タイムラプスいろいろ

タイムラプス映像への飽くなき追求


タイムラプス・フォトグラファー 岡 浩一郎
www.skypix.jp

一眼レフとシャッター回数

2021年06月28日 | 日記

一眼レフカメラはシャッターを切る際の稼働部品が多く、シャッター寿命には気を配らなければならない。CANON製品の場合機種により異なりますが、強靭な1DXMKⅢの50万回と言うのもあるが大体10万~15万回となっている。シャッター寿命になると突如シャッターが正常に動作しなくなる。(多くの場合液晶パネルにErrと言うエラー表示が出て反応しなくなるらしい) しかし実際何回まで正常に動作するかは人間の平均寿命に対する実寿命の幅以上に広いようで、15万回とされている機種でも10万回でトラブルが起きる場合もあれば、20万回を超えても平気で動作しているものもある。

おそらくであるが、想像するに規定された回数を超えても動作する事の方が圧倒的に多いのではないだろうか。ただし規定回数を超えるとそこからはいつブチ壊れても全く不思議でないしメーカーとしては責任持たないよと言うことだ。次の瞬間突然使えなくなるなんて、趣味で使っているのならいいが、仕事で使っているとなると「寿命だ」では済まない。私が通常のタイムラプス撮影で使っているのはNIKONのD850やミラーレスのZ7であるが、これらは強靭な20万回機だし、撮影枚数も毎日毎日終日撮りまくるわけではないので全く心配するに及ばない。

問題は超長期撮影システムに使っているCANON機だ。システム上の要請からCANON機が必要となるのだが多くの場合EOS 5DMKⅢを使っている。シャッター耐久回数は15万回だ。一方超長期撮影システムは建築現場や農園で数か月から時には2年間近く撮影を継続するので、あっと言う間に撮影枚数は万のオーダーになってしまうのだ。もし期間の途中でシャッターが動作しなくなったら、新しいカメラと交換するしかないのだが、同ポジションを出すのに死ぬほど苦労することになるだろう。特に広角レンズを使うことが多いので画像周辺部は相対的に大きく流れるのでカメラの設置角度の影響が大きく反映される。

これらのシステムに新品のカメラを使用するにしろ、中古機を使用するにしろ、シャッター回数の測定は不可欠だ。おすすめはフリーソフトのCanon EOS Degital Infoを利用することだ。 (https://sourceforge.net/projects/canon-eos-digital-info/)

他にも類似ソフトがいくつかあるが、海外製の有料の物もあるので要注意だ。 私は中古カメラも数多く購入した経験がある。(ちっとも自慢できる話ではないのだが)ヤフオクが最も一般的であろうが、経験上一眼レフの購入に関しては絶対鉄則にしていることがある。それは「ショット回数が不明なカメラには絶対に手を出さない」である。

事実10万円以上の落札価格で入手したEOS5DMKⅢのシャッター回数を測定してみたら何と耐久回数をはるかに超えた168,000回だったと言うことがあった。これはもうほとんど詐欺のレベルである。大体一眼レフを売るんだったらフリーソフトがあるんだからシャッター回数を測定して明らかに示すべきだ。これをあえて触れずに売り飛ばすなどは人間としての誠意を疑う。中古車を製造年式も走行距離も不明のまま(あるいはごまかして)売るなんてあり得ないだろう。

この168,000回のカメラは使いようがなく長い間放置保管していたが、先日仕方なくCANONあんしんメンテのオーバーホールに出してみた。 その結果シャッターユニット交換、ミラーボックス交換、メインダイヤル・ユニット交換(接触不良があったらしい)、AFセンサー交換(AFピント精度が落ちてたらしい)でなんと6万7千円かかってしまった。

しかし考えようである。今やこのカメラは新品同様である。CANONから戻ってきてすぐにCanon EOS Degital Infoでシャッター回数をみてみたら191回!

当たり前だが嬉しいものだ。当初買った中古の値段とこの修理代を足して新品機を買ったんだと思えば納得は行くように感じた。(ちょっとした汚れや曇りが気になるマニアックなアマチュアではないので)

逆に中古機を買うときは最初からオーバーホールに出して新品同様にした時の追加コストを考えて手を出したら良いと言うことになりそうだ。 今回の修理で思ったが、いずれ部品保管期限が来て修理不能機種になるのだから、その直前には必ずオーバーホールに出して必要な部品は交換しておくべきだ。


私を惹きつける民主主義時代のミャンマー

2021年04月01日 | 日記

今、軍のクーデターで大混乱になっているミャンマーは近世において本当に混乱の時代を生き抜いてきた国です。11世紀以降、常に多数の民族と王朝の戦乱が繰り返され、1852年以降は英国の侵略があって第二次世界大戦後までは抑圧と混乱の時代を経験しました。その後も国内の政乱は続き、1962年からは25年間にわたる社会主義の時代を経験します。社会主義時代を終わらせたのは軍部のクーデターでそれにより22年間にわたる軍事政権時代を迎えます。

それが2010年にやっと民主主義政権が誕生し、世界中が新しいミャンマーに注目したくさんの国々が投資も積極的に始め、ミャンマーは大きく成長しました。しかしその民主主義政権も今年の2月、再度の軍部のクーデターで終わりを告げたのです。わずか10年間の自由だったのです。

私が最初にミャンマーを訪れたのは軍政時代の2003年でした。当時は軍が実権を握っていたとは言え、国民はそれなりに平穏に暮らしていたように思います。しかし一度軍政を離れ、民主主義の尊さを体験した国民は、今回のクーデターには敢然と拒否の姿勢を示して闘いを挑んでいる状況にあります。

私は民主主義時代のまっさ中であった2016年と2017年にミャンマーに撮影にでかけ、全国を車で5,000Km走破しながらタイムラプスでその素朴で美しい現実離れした世界を作品に描きました。今となっては大変貴重な映像になりました。 これをご覧になれば如何にミャンマーが魅力あふれる平和で仏教の世界に深く染まった世界であるかがお分かりになると思います。

国民の9割を占める仏教徒は、仏教僧や仏像を崇拝し、日々の生活は頭から足の先まで仏教の世界に浸っているようです。どこの街や村に行っても、寺院からは一日中(時によっては一晩中)スピーカーから仏教僧が唱えるお経が流れています。人々は仏教僧のご飯(托鉢)を作り、敬い、来世の幸せを祈ります。どんなに貧しい人でもお寺を訪問するときには入口でわずかばかりのお金であっても記名・寄進することを忘れません。若い女性に何を書いたのか尋ねたら親の名前を書いたと話していたのが忘れられません。功徳を積むことに人生の重きを置いているその純粋な姿には胸を打たれます。

この映像から少しでも多くの方がミャンマーの魅力を知り、その自由と平和のために祈りを捧げてくれることを心より祈ります。

 

【4Kタイムラプス】Myanmar in the Freedom(ミャンマー民主主義時代の素顔) from Koichiro Oka on Vimeo.


