タイムラプスいろいろ

タイムラプス映像への飽くなき追求


タイムラプス・フォトグラファー 岡 浩一郎
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一眼レフとシャッター回数

2021年06月28日 | 日記

一眼レフカメラはシャッターを切る際の稼働部品が多く、シャッター寿命には気を配らなければならない。CANON製品の場合機種により異なりますが、強靭な1DXMKⅢの50万回と言うのもあるが大体10万~15万回となっている。シャッター寿命になると突如シャッターが正常に動作しなくなる。(多くの場合液晶パネルにErrと言うエラー表示が出て反応しなくなるらしい) しかし実際何回まで正常に動作するかは人間の平均寿命に対する実寿命の幅以上に広いようで、15万回とされている機種でも10万回でトラブルが起きる場合もあれば、20万回を超えても平気で動作しているものもある。

おそらくであるが、想像するに規定された回数を超えても動作する事の方が圧倒的に多いのではないだろうか。ただし規定回数を超えるとそこからはいつブチ壊れても全く不思議でないしメーカーとしては責任持たないよと言うことだ。次の瞬間突然使えなくなるなんて、趣味で使っているのならいいが、仕事で使っているとなると「寿命だ」では済まない。私が通常のタイムラプス撮影で使っているのはNIKONのD850やミラーレスのZ7であるが、これらは強靭な20万回機だし、撮影枚数も毎日毎日終日撮りまくるわけではないので全く心配するに及ばない。

問題は超長期撮影システムに使っているCANON機だ。システム上の要請からCANON機が必要となるのだが多くの場合EOS 5DMKⅢを使っている。シャッター耐久回数は15万回だ。一方超長期撮影システムは建築現場や農園で数か月から時には2年間近く撮影を継続するので、あっと言う間に撮影枚数は万のオーダーになってしまうのだ。もし期間の途中でシャッターが動作しなくなったら、新しいカメラと交換するしかないのだが、同ポジションを出すのに死ぬほど苦労することになるだろう。特に広角レンズを使うことが多いので画像周辺部は相対的に大きく流れるのでカメラの設置角度の影響が大きく反映される。

これらのシステムに新品のカメラを使用するにしろ、中古機を使用するにしろ、シャッター回数の測定は不可欠だ。おすすめはフリーソフトのCanon EOS Degital Infoを利用することだ。 (https://sourceforge.net/projects/canon-eos-digital-info/)

他にも類似ソフトがいくつかあるが、海外製の有料の物もあるので要注意だ。 私は中古カメラも数多く購入した経験がある。(ちっとも自慢できる話ではないのだが)ヤフオクが最も一般的であろうが、経験上一眼レフの購入に関しては絶対鉄則にしていることがある。それは「ショット回数が不明なカメラには絶対に手を出さない」である。

事実10万円以上の落札価格で入手したEOS5DMKⅢのシャッター回数を測定してみたら何と耐久回数をはるかに超えた168,000回だったと言うことがあった。これはもうほとんど詐欺のレベルである。大体一眼レフを売るんだったらフリーソフトがあるんだからシャッター回数を測定して明らかに示すべきだ。これをあえて触れずに売り飛ばすなどは人間としての誠意を疑う。中古車を製造年式も走行距離も不明のまま(あるいはごまかして)売るなんてあり得ないだろう。

この168,000回のカメラは使いようがなく長い間放置保管していたが、先日仕方なくCANONあんしんメンテのオーバーホールに出してみた。 その結果シャッターユニット交換、ミラーボックス交換、メインダイヤル・ユニット交換(接触不良があったらしい)、AFセンサー交換(AFピント精度が落ちてたらしい)でなんと6万7千円かかってしまった。

しかし考えようである。今やこのカメラは新品同様である。CANONから戻ってきてすぐにCanon EOS Degital Infoでシャッター回数をみてみたら191回!

当たり前だが嬉しいものだ。当初買った中古の値段とこの修理代を足して新品機を買ったんだと思えば納得は行くように感じた。(ちょっとした汚れや曇りが気になるマニアックなアマチュアではないので)

逆に中古機を買うときは最初からオーバーホールに出して新品同様にした時の追加コストを考えて手を出したら良いと言うことになりそうだ。 今回の修理で思ったが、いずれ部品保管期限が来て修理不能機種になるのだから、その直前には必ずオーバーホールに出して必要な部品は交換しておくべきだ。


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