やっぱりペキンパーって監督の感覚は怖い。冒頭からいきなり蠍を蟻に食べさせて喜んでる子供達が写される。明らかにリアルで障害持ってそうな子もいてそういう子を決して偽善チックに使わない男の映画である。ホールデン率いる荒くれ者が鉄道事務所を襲って強盗。そこに鉄道会社が犯罪者を雇って護衛団を組織してて戦いに。容赦なく通行人など皆殺し。死んだ人間は気ぐるみ剥がされて捨てられる社会。強盗団は逃げると蠍と蟻ごと火をつけて燃やして笑う子供たち。人間も虫も同じような価値というこの歪んだ感覚。かつての味方だったロバート・ライアンは無罪と引き換えに鉄道護衛団にいる。かつてホールデンと娼館で遊んでる時に捕まってしまったのだ。親友同士が引き裂かれて敵同士に。
みんなでメキシコに逃げるとそこにはマパッチ将軍とかいうのがいる。これがまた面白キャラ。オープンカーに乗っていい女抱えて酒浸りという酒池肉林ヒップホップ系。しかもホールデン仲間のメキシコ人を車で引きずるというプレイ。調子乗って機関銃をぶっ放すも使えずに大暴走などバカキャラ。ホールデンたちにアメリカで武器とってくれば金やるよと取引。ここからどんどんと面白くなってくる。アーネスト・ボーグナインて人は「マーティ」のイメージが強くておれの中じゃ童貞キャラなんだよな。ここでもやっぱりホールデンの後追い舎弟キャラ。アメリカ人は所詮世の中は女と金と酒さと笑う。貧しいメキシコ人にとっては自分の土地だ。理解しあう事はないと思いきや目覚めていく男たち。人間としてのプライドを保つのは女でも金でも酒でもない、尊厳だ。69年だしおれたちに明日はないモードですよ。大暴れして女性なんてもはや盾にしてるからw
目覚める時に死に行く鳥のヒナ、死体を狙ってるハゲタカなどこの感覚。この監督って人間が嫌いというか剥けばみんな同じというのがあるんじゃないか。感動とか夢なんていう抽象的な言葉は存在しないのだ。この言葉がなくてもわかりあってる男たち、わざわざ絆なんて偽善的な事を言わない絆。「行くぞ」これだけで彼らは死ねるのだ。ヒーロー的な正義とは違ってそれはプライドが結合したに過ぎない。自分たちの仲間だった弱者をゴミにして笑う連中を殺しにいく。将軍とホールデン連中に追いかけるライアンたちと全員が生まれのよろしい人など一人もいないアウトローなのだ。すごいよこれ。
ペキンパー鑑賞4本目。★★★★
ご尊顔はこちら↓
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初代、科学技術庁長官をしました。
またインドに行ってたんですね。なんかインドからアクセスがあるなと思ってたんですよ。デリーの地下鉄驚きました。新品地下鉄があると思えば路上に牛が邪魔してるというのがインドで良いですね。