音楽も映像もアートするって事は・・・

2021年02月14日 | 日記

2回目の東京オリンピックを控えて色々な問題が惹き起っている中、1964年の第一回東京オリンピックを知っている世代の私は、57年振りに聴いた古関裕而の作曲オリンピック・マーチを聴いてみて身体中の毛穴が開き武者震いがしました。本当に懐かしさも手伝って身体中にエネルギーがみなぎりました!素晴らしい名曲と素晴らしく輝かしい思い出!

それがきっかけで、YouTubeで色々なオリンピック・マーチの演奏を聴いてみました。多くは自衛隊です。一口に自衛隊と言っても色々な地方の自衛隊の色々な音楽隊があってひとつや二つでないことはすぐにわかりました。 しかし、しかしです。素晴らしい演奏もあれば、指揮者がただダンスを指揮台で踊っているだけの目を覆いたくなる物もたくさんあってびっくりしました。個別に具体的にどの音楽隊と評価するのは避けますが、以下はいくつか拾い出した自衛隊の音楽隊の演奏映像に対する私の評価です。具体的な楽隊名や演奏動画URLは誹謗中傷にも成りかねませんので示しませんが、こんなのがあったと言うことです。

 

1.自衛隊の演奏会。実際にマーチさせながら演奏している為、テンポ(速度)が凄く正しくていいですね。

2.この自衛隊は演奏会でも見事な演奏!素晴らしい音の重厚感。小太鼓叩いている女性自衛官の無機質な表情が印象的(笑)曲の盛り上がりも見事ですね。この小さな編成を感じさせない演奏です。

3.この自衛隊、特に指揮者がなんだ?!ひどすぎる! 自意識過剰、ダンスを踊ってる。私が中学生時代にブラスバンド部の指揮者をしていたが、その時に顧問の音楽の先生に「岡君、自分が踊るな!」って怒られたのを思い出します。おまけにこの指揮者まるでテンポも合ってない。演奏者は勝手に演奏している感じ(笑) ちゃんと音大で指揮法を勉強してきた人が指揮者になってるわけではないんだね、自衛隊は。

4.この自衛隊の指揮者もひどい!ダンスを踊ってる。よくこんな指揮で最初のファンファーレが吹けてるなぁと思ったが、よく見ると演奏者は指揮者を見ていない(笑)途中でテンポがつかめない指揮をなんどもしているが、それが演奏に出ています。音が全員バラバラです。ばらけてる。だからインパクトが弱い。音を外している楽員もいる。

5.この自衛隊もひどい! まずもってテンポが遅すぎますね。これでは行進できません! 眠たくなるけだるいマーチ!

6.自衛隊には指揮者はいらない。 この指揮者は何してる?テンポ全部外れてるし。これだけの大編成の楽団の楽団員を誉めたい!指揮者を完全に無視して一致団結で演奏は見事(笑)

 

こんな中で出逢った演奏がこれです!

2019年8月16日に大阪城音楽堂で開催された「たそがれコンサート2019」です。演奏はオオサカ・シオン・ウインド・オーケストラで指揮は和田一樹さん。

素晴らしいのひとことに尽きますね!特にこの指揮者が凄い!この人の音楽性が良く全員を引っ張っているのが良くわかる。私がこの曲で惹き起こされる感情の吹き出しを、見事にこの和田さんは引き出しています。これぞ本当の指揮者だと思います。

 

 

素晴らしい!オートリピートにして何度聴いても飽きませんね。

しかし、音楽って映像と同じですね! 如何に視聴者の感動を惹き起こすかです。タイムラプス撮影を始めた当初は珍しい映像とかタイムラプスならではシーンを追及していたと思います。もちろんそれはそれでいいのですが、それでは本当の感動を呼ぶ作品は作れません。意外性と新鮮味と驚きだけでは。

今や、タイムラプスに限らず動画は世の中に溢れかえっています。「オリンピック・マーチ」と言う音楽分野で極めて特定された限られたものですら、YouTubeを探ればいくらでも出てきます。でもそんな中で本当に心を打つのは限られているのです。音楽や映像に人々が感じることができるときめきや高揚感をどれだけ織り込むことができるか。それがアートをすると言うことなのだと思いました。

 

 

 

 

 

 


ミャンマー全国走破5,000Kmの旅 ~絶景を求めて~

2021年02月05日 | 日記

2016年と2017年の2回にわたりミャンマーを訪れてレンタカーでミャンマー全土を合計5,000Km走破してタイムラプス撮影を行いました。 いくつかの編に分けて作品化して公開していましたが、この度それらを1本にまとめて再編集したリメイク版を制作し公開しました。

折しもミャンマーでは軍事クーデターが発生し、2011年にそれまでの軍事独裁政権から民主主義を獲得したばかりでしたが、再び暗黒の軍政に戻ったことは悲しいの一言に尽きます。ミャンマー人の生活は大変貧しいのですが、その敬虔な仏教への崇拝姿勢と生き方の純粋さには心から感銘します。そしてその心の美しさはこの仏教文化に溢れた姿を見て頂ければ必ずやお分かり頂けると思います。こんな今だからこそ、私はそのリメイク版を制作して世界中の人達にミャンマーの素晴らしさを知ってもらおうと思いました。そしてミャンマー人達が平和に暮らせるように願って頂けることを心より祈っています。

 

ミャンマー全国走破5,000Kmの旅 ~絶景を求めて~ A 5,000Km road trip across Myanmar - Looking for the Best Views - from Koichiro Oka on Vimeo.

私が初めてミャンマーを訪れたのは銀行勤務時代、担当国であったミャンマーに出張訪問した軍政時代の2003年でした。私が胸を打たれたのがヤンゴンの駐在員事務所の若いミャンマー人女性行員が、取引先の金融機関に私と同道する合間に立ち寄ってくれた幾つかの寺院ででした。 冷たい石やタイルで覆われた寺院内の床には全員がサンダルを脱いで裸足になって歩きます。彼女は他のミャンマー人がそうするように仏像の前でピタッと前に伏せて上半身をすべて冷たい床にさらすようにしてお祈りを捧げていました。私が感動したのは、すべての寺院の中で彼女は必ずお金を払ってノートに何か書いていたことです。何をしているのか尋ねたら、寄進をしているのだといいます。そして寄進者の名前として両親の名前を寄進帳に記していたのです。 なんと言う美しい心なんでしょうか。

仏教の教えでは生き物は輪廻転生を繰り返します。そしてこの現世で徳を沢山積めば来世で幸せになれると説いています。ミャンマーの人たちはこの教えが体に染みついていて、つねに人に親切で施しを重ねて生きているのです。先進国から来た私にしてみれば、施しをしなければならないのは私の方なのに、そんな彼らが私に対して何でも尽くしてくれようとするのです。

