から飛び降りるように思い切って抜いて、菜園を耕す。肥料を入れ、畝を作り夏の太陽で真っ黒に日焼けしシャツが汗で絞るように濡れる。8月下旬か9月上旬の天気を見計らって、2粒ずつ種子をまく。(知人の韓国のオモニが、トウガラシを播く時には、2粒ずつまくのですよと母から教わった、そうすると競い合い助け合い、成長がいいそうだ。)
種は値段が高いから2粒は、どうももったいないといつも思いつている。1粒が立派に育つと得である。
双葉が出ると同時に地面の中で待っていたヨトウムシや甲虫の幼虫が、見事に根っこを切ってしまう。双葉は、待っていましたとばかりに小さなカタツムリの子供、ナメクジ、ダンゴムシが舐める。風のない晴れた日には、小さな羽根をヒラヒラさせた蚊ぐらいの蛾が丹念に訪問し双葉の真ん中の新芽に、卵を産み付ける。眼にみえないような小さなイモムシが誕生し芽を食べるがどうするすべもない。ダイコンの赤ちゃんはたちまち元気がなくなる。若葉を糸で巻いて住居を作り、茎の根元か地面の中に繭のような巣を作って隠れる虫もいるので数種類いるようだ。これらの虫がいると双葉のままで新芽はほとんど出ないで終わりとなる。再びああもったいないといいながら種をまく。気温が下がり虫の活動が鈍る10月中旬までああもったいないが繰り返される。木酢液にトオガラシを混ぜて噴霧しても虫は無視している。やつと本葉がでるとアブラムシがビッシリと寄ってくる、さらに雨が降り続くと病気でダイコンの葉は黄色くなり、そのうち溶けてなくなってしまう。
台風や強風が長時間吹き付けると、ダイコンの葉がクルクル回り、根が絞られてついには千切れてしまう。そうなると葉っぱは風車やバドミントンの羽のように飛んでいってしまう。野分けの朝はダイコンの姿がないし、たまたまダイコンがあっても、持ち上げると根がついていない。ダイコンオロシやフロフキダイコンになるのはほんのちょっとです。菜園で初めてダイコンを植えた人は、ダイコンなんて簡単だと思うでしょう。連作すると成長段階に応じた農薬、殺菌剤などを絶えずかけないと、ダイコンにはなかなかなりません。土の中の虫を取った後、種をまきネットで完全に覆うやり方もあります。こんなにダイコンがひ弱で手間がかかるようになったのは、種子が昔と違うのではないでしょうか。
その土地の風土にあつた品種はほとんどなくて、売っている種子の多くが海外で生産されています。種を何回も播かなければならないので、種屋さんは繁盛することでしょう。でも農薬を必要としている種は、健康上問題ではないでしょうか。
家庭菜園で種を播いていると、犬を散歩させている人から何を植えているのと声がかかる。「ダイコンです。」「ダイコンは簡単に育つからいいわね」「えー まーそうですね」と力なく答える。私にとっては何とまぁ手間のかかる気難しいひ弱なヤツと思ってはいる。 ダイコン、タマネギ、ジャガイモなど家庭菜園の定番、どれも癖がないので飽きないし色々な料理にも使える。8月下旬になると、まだ収穫途中の夏野菜を清水(きよみず)の舞台から飛び降りるように思い切って抜いて、菜園を耕す。肥料を入れ、畝を作り夏の太陽で真っ黒に日焼けしシャツが汗で絞るように濡れる。8月下旬か9月上旬の天気を見計らって、2粒ずつ種子をまく。(知人の韓国のオモニが、トウガラシを播く時には、2粒ずつまくのですよと母から教わった、そうすると競い合い助け合い、成長がいいそうだ。)
種は値段が高いから2粒は、どうももったいないといつも思いつている。1粒が立派に育つと得である。
双葉が出ると同時に地面の中で待っていたヨトウムシや甲虫の幼虫が、見事に根っこを切ってしまう。双葉は、待っていましたとばかりに小さなカタツムリの子供、ナメクジ、ダンゴムシが舐める。風のない晴れた日には、小さな羽根をヒラヒラさせた蚊ぐらいの蛾が丹念に訪問し双葉の真ん中の新芽に、卵を産み付ける。眼にみえないような小さなイモムシが誕生し芽を食べるがどうするすべもない。ダイコンの赤ちゃんはたちまち元気がなくなる。若葉を糸で巻いて住居を作り、茎の根元か地面の中に繭のような巣を作って隠れる虫もいるので数種類いるようだ。これらの虫がいると双葉のままで新芽はほとんど出ないで終わりとなる。再びああもったいないといいながら種をまく。気温が下がり虫の活動が鈍る10月中旬までああもったいないが繰り返される。木酢液にトオガラシを混ぜて噴霧しても虫は無視している。やつと本葉がでるとアブラムシがビッシリと寄ってくる、さらに雨が降り続くと病気でダイコンの葉は黄色くなり、そのうち溶けてなくなってしまう。
台風や強風が長時間吹き付けると、ダイコンの葉がクルクル回り、根が絞られてついには千切れてしまう。そうなると葉っぱは風車やバドミントンの羽のように飛んでいってしまう。野分けの朝はダイコンの姿がないし、たまたまダイコンがあっても、持ち上げると根がついていない。ダイコンオロシやフロフキダイコンになるのはほんのちょっとです。菜園で初めてダイコンを植えた人は、ダイコンなんて簡単だと思うでしょう。連作すると成長段階に応じた農薬、殺菌剤などを絶えずかけないと、ダイコンにはなかなかなりません。土の中の虫を取った後、種をまきネットで完全に覆うやり方もあります。こんなにダイコンがひ弱で手間がかかるようになったのは、種子が昔と違うのではないでしょうか。
その土地の風土にあつた品種はほとんどなくて、売っている種子の多くが海外で生産されています。種を何回も播かなければならないので、種屋さんは繁盛することでしょう。でも農薬を必要としている種は、健康上問題ではないでしょうか。