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タイムラプス・フォトグラファー 岡 浩一郎
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私を惹きつける民主主義時代のミャンマー

2021年04月01日 | 日記

今、軍のクーデターで大混乱になっているミャンマーは近世において本当に混乱の時代を生き抜いてきた国です。11世紀以降、常に多数の民族と王朝の戦乱が繰り返され、1852年以降は英国の侵略があって第二次世界大戦後までは抑圧と混乱の時代を経験しました。その後も国内の政乱は続き、1962年からは25年間にわたる社会主義の時代を経験します。社会主義時代を終わらせたのは軍部のクーデターでそれにより22年間にわたる軍事政権時代を迎えます。

それが2010年にやっと民主主義政権が誕生し、世界中が新しいミャンマーに注目したくさんの国々が投資も積極的に始め、ミャンマーは大きく成長しました。しかしその民主主義政権も今年の2月、再度の軍部のクーデターで終わりを告げたのです。わずか10年間の自由だったのです。

私が最初にミャンマーを訪れたのは軍政時代の2003年でした。当時は軍が実権を握っていたとは言え、国民はそれなりに平穏に暮らしていたように思います。しかし一度軍政を離れ、民主主義の尊さを体験した国民は、今回のクーデターには敢然と拒否の姿勢を示して闘いを挑んでいる状況にあります。

私は民主主義時代のまっさ中であった2016年と2017年にミャンマーに撮影にでかけ、全国を車で5,000Km走破しながらタイムラプスでその素朴で美しい現実離れした世界を作品に描きました。今となっては大変貴重な映像になりました。 これをご覧になれば如何にミャンマーが魅力あふれる平和で仏教の世界に深く染まった世界であるかがお分かりになると思います。

国民の9割を占める仏教徒は、仏教僧や仏像を崇拝し、日々の生活は頭から足の先まで仏教の世界に浸っているようです。どこの街や村に行っても、寺院からは一日中(時によっては一晩中)スピーカーから仏教僧が唱えるお経が流れています。人々は仏教僧のご飯(托鉢)を作り、敬い、来世の幸せを祈ります。どんなに貧しい人でもお寺を訪問するときには入口でわずかばかりのお金であっても記名・寄進することを忘れません。若い女性に何を書いたのか尋ねたら親の名前を書いたと話していたのが忘れられません。功徳を積むことに人生の重きを置いているその純粋な姿には胸を打たれます。

この映像から少しでも多くの方がミャンマーの魅力を知り、その自由と平和のために祈りを捧げてくれることを心より祈ります。

 

【4Kタイムラプス】Myanmar in the Freedom(ミャンマー民主主義時代の素顔) from Koichiro Oka on Vimeo.


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