私はミャンマーのほぼ全土をミャンマー人から借りた車で走破しました。北の山岳地帯や中国との国境地帯とか外国人が立ち入れない地域はのぞいて目ぼしい所はすべて訪れました。 ミャンマーは街中だろうと郊外だろうと北だろうと南だろうと、すべて同じです。行き当たるところに寺院や仏像があり、遺跡があり、寺院の拡声器から昼夜問わずお経が流れています。すべてが仏教の世界なのです。

貧しさは日本からは想像できません。田舎の茶店でトイレを借りれば、水たまりのような池の上に張り巡らされた幅30cm余りの板の橋を落ちないようにあるいてたどり着いたトイレの中には便器はなく、ただ穴の開いた床板の下に池が見えます。トイレットペーパーはなく、横においた洗面器の水を手ですくってお尻を洗い、その手をまたその水で洗います。 市場に行くと地面に置いたバケツやタライの中に魚をいれて売っていますが、その魚の表面がよく見えないほど数百匹のハエがうじゃうじゃとたかっているのです。もっともあの気温ではハエがたかってなくても腐っているに違いありません。

普通だったらそんな貧しく不衛生な所に何の魅力も感じるはずないのですが、ミャンマーの仏教世界とそこに住む人々の敬虔な姿とピュアーな心には、それを押しても強く惹き付けられる魅力が溢れているのです。

 


音楽における「1/fゆらぎ」の実証

2020年09月10日 | 日記

はじめに

「1/fゆらぎ」はそれを見たり聞いたりする人が最も心地良く感じ、リラックスし、癒されるという、音楽や静止画や動画に現れる特定の周期の変化(ゆらぎ)の事を言います。セラピーへの関心の高まりと共に近年益々注目されているものです。

「1/fゆらぎ」そのものの解説はいくつかの研究者により詳細な分析と検討がされていますので、それらをご参照いただくとして、ここではごく簡単にわかりやすく嚙み砕いた説明をさせて頂きます。 人間が心地良さを感じる知覚には視覚と聴覚がありますので、これは静止画(写真)、動画、音楽にかかわる話となります。 動画写真家である私の関心は職業柄「動画」にあるのですが、まずはとっつきやすそうな音楽から実証して理解を深めることにしました。

 

「1/fゆらぎ」とは

まず音(音楽)について考えなければならない最初の入り口は、すべての音は多数の音程(周波数)の音が混ざったものであると言う事です。 科学的には実際に測定した音(音楽)の不規則な波形を数学的に分解すると規則性のある複数の周波数の音に分解されることで証明できます。

問題はこの分解された複数の周波数の音の構成とひとつの曲の中で展開される変化(ゆらぎの周波数)なのです。 最も単純な音は、「ポ~」という時報のような音で一般に正弦波と呼ばれるものです。一つの純粋な周波数だけの音です。この音は一定なのでゆらぎがまったくありません。(ゆらぎの周波数ゼロ) 一方最も複雑な音は「ザ~」という、FM放送や昔のTVのアナログ放送での空きチャンネルで流れるうるさい音(ホワイト・ノイズ)です。一定に留まる音成分は無く(ゆらぎの周波数無限大)、それらが無限に交錯していると言える状態です。

人間が最も心地よく感じる音の変化はこのふたつの音のちょうど真ん中だそうで、それが「1/fゆらぎ」と呼ばれています。ひとことで言うと音の大きさ(パワー・スペクトラム)と高低に散らばったゆらぎの周波数の分布状態が反比例(ゆらぎの周波数が高いほど音量は反比例して下がる)になる状況です。反比例なので数式で「1/f」(fは周波数を表す)と呼んでいるのです。 別の見方をすると、規則正しい正弦波と最大不規則なホワイト・ノイズの間にあるこの音の変化は、「一定の規則性を包含しつつ、同時に適度な不規則性を混在している音の変化」と言うことができます。

*「ゆらぎの周波数」とは音自体の持つ周波数(音程)ではなく、それらが曲の進行の中で変化する繰り返し周波数です。(わかりにくければ読み飛ばして頂いて差支えありません)

 

どうしたら客観的に測定できるのか

「1/fゆらぎ」自体は数学的に明確に定義されていますので、それをソフトウエアで数学的に分析する事は簡単にできます。簡単とは言っても実際にひとつの音楽から音をサンプリング(摘出)して音程(周波数)に変換する際に、たくさんの楽器や声が混ざっている状況で正確に適正に分析するとなると実はかなり奥が深く、とても簡単とはいえるものではないことがわかります。ただ、学術的に極めようとするのではなく、ひとつの傾向を掴もうとするのであれば、すでに開発されているソフトウエア(フリーソフトもいくつかあります)でかなり役に立つ分析が可能なことがわかりました。

私もいくつかのソフトウエアを試してみましたが、一番現実的でかつ分析手法など詳細に解説されていて研究者にとっても信頼性と有用性が高いLogical Arts研究所の「ゆらぎアナライザー」を使用して実証実験をしてみることにしました。

測定結果は1.0を中心にした係数で表され、1.0がまさに反比例の「1/fゆらぎ」に一致しており、それより大でも小でも乖離するほど「1/fゆらぎ」から遠ざかることになります。 一般的には0.9~1.1の範囲内であればまずまず「1/fゆらぎ」に近いと考えていいようです。 この係数が1.0より大きいというのはゆらぎの変化が小さ過ぎてより正弦波に近いことを意味し、1.0より小さいというのはゆらぎの変化が大きすぎてよりホワイト・ノイズに近いことを意味します。

 

測定結果

私は色々な曲を(各ジャンル均一に選択したわけではありません)96曲測定してみました。

測定結果値が1.0の場合完全な[1/fゆらぎ」になります。したがって大でも小でも1.0から離れるに従って理想から遠ざかっていきます。つまり乖離値が小さい程理想の「1/fゆらぎ」に近いと言うことになります。

1.0からの乖離幅が0.01以下(測定値0.99~1.01)は特に注目しました。まず文句なしの「1/fゆらぎ」と言えるでしょう。乖離幅が0.02以下と、0.05以下(測定値0.95~1.05)も色分けしてありますが、十分に「1/fゆらぎ」に近いといえる値です。 乖離幅が0.1を超える測定値0.9以下および1.1以上は論外として色付けしていません。

 

 

1. まず、自分のカラオケを録音したファイル50数本がPCに保存してあったので、それを試してみました。

2. 自分のカラオケでもっとも大切にしている歌が2つあります。ひとつがフランク永井の「おまえに」、もうひとつが布施明の「マイ・ウェイ」です。この2つの歌は自分の30年間にわたるカラオケ歴史の最初と終わりのようなものです。 「おまえに」は8トラック・カートリッジ・テープでカラオケ音楽が流れるスナックの片隅のステージで歌詞本を見ながら歌う時代に、初めて熱唱した歌です。歌い込み量は半端なく完全に自分の歌になっています。 一方マイ・ウェイは、30年間没頭してきたカラオケの世界で最後にたどり着いたマイ・ベスト・ソングです。この歌が自分の人生のすべてを歌っていると感動する、自分のカラオケの終着駅です。

3.驚いたのはこの「おまえに」と「マイウェイ」が他の50数曲を圧倒して1/fゆらぎ曲線との乖離誤差が極めて少なかった(理想曲線1.0に対し乖離0.02以内)ことです。 どちらも自分のカラオケ人生で最も自分を惹きつけ支配してきた曲であるだけに、やはりそれだけの歌だったのだと感慨深いものがありました。

4.次に手持ちのCDで色々と試してみることにしました。

5. 前評判の高かったべートーベンの「運命」やモーツアルトは確かにスコアは高かった(1/fに近い)が、特に抜きんでるほどではありませんでした。 色々なCDで最も驚きを感じたのはあの有名な韓国ドラマ「冬のソナタ」と「秋の童話」の効果曲で、その突出した高いスコアには鳥肌が立ちました。この測定結果の上位を埋め尽くす様子を見てください。  この2つのドラマはDVDでも何度も見ていますが、あのいくつかある効果曲(歌)が流れてくると本当に体中が締め付けられ自分の中から感情というものが絞り出される感じがして、気が付くと涙が込み上げて来ます。果たしてそれらは1/fゆらぎのせいであったのです。  それにしてもさすが「感情の国民」、韓国人の作った音楽です。日本人には絶対まねできないと思います。

6.意外と言えばスペインのフラメンコです。これはタブラオという酒場で10人くらいの舞踏演奏団が踊って床を踏み鳴らし手を叩きギターを奏でながら歌う哀愁に満ちた音楽です。自分はスペイン留学時代にタブラオでこれにはまって夜9時開演から朝3時看板まで舞台かぶりつきで熱狂していました。ジプシーによって広められたこれらの歌は悲しい哀愁を帯びていながら感情のボルテージは極めて高い特徴的なもので、共鳴をする者を本当に虜にしてしまうのです。とは言ってもあの激しい音楽が全く曲風や感性の異なる前述の韓国ドラマの効果曲とならんでトップスコアグループに参入するとは思いませんでした。 「1/fゆらぎ」とは、癒し=おだやかな静かな曲とは限らないようです。人を共鳴する力なのかもしれません。

7.ちなみにこの実験で、自分のカラオケや実際の歌手の歌をごったにして計測しましたが、歌い手のうまい下手は必ずしも測定結果に直接的には反映していないように思えます。 例えば第3位となった「白い恋人たち」は私の妻が習いたてのころ発表会で演奏したたどたどしいエレクトーン演奏の録音です。ところが有名オーケストラが演奏した同じ曲のCDもほんのわずかな違いでトップ・グループに並びました。声にしろ楽器の演奏にしろ、瞬間の音程(周波数)を切り出して、曲全体の中でのその周波数の変化を捉えているからだと思います。声の質や歌い方は直接的には関係はしていないと思われます。忠実にメロディの進行を追跡して分析しているようです。

 

おわりに

最初は「1/fゆらぎ」って言うけど本当にそんなものが客観的に存在するのだろうかと半信半疑でした。しかしもしそんなものが存在して、更にそれが数値化して測定できるとしたら、それは凄いことだと思いました。つまり人間の感性に訴える作品を創るときに逆にそれを活かせるのではないかと思ったからです。

サンプルに使った曲は全てのジャンルを網羅しているわけではないし、また分析の仕方も測定値、すなわちグラフ(パワースペクトラムと周波数の対数グラフ)の傾きのみを注視しているので、周波数によるパワースペクトラムの直線性の評価はしていません。しかし、これだけで十分信頼に足る結果を得れたものと確信しています。

当初の疑いは全く不要でした。そして誤差はあるとしても定量的に測定できることがわかりました。 こうなってくると私の関心事は静止画や動画など視覚に訴える物の「1/fゆらぎ」です。 ここでの実証は動画作品を完成させるときのBGM選びに大いに生かせると思います。

 

 


映像作品のBGMを自然から収録する

2020年05月03日 | 日記

今まで数多くのタイムラプス作品を制作して来ましたが、BGMは風景とマッチする音楽を探して来て出来る限りシンクロするように編集して作品を完成させて来ました。曲想と描きたい風景がマッチすると作品としての訴求力は大きく拡大し観る者の感情に深く刻まれます。映像作品の中でも特に動画は視覚と聴覚の合体したものであり、これは効果的なBGMを伴った作品の音声をカットして観てみればその物足りなさに驚くことからもすぐにわかります。

しかしこのBGMについては全く葛藤がない訳ではありません。

第一に音楽は「自分で作れない」と言う致命的な問題点です。ミュージシャンと呼ばれる方々はDTM(MIDIなどで音源を自由に操り自らの曲想で演奏して作曲する)でオリジナルのBGMを創作できますが、そうでない限り「他人様が作曲した数多くの音源の中から探し出して妥協する」と言う事になります。100%自分の意にぴったり合ったものに出会うのは不可能であり、どこかで妥協するしかありません。また公開するとなると必ずしも多くないフリーの音源から探さなければならないと言う厳しい制約があったり、ライセンス料を払うとなると選択肢は益々狭くなってしまいます。

第二に撮影現場で自然と向かい合っている時にはそこには音楽は流れていません。それなのにそこではその環境と景観に感動するからこそ撮影しようと思うわけです。このことは逆に言うとBGMをつけてしまうと、実際に撮影現場で五感に受ける空気のような感動を塗りつぶしてしまっているのではないかと思う事です。それでも良いBGMをつけて観た者が感動できればそれはそれで良いと思います。しかし私には何か大切な物を殺してしまっているのではないかとの思いがいつもありました。

例えば最近撮影したパラオの作品ではタイムラプスの他にビデオも多用しましたが、実にマッチしたBGMに出会いました。どうしてもこれだ!との思いが捨てられず高いライセンス料を支払って曲の使用権を購入しました。結果はとても満足すべき物でした。本当にこの曲を作って下さった作曲者には感謝の気持ちが一杯です。しかし、です。いくら良くてもあの時あの場で感じた世界一美しいと言われる珊瑚礁での潮の囁きや潮の香り木々のざわめきも何も聞こえてこないことにとてつもない違和感と距離感を感じるのです。わかりやすく表現すると、自分はここ日本にいてそこからパラオを覗いているのです。これはもどかしいです。自分がパラオにいてそこでパラオを見ている・感じているそんな作品であって欲しいのです。

