NPO法人 地域福祉協会

清掃事業  森林事業(植栽・剪定)

司馬遼太郎著「覇王の家」新潮社 を読んで。

2017-10-03 | 書評
この本は
しばしば本屋で立ち読みしていた重要著作であります。

やはり
司馬遼太郎氏の尋常ならざる慧眼が発揮されている傑作である。


武田信玄や上杉謙信の欠点を家康は次のように指摘する。

「信玄がその一族であり家臣である海野頼平や望月幸義をほろぼし、また謙信が長尾義景を討った。これらのことはみな疑心より生じたことで、生かしておけばかならず股肱になるべきだのに、まずいことをしたものである」


家康は

「われ、素知らぬ体をし、能く使ひしかば、みな股肱となり、勇功を顕はしたり」

という茫洋たる大器であったのだ。


そして
やはり三河の気風は質実であり

尾張のきらびやかで派手な感じとは異質である。


結局は
軽佻浮薄で才気ばしった人々は
その鋭角さがあだとなるのであり

はっきりとしない茫漠たる器こそが
安堵と感心の基となるのだ。



才気と華美の人々には
先に行ってもらい

後から
実務と実際を所管するというのが
本会の経営戦略である。



家康公こそが
ベンチマーキングターゲットとして最適であることを
再確認した著作であった。



おわり



高橋記(ベンチマーキングターゲット:司馬懿仲達)