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タイムラプス・フォトグラファー 岡 浩一郎
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Qエンジン・・・新しく生まれ変わったADエンジン

2016年04月06日 | 日記

2016年4月より旧来のADエンジンがQエンジンに名称変更となり、機能も強化されました。

旧AD3エンジン → Q3エンジン

旧AD6エンジン → Q6エンジン

                                   Q3エンジンです

 このQエンジン(旧ADエンジン)はDCモーターを使用した、ドーリーの基本形とも言うべきマニュアル設定型エンジンです。 その後に開発されたXエンジンはプログラム設定ができる更に進化したエンジンで、複雑なモーションの実現が可能になった優れた機能を有しています。 しかしそれにも係わらずQエンジンには根強い人気があり、特にプロの現場やハイ・アマチュアの方には熱狂的な支持をして下さるユーザーが多くおられます。

その理由は、

1.運転開始にあたり事前に時間がかかるプログラム設定する必要がなく、即座にマニュアル設定して撮影に取り掛かれる

2.DCモーターはトルクが強く、あらゆる状況でも安定した走行ができる

3.バッテリーの消費量が少なく丸一日撮影してもバッテリー交換の必要がない。また電圧がかなり低下しても問題なく運転ができる。

4.マニュアル設定でインターバル毎の移動距離など細かい調整が可能で、使用上の自由度が高い。

などが上げられます。

 そこでQエンジンへの名称変更に際し、ユーザー様から色々と寄せられた要望から2つの機能強化を図りました。 (立上時のファームウエア・バージョンがVer3.3となります)

 

【 強化された機能 1 】

まずはインターバル毎のレール移動距離の大幅拡張です。

ADエンジン → 約0.5mm~20mm (後述しますが、現実的には最大15~17mm程度)

Qエンジン → 約0.5mm~100mm

 

この画面は、運転の際に使用するメイン画面です。 カーソルが置かれている「L5.1」の部分がレール移動の方向(LまたはR)と、インターバル毎の移動距離(0.1mm~9.9≒10mm)を設定する箇所です。 画像の例では左に5.1mmずつ移動する設定になっています。 この画面自体はADエンジンもQエンジンも変更ありません。 しかしこのままでは最大移動距離が拡張できません。(ケタ数が足らず不可能です)

また、ADエンジンでも最大20mm移動可能だったと説明しましたが、上の画面では約10mmしか設定できません。

 

ADエンジンでも最大15mmまで設定可能だったのは、このRAILメニューのページで、レール・モーターの移動量のキャリブレーション機能を活用することで可能でした。

 

このキャリブレーション機能の本来の使い方は:

 1. Calibrateの右側で通常はnoとなっている箇所を画像のようにyesに変更して

 2. リモコンのCボタンを押すとレール移動が開始するので、正確に100mm移動した所でもう一度Cボタンを押して停止させる

 3. そのモーター回転数を、エンジンが正確な100mmの移動距離として記憶する

 

と言うものでした。 この操作の結果、一番下のspeed rateの数値が0.98とか1.2とか表示されます。 それがモーター回転数を調整する係数です。  キャリブレーション操作による計算結果を表示しているのですが、実は裏技的な使用方として、このspeed rateをリモコンで直接変更する事が可能です。 つまり、このspeed rateを変更すれば、メイン画面で設定したレール・モーターの移動量に係数を掛けることができると言う事です。

例えばメイン画面で9.9≒10mmと設定していても、speed rateを0.5に変更してあげれば、10mm÷0.5=20mmと、20mmの最大移動が可能となるわけです。

ADエンジンではこの係数の範囲が0.5~1.5でしたが、Q3エンジンでは0.1~1.5に拡張されました。 この結果、最大で100mmの移動が可能になりました。 インターバル毎に10cm移動できると言うのは大変大きな移動量です。 通常の動画は1秒間に30コマですが、レールを3m移動するモーションを1秒間の動画に適用すると言う事ですので、如何にこの効果が大きいかお分かりいただけると思います。

また、ADエンジンでの最大移動量20mmと言うのはあくまでも最大理論値であり、そもそもキャリブレーションで調整して基準距離移動の調整をするものですので、実際の所speed rateを0.5に設定しても移動距離は15mm~17mm程度が限度でした。 これがQエンジンでは実際の所100mm近く移動できるようになるので、使用してみればその差の大きさに驚かれると思います。

 

【 強化された機能 2 】

強化されたもうひとつの機能は、インターバル時間の大幅拡張です。

ADエンジン → 0.1秒~99.9秒

Qエンジン →  0.1秒~999分

 

この画像の中央の「I01.0」がインターバル時間設定箇所で、画像では1.0秒に設定されています。 この項目の数字の単位は秒でした。

QエンジンではSETTING#3のメニューが追加され、この単位を変更できるようになりました。

Intervalの項目で0.1sを選択すると、従来どおり、単位は秒です。(可変範囲:0.1秒~99.9秒)

 

0.1mを選択すると単位は分になります。(可変範囲:0.1分~99.9分)

 

1mを選択すると単位は10分になります。(可変範囲:1分~999分)

 

この拡張により長期タイムラプス(Longterm Timelapse)の撮影が可能になりました。 例えばマンションやダム、造船所などの建設現場、工場の製造過程などを数週間~1年間以上もの間インターバル撮影を続けて、それを短時間の動画にする事が可能になりました。 

このように、Qエンジンになってますます幅広い撮影シーンに対応する事が可能になりました。 既にご購入された方もご心配なく! 旧AD3、AD6をご送付頂ければ内蔵ROMのバージョン・アップ対応を致します。(バージョン・アップ手数料4,000円が必要です)

 



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