私は「自然の中に自然の音楽が流れているんだ」とその時初めて気が付きました。

これがきっかけで今、収音に関心を高め、色々な録音機材に手を出し始める事になったのです。

前記事でビデオ撮影機材としてガンマイクやフィールド・マイクミサー等を調達した事をご紹介しました。ビデオ撮影時はどのようなマイクの使い方をするにしても最終はミキシング後ビデオカメラにブチ込めばいいので、それだけでなんとかなるのですが、タイムラプス撮影やビデオでのスロー撮影など非リアルタイム系の映像は別途録音する必要があります。そこでPCMレコーダーを導入することにしました。PCMレコーダーも会議の記録録音用から業務用の音楽録音用のものまでピンキリですが、ミキサーなどの外部機器との接続の為のXLR端子があり、24ビット192KHzでの録音ができる、操作性が良く練られ考えられているTASCAMのDR-100MKlllを調達しました。

 

      (写真は同社HPより転載)

 

このPCMレコーダーは内蔵リチウムバッテリーと単三アルカリ乾電池2本との併用(切替)が可能、内蔵マイクはLチャンネルとRチャンネルにそれぞれ無指向性と単一指向性マイク2本ずつあり、外部ライン入力と3つを自由に切替する事が可能です。遠征時など他の外部機器の使用が難しい時、これはありがたいです。

外部ライン入力のXRL端子にはファントム電源スイッチがあり、ファントム電源を必要とするコンデンサーマイクを直接接続することも可能です。S/N比は109dB、リミッターやフィルター類も充実しています。その他直接スピーカー内蔵でその場ですぐに録音内容が確認できたり、現場での必要とされるあらゆる細かい機能が用意されていてすっかり気に入ってしまいました。細かいことですがストラップが取り付けられるようになっているのを見て、さすが永い間ユーザーの声を取り入れて練り上げられて来たTASCAM製品だと思いました。

 

 

 

 

 


ビデオ機材の投入~ビデオの世界へ

2020年05月01日 | 日記

昨年末のパラオの遠征撮影は私自身にとってひとつの大きな転機であったと思います。 国内全国各地、スペイン、ミャンマーへの遠征撮影、また長野県小海町の密着1年間の撮影などを通し、タイムラプスはある意味本当に撮り尽くしたとの達成感があった事が手伝い、パラオではタイムラプスやドローン・ビデオに加え、セスナからの空撮ビデオやスノーケリングでの水中撮影と言った初めての試みに夢中になりました。

その結果、出来上がった作品は今までの私の作品の中では斬新なものとなりました。そしてそこには新しい表現の基軸が生まれていることに気が付きました。「ヒーリングとリラクゼーション」です。今までタイムラプスを通して私が向かい合ってきた自然は私に何を語っていたのか、初めて気が付いたのかもしれません。それを浮き彫りにして、分からせてくれたのがビデオ映像だったのではないかと思います。

タイミングとは面白いもので、そう思っていた矢先、長野県小海町から今年はビデオで「小海の人」をテーマにビデオを撮影してもらえないかとのお話を頂きました。渡りに舟ではないですが、これも「天の声」だと思い、ビデオ機材に手を出し始めることになりました。実は最初はNIKON Z7を使ってビデオ撮影をしようと考えて周辺機器を整備し始めたのですが、ここの所テレビ局からのタイムラプス撮影依頼が多く、ロケ現場でのビデオ撮影部隊と一緒になったりしてカメラマンや音声さんたちの機材や撮影を頻繁に拝見するに至り、気持ちが大きく変わりました。やる以上は本格的に取り組もうと考えるようになったのです。

いきなり新品機材にはさすがに手が出せないので、中古機材も探しました。

まずはビデオカメラです。肩乗せ式のカメラは高性能ですが、本体はもとよりレンズは目の玉が飛び出るほど高価なシネレンズを使っているし、またワンマン・オペで振り回せるものではありません。その下の現場取材などで良く使われるクラスのものにしました。 SONY製の4K60Pと決めてましたので、FDR-AX1を選択しました。 4K60Pでビットレートは150Mbpsとなかなか頼りになりそうな仕様です。NDフィルター内蔵で、レンズはF1.6~3.4、fは35mmカメラ換算で31.5mm~630mmと文句なしです。

 

さっそく7インチの外部モニターを購入しましたが、本体の液晶とは雲泥の差で見やすくなりました。明るくクリアーで細部まで明瞭に生々しくモニターできます。長いホットシュー延長アングルを取り付けて一番前にはLEDライト、またモニターの手前側にはワイヤレス受信機(後述)を取り付けてあります。 外部マイクホルダーにはステレオ・マイク(SONY ECM-MS2)とガンマイク(SONY ECM-VG1)のどちらかを取り付けるようにマイクを2本購入しました。

写真はガンマイクECM-VG1が取り付けられた所です。

 

ビデオカメラマンの井出達ができたところで、私としてはどうしても音声さんが気になります。ロケ現場で3m近くも延びるロッドの先にガンマイクをぶら下げて耳にはヘッドフォン、首から下げたバッグにはマイクミキサーの井出達です。幸いな事に学生時代の同級生で永年音声さんを務めて」いた友人がいますので色々教えて貰う事ができました。

ロッドの先に取り付けるガンマイクは日本ではゼンハイザーが伝説のマイクとなっているが、実際の所これで十分だと勧められたのがSONY ECM-670でした。ロッドは最長3mの3段伸縮のカーボン製で、マイクホルダーには人気の高いRode製にしました。 このホルダーはロッドから外すとそれ自体がグリップ付きのフォルダーになっているので手持ちマイクで収録する時は重宝しそうです。

 

ビデオカメラから離れて集音するとなるとビデオカメラに音声を送り込む前に音源をミキシングしたりレベル調整したりする為にマイクミキサーが必要になります。運よく大変程度の良いSHUREのFP33を手に入れることができました。これは頼りになりそうです。

 

SONYのワイヤレス送受信機です。これはミキサー側に送信機、前掲のビデオカメラの写真の様にカメラ側に受信機を取り付けて、ミキサー出力をカメラに送り込む時に大変便利です。またワンマンオペの時は遠隔マイク(ガンマイクなど)からワイヤレスで音を飛ばして撮影するなどのオペレーションも可能です。もちろんミキサー側に受信機をつけて、送信機はピンマイクと共にインタビューワーに持たせるなど色々な使い途があります。

 

とりあえずこのビデオカメラの簡単なテスト撮影をしてみました。4Kに拡大してご覧下さい。

 

 

まずは最初にど~んと枝垂れ桜の全体像ですがそのクリアーさには目を見張るものがあります。(4K 60P 150Mbpsビットレート) 今までDSLRで撮影した4Kビデオと画質にかなりの差を感じました。

