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ヤマザキ、フリーターを撃て!

天才マックスの世界

2004-06-23 02:06:24 | 映画
 映画「天才マックスの世界」

 監督:ウェス・アンダーソン、ビル・マーレイ他


 パッケージからしてドタバタコメディーだと思って借りたが、コメディーだけど青春映画。しかもかなり良く出来てる。男だらけの全寮制の優秀な学校にいるマックス。やたらと行動的だが、まったく勉強はできない。恋をしてしまった先生をビル・マーレイと取り合う。


 童貞を捨てたいがために頑張っちゃうっていう典型的な学園物。先生を好きなんじゃなくて、先生を好きな自分が好きで、ただ単に童貞捨てたいだけなんだと、コンプレックスにまみれてる自分を見つめていくって話。貧乏な父子家庭で、頭も悪い、スポーツも出来ない、協調性もなく虚言癖、友達は小学生ともうわかりやすい変人。けど傷つきやすくて、それをフォローすべく活動的。


 失恋して自信をなくし、学校もドロップアウトして段々と気づいていく。なぜ自分は活動的でいられたのか、それは恵まれない自分の代償行為だったんだと。童貞を捨てるなんて下らない考えではなくて、本当の自分を受け入れていくことで大人になっていく。いい映画だなー。


 父の遺品も持ってないおれとしては、マックスが死んだ母から貰ったタイプライターを使ってた時に涙が出てきた。いい子だなーって。年上の女にしか興味のなかった少年は、死んだ母の呪縛から解かれて変わっていく。良作なのに明らかに邦題がおかしい。知らず知らずに止まってしまった自分を見つめていく人たちの話なんだから原題どおりにすべき。コッポラの甥にコッポラ映画をやらせてたのは笑った。★★★★

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