タイムラプスいろいろ

タイムラプス映像への飽くなき追求


タイムラプス・フォトグラファー 岡 浩一郎
www.skypix.jp

電子接点レンズの絞込みエラーの問題とその回避法

2016年03月14日 | 日記

現代のオート・フォーカス・レンズは電子接点を持っており、レンズ筒の操作はズームに限られています。 絞り環がついていないものが多く、絞りについては、常時は開放(一番明るいFの状態)されています。 シャッターを切ると、その都度設定された絞り値の位置までマイクロ・モーターで瞬時にシャッターの機械構造を動かす仕組みになっています。 

この目にも留まらぬ速さで物理的にメカニズムを動かす仕組みが問題を起こす可能性があります。 シャッターの金属製の羽根は高速で動かすために大変軽く作られており、非常にデリケートなメカニズムですが、タイムラプス撮影のように連続して数百枚もシャッター動作を繰り返していると、絞込みエラーが発生することがあるのです。 レンズの固体差もあり、製品のグレードによっても差があるものと推測されますが、レンズによっては500枚連続撮影すると2~3枚以上の比率で発生します。 

絞込みエラーが発生すると、絞りは開放状態のままか、設定値まで絞込みに行く途中で止まった状態になりますので、前後の画像に比べて露出過度の画像になってしまいます。 下の画像は、撮影したタイムラプス・シーケンスの一部のサムネイルですが、94コマ目と97コマ目がその状態となっています。 これほど露出差があると、カメラのダイナミックレンジを超えてしまって画像処理を施しても修正は不可能です。


この問題を解決する方法としては、次の3つがあります。

1. 絞りは常に開放で撮影をする。 (タイムラプスは広角レンズで撮影する事が多いので、焦点深度は比較的問題とならない事が多い) 光量が過大な場合は、NDフィルターを使う。

2. マニュアル・レンズを使用し、絞りは絞り環で調整する。(マニュアル・レンズは常に絞り環の値通りに絞り込んでいます)

3. 現代の優秀な電子接点レンズを使いたい時は、NIKONのGレンズに絞り調整機構付のマウント・アダプターを使ってCANONなどのボディに装着して使う。 

→ NIKONのGレンズは、NIKONの伝統的なメカニカルな絞り制御の金属ピンがボディ側に突き出ています。 これをレバーを使って可動できるタイプのマウント・アダプターを使えば、絞りは常にマニュアル・レンズのように調整する事が可能になります。





最新の画像もっと見る

コメントを投稿