最初に軽くパンをしましたが、60Pのおかげでこの程度のパンなら絵飛びはほとんど抑えられています。

続いて思いっきり最大ズームにしています。 ここでの注目はオートフォーカスの追従性です。そもそも桜の枝なんて細いし沢山の枝が複雑に前後にも入り組んでいてオートフォーカスは苦手な対象ですが・・・素晴らしい追従性です。そもそもが焦点移動のないビデオズームレンズであることに加えてビデオカメラ特有のAF能力が相まっています。迷いがないですね。

そのあとは思い切ってパンとかで移動させています。絵は思いっきり飛びます。この時は35mm換算で630mmの望遠ですから。(笑)それでもあえてこの望遠(35mmカメラ換算630mm)で移動を止めた時の反応を見ています。

カメラも振らないし、ズームも変化させないで風景を固定撮影するのであればDSLRでも不自由はしませんが、画面にビデオとして変化をつけようとしたらやはりビデオカメラの独壇場ですね。

 

唯一の問題は、一人で海外遠征撮影の時にこのカメラを持って行くのはかなり辛いです。(笑)

 

なお、ビデオ撮影の体制を整えましたが、もちろんタイムラプスとの統合作品を展望しての事です。 タイムラプスだけの映像作品はさすがに撮り尽くした感があり、この機会に新たな世界に拡げたいと考えています。

 

 

 


熱く燃え尽きたパラオ遠征2週間!

2019年12月13日 | 日記

2019年11月20日、2週間のパラオ遠征に出発しました。フィジーの在住経験から自分の活動軸は熱帯にあると確信していた私は、グーグルアースで地球上を隈なく検索し、間違いなく世界一美しい大規模な珊瑚礁の国パラオを遠征地に選びました。以下はその遠征の旅の手記です。 日記ですから書きたい事だらだらと書いています。 ご了承下さい。

 

【1日目】

グアムの手前一時間くらいの太平洋のど真ん中に無人島が。あそこに一人で降りていったら星が綺麗だろうなぁなどと考えると気後れがします。 空が濃い! 高度は10Kmちょっとだけど、ISSはこの3-40倍も高いんだーと思いながら見てました。 グアム経由のユナイテッド航空でパラオのコロール空港を目指します。

 

【2日目】

昨晩到着して(グアムから3時間近くかかりました。)降りたら、ム~~~!!! 懐かしい熱帯のウルトラ湿度と熱気! 朝は街中ににわとりの雄たけびが響いて・・・7年前のフィジーにタイムマシンで戻ったようで滅茶苦茶懐かしい想いに襲われました。 

今日は初日なのでツアー会社との打ち合わせや、政府ビルに行って許可証の相談とかで大忙し。レンタカーを借りました。こっちの天気は26度から30度の間(一年中昼も夜も)で一日の天気もワイルドに変わります。まさに熱帯雨林性気候です。短パンにブラシャツにサンダルと言うフィジーと同じいでたちで歩いているとあの頃の自分に戻ったような気がします。現地人も黒くてたくましくて太っててここはフィジーじゃないのか?って思う瞬間がたくさんあります。

ツアー会社と相談しているうちにやっと自然体で滞在スケジュールが固まりました。日本にいる間は実は細かい計画はわからない不確定要素が多くてギブアップしてたのですが、2時間くらいかけてやっと正解が並びました。 明日はセスナに乗って空撮映像撮りながら全体像把握。 25日には29フィートボートをチャーターして人の来ない上陸できる小島で撮影、28日からはカープ島という一泊して離島のバンガローハウスで撮影。 12月2日だけは北のシュノーケリングに最適な場所でのツアーに(これだけはツアーに参加します)参加してスノーケリングしてオズモで水中ビデオ撮影をします。 これで大所は抑えたのであとは何を間に入れるかです。

政府の許可ですがドローンは商用でなくても必要でしたので無駄になりませんでした。州の撮影許可は今回はスポンサーが決まってないので、趣味撮影ということにしてもらいました。そのかわりHPでその映像を公開することに理解をもらえました。 観光名所では撮影や特にドローン飛ばしているとすぐにレンジャーが駆けつけてきて制止したり罰金切符を切ったりうるさいそうですが、今回は堂々と話を正直にして逆にこの男は趣味での撮影をしていると言う「許可証」を発行してもらいました。即日ガバナー(環境庁長官みたいなひと)のサイン入りでもらえました!まさに免罪符です!!

とりあえず今日は初日なので環境を順化かねて準備で終わりました。詰まってたもの最低限今吐き出したので、これから飲みにいくぞ~~(笑)

初レポート画像が食べ物とは・・・。タバコ吸ってた通行人に聞いてタバコ吸いながら飲み食いできるレストランを発見しました。大好きなタイフードです!女の子もタイ人。トムヤン鍋でとにかくスタート祝を。

ところでタバコと言えば本当に苦労しています。 電子タバコなんて売ってないし、そもそもパラオは持ち込みは一箱だけ!(普通はどの国行ったって1カートンですよね)つまり普通のタバコを吸うしかないのです。もう一年以上「健康な」電子タバコに慣れきっていて普通のタバコは臭くて辛くて苦しくて・・・なんで昔こんなもん吸ってたんだろうと不思議です。 電子タバコなら汚さないし臭くないのでホテルの部屋が禁煙でも全く問題ないのに。 おまけにパラオでは一箱900円くらいです。 その点このパラオの撮影の後立ち寄る予定になっているミャンマーは喫煙天国。 どこでも吸えるし水たばこをぷかぷかやってるひともたくさん。 一方で電子タバコも売られてます。

 

【3日目】

まずパラオの見所である広大なサンゴ礁に囲まれた大小の島々、ロックアイランズの全体像を把握する為にもセスナからの空撮に挑みました。 ドア外しオプション付きセスナをチャーターして1時間ちょっと飛んできました! その美しさに驚愕・圧倒! パラオの見どころの全体像もはっきりわかりました。

ドアの外の翼を支持しているアームに足を機外に出して突っ張りながら撮影。 風がすごいのでカメラを支えるのは至難の業で一時間ダンベルをやり続けた感じで筋肉が死にました。 ビデオカメラマンて大変なんだな~とつくづく・・・。

しかし! 撮影は失敗しました。 露出はOKでしたがオートフォーカスにしたのが敗因。 翼の支持ポールや機体の一部が入りがちなので焦点が無限大にならないことが頻発! 撮影時のモニターではわかりませんでした。 あとやはりかなりの振動でぶれる。 特にカメラをドアより外側に突き出すと猛烈な風でレンズもカメラも潰れてしまうのではないかと思うくらい腕力でふんばらなければならんのですが、そのような状態でカメラを静止させるのはほとんど不可能。 メカニカルの手振れ補正はオンにしておいたのですが、電子手振れは画角が狭くなるリスクがあるのでOFFにしてました。 これはONにすべきだったかもしれません。う~む、もう一度乗るしかないですね。

とりあえず比較的まともなフレームをビデオからスチルキャプチャしたのが下の画像です。 画質はかなり落としてあります。

セスナ182。パイロットは元航空自衛隊ジェット戦闘機パイロット(ブルーインパルス隊員だったそうです)の藤澤さん。素晴らしいパイロットに巡り敢えてなんと幸運!

 

潮が引くと2つの島の間に砂州が現れてつながる人気のスポット、ロングビーチ。

サンゴ礁の巨大な割れ目で深い谷になっているジャーマン・チャンネル。 人気のダイビング・スポット。

今度一泊する予定のカープ島です。 この珊瑚礁の小島が連なるロックアイランズは日帰りツアーの船で往復するしか交通手段がないので、日の出・日没・星空の撮影はこの小さなリゾート島に泊まるしか方法はありません。

ロックアイランズ最大の人気スポット、セブンティアイランドです。 特別自然保護区に指定されていて中に立ち入ることは禁止されています。

これがイノキアイランドです。 アントニオ猪木がパラオでプロレスやったら首長がえらく感激してこの島を自由に使っていいと権利をくれたそうです。(私有は認められていないそうです) そういえば島の形がアントニオ猪木のあごの形に似ているような?

 

【4日目】

今日は雲が多いので再フライトは先にして、ホテルからレンタカーで行けるバベルダオブ島だから大した所はないと思うが、取り敢えず初めなければとタイムラプス撮影を初めました。 バベルダオブ島の最北端まで足を伸ばしました。 バベルダオブ島はパラオ最大の島で空港もここにあります。ジャングルだらけでロックアイランド諸島のようなサンゴぎらぎらの観光地ではありませんが、逆に車で行けるのはここだけなので、もしかしてを求めて探訪です。 

ウユニ塩湖みたい! サンゴ礁が拡がっているため海は極めて浅いので風さえなければ海面は鏡です。 湿度高くて昼間なのにレンズ曇る。フィルターつけるとフィルターとレンズの間が曇る。ブロアーで吹いてもすぐまた曇る!

一応リゾートがあるとツアー会社に聞いていたのでついでに下見してきました。 う~~む、これはギネスものです!!最悪のリゾートとして。 見た目はえ?小さいなぁと思いました。幼稚園か?なんか自然の木で作った遊具や木の上の小屋があるし・・・

なんと、部屋はこのバンガロー

叔母さんの管理人がいたので聞いたら、ベッドとシャワーがあるだけ。飲み水も食事もないし、何も売ってないし、来る人が全部持ってくるのよ!と言ってました~~。 島の東側にあるので日の出撮影にいいかなと期待してたんですが・・・

帰りがけこのビーチのすぐ隣にいい場所を見つけたので、結局このリゾートとは関係なく撮影できそうです。

今日は雲が多く撮影にはかなり苦しい天気でしたがこの先どうなるか保証は何もないので撮れるものはとにかく撮ると言う考えで3か所でタイムラプス撮影をしました。また最初のウユニ塩湖みたいな珊瑚礁海岸でドローンの初飛行を行いました。珊瑚礁って沖のほうでがくんと端があってそこから崖のように深くなり、そこでは水面で白波が立ちます。ドローンだとそこまで飛んで行って見れるのはさすが!です。

 

しかしここはフィジーと同じで美味しい物がない!おまけにフィジー🇫🇯の数倍物価が高い!どの国行ってもエスニック料理に大満足する私だが、熱帯原住民の国は例外です。(笑) 何処もダロイモとキャッサバだけの食文化だからたねぇ。

ところでパラオは大変な親日国家です。唯一の大きなコロール島とバベルダオブ島を結ぶ橋は日本の援助で建設された物でジャパンブリッジと呼ばれています。パラオ語には日本語の単語が沢山使われてます。戦争の名残りですが。驚くのはラジオから日本の歌謡曲や演歌が、熱帯独特のフィジーを思い起こさせるノリノリの曲に混じって流れてくる事です。

当然日本食レストランもある! 田舎モンの海外旅行みたいで恥ずかしい気もするが、我慢出来ず来てしまった。(笑) エンジンはやっとかかった感じだが、後は何んと言っても天気次第。色々予定はしているが全ては神頼み・・・

 

【5日目】

昨日のウユニ塩湖とフィジーとおんなじ様な現地人の村の家など。

 

だいふ暑さにも慣れて来ました。まだ若干怠さが消えないのは苦しいリアルタバコのせいだと思います。苦しいなら何故吸うんだ?と言うのは成澤さんと徳畑さんだけです。 今も汗ダラダラ!下向くとメガネのレンズの内側にボタボタ汗が垂れて見えなくなる。ブラシャツの前ボタン全部外すして風受けると若干マシ。 パラオは毎日26度と30度の間です。昼も夜も!しかし直射日光下では40数度!こんなの日本では絶対有りません。 問題は湿度です。いつも100%近い!!

 

なんとか水平線への日没と、水平線からの日の出をそれなりの絵で撮れそうな場所を見つけて来ました。 最北端までホテルから直行するのに1時間でおつりが来ますのであとは天気さえ良ければです。

 

トラブル発生!暑さと湿度でターミネーターがおかしくなった!レリーズ回路が動作しなくなった。取り敢えずタイミング合わせてインターバルタイマーつないでなんとか撮影中! 色々試してみて原因がわかりました。2つあるレリーズのジャックにプラグを抜き差ししてる内にレリーズのLEDが点灯するようになりました。と言う事は湿度と塩分でジャック内部の端子が短絡状態になっていたものと思われます。ふーむ、この環境は半端じゃないです。

このクソ暑いなかドローン飛ばしたりしながら日没を待っていると、やはり来たねパラウアン。やる事フィジアンとおんなじ!車のドア全開にして熱帯パラオミュージックをボリューム全開で鳴らす!彼らにとっては手軽なくつろぎなんだろうが、直ぐ横で機材展開して時を待っている他人の事はお構い無し!しかしこれは良く言えば大らかさ。これを認め無ければトロピカルアイランドでは生きていけない。

余りにうるさいのでふて腐れて、車の中でタバコ吸ってたら、この車から60くらいの歯が殆ど抜けて無いババアがやって来た。ナカムラサン、ナカムラサン、と言いながら握手を求めて来た。仕方ないので調子合わせて握手してマイフレンド!とか言って上げたついでに、車を指してビッグミュージック!とか言ったらオー!パラヴァンミュージック!とか言って喜んで車に戻って行った。ダメだコリャ🙅‍♂️

日没撮影開始しました。2時間。雲が多いので失敗の可能性大。

日没なんとかなりそうな雰囲気になって来ました。ここに着いたのは午前11:30。タイムラプスやる以前にはこんな忍耐力なかったなぁ。

間も無く満潮。予想通りベタになりつつあり、反射が綺麗になって来ました。

しかし最後はこんなんで、大した事無かったたねぇ。殆どくたびれ儲け。

また一層日に焼けた。

 

今1時間かけてホテルのあるコロールに戻って来てタイレストランでイエローカレーたべてます。 今日は昼飯抜きだったから美味しい!

ところで昨夜セスナ空撮のビデオにスタビライザー処理したらどのくらい改善されるか試してみたが、コマ自体がぶれているのが相当量ある事がわかりました。これは救い様がありません!ビデオって自然体オートで撮るとこう言う事になると勉強しました。 暗い方はシャッター速度は1/30より落とせないから勝手にISOを上げていく訳てすが、明るい時の挙動にはまるて無頓着でした。要は明るい空撮映像だからISO上げたってノイズ出ないし、焦点深度なんて要らないから絞り開放だっていい訳です。肝心なシャッター速度を1/8000にしてやれば良かったのだ!やはり、金かかるがもう一度セスナに乗るしかありません。

どうやら天気の神様は味方してくれないみたいです。どうめスカッと晴れないなぁと思い天気アプリみたらこの先ずっと曇り⚡️マーク!

 

【6日目】

今日は天気は悪いのかと思ったら、何とパラオに来て最高の天気に恵まれました。何といっても10万円かけてのボートチャーターですから一時は死んだ気持ちで覚悟してましたが、本当にラッキーでした。 ツアー会社の話して気に入った青年にガイドを依頼して本当に良かったです。普通の団体ツアーの行動を熟知しているので、潮の高さと人の動きを計算して見事に2か所で素晴らしい撮影を成功させてくれました。 我々以外はに誰もいない島の夢のような景色が広がるビーチでタイムラプス撮影とドローン撮影を思ってた通り実現させられました。最高の景色と環境と天気でした。 ツアーだと上陸しても極短時間だし、観光客はたくさんいるし、太陽の向きとか潮の高さは自由にならないので、このような撮影は絶対不可能だったと思います。ガイドの青年によると日本のTV局の撮影などでチャーター運航することはあったが、一人でチャーターしたのは私が初めてだそうです。(笑)下手したら航空機代が出てしまう金額ですから。

さて今日はスマホビデオでも撮りましたので・・・

ロックアイランズに向かっているところ

 

最初の上陸地の無人島グース島に到着するところ

 

無人島グース島に到着しました

 

撮影開始! 天気は最高、潮が引く前しか船が入ってこれないところなので、早朝スタートの我々が独占。

静かできれいで、ここには小屋とかはあるのでキャンプしたら最高だと思いました~

 

次の無人島、ロングビーチ島へ到着するところ

 

この時間は他のツアーはダイビングとかスノーケリングをやっており、誰もいない!またも終始独占!しかも潮が引くと現れる眉毛のように1Kmくらい続く細い中州が成長していく過程がタイムラプスで撮れました!最高の雲と青空と日差し! さっきの島もここの島もドローンを飛ばしていい映像が撮れました。

とにかく暑い!

昼飯(弁当)を食べに上陸できる他の島へ・・・

暑さにがまんできずついに半ズボンのまま海に入ってしまった。 なまぬるいお風呂です! みずは柔らかくすごく軽くてなめらか・・・フィジーを思い出しました。

予想をはるかに上回る場所と環境(誰もいない)と天気で撮影は大満足でした。 10万円を上回る価値は十分ありました。 なぜならそうしないと絶対得れない映像が撮れたからです。

 

 

ところで海から上がったらすぐ波打ちぎわをサメが泳いでいました!(笑)

 

【7日目】

今朝再びセスナをチャーターして1時間飛行してリベンジ撮影をして来ました。 今回は露出マニュアル設定でシャッター速度1/8000秒で臨みました。レンズは30mm/F4です。この設定で空撮時のISOは500~600で調整されていました。これでわずかなブレのあるコマが時々発生する程度になりました。

今回は更にソフト手振れもONにしましたが、これは悩ましい結果になりました。結局アフターエフェクトでワープスタビライザーをかけて画像処理したのと似たような処理がされているのですが、ワープスタビライザーと同様で中央の対象物が固定され、後は回転とかリスケーリングがされるので、大きな補正がかかると下敷きペコペコの画像歪みが発生するので結構不自然な感じになります。これならソフト手振れはOFFでその分揺れた方が結果的にいいかもしれません。(やってみないとわからない)

航空自衛隊ジェット戦闘機パイロットを退役したと言う元ブルーインパルスの隊員でもあった日本人パイロットとすっかり仲良しになり、パラオ最北部にあるカヤンゲル諸島まで飛ぶとすごい景観だと勧められました。 もうこの際だから思い残すことのないようになんと3度目のセスナチーターを30日に予約しました。チャーターだと行きたいところに行ってくれるし撮影しやすいようにああ飛んでくれこう飛んでくれ等の細かい注文にも喜んで応じてくれますので病みつきになります。(笑) 1回1時間で4万円ですので決して高い!!と言うほどではありません。

手振れの問題に対処するためのソフト処理は最後の最後の手段ですね。ジンバルですが一応OSMOを乗せて上機したんですが細かい振動では無くドンドンと浮き沈みする揺れで余り効果が出そうになく感じたのと、パイロットが以前にジンバル使ってたお客さんがいたが駄目だったと話しを聞いたので使いませんでした。 Z7の光学手振れはもちろん使ってますが、歯がたちません。(笑) 持ち方はもちろん大事! コーパイシートに前向きにベルト固定されてる身体を右にネジっての撮影は支えにくいのです。 後ろの座席で横向いて撮影すればずいぶん違うと思います。 しかしこのセスナはうしろ座席の窓は開かないので、この機体では駄目ですね。 その気になってそれなりの機体機材を用意すればかなり大丈夫だと思います。

 

【8日目】

バベルダオブ島に橋で渡る前にホテルのあるコロール島のラグーンでちょっと撮影しますが、地上からなのに砂浜がないとあまりいい絵になりませんね。 熱帯なので晴れてても時々雨がパラつく。ドローン飛ばしてたらいきなり雨が降ってきて焦りましたー

 

パラオの為に追加購入した新しいドローンMavic2 PROは小型軽量で素晴らしいです。 スペインに遠征した時はPhantom4 PROを持って行きましたが、でかくて荷物が大変でした。 飛行性能も画像もPHANTOM4 PROに比べて特に劣るとは感じません。

ホバリング中のMavic2 PRO。 レンタカーはポンコツのキューブです。

 

今日は久しぶりにターミネータをドーリーの上に乗せてパン併用の2軸モーションで撮影。ジッツォのこの三脚は剛性が高くレール端に来ても重みで沈みません。 他社の三脚は全て落第。 ジッツオのこのモデルだけが合格です。

H300ドーリー、本当にいいです! 勿論組立式の方がスライドスパンが大きくとれていいのは言うまでも無いですが、荷物にならない、設置撤収に全く時間がかからない、のメリットは使用機会を飛躍的に増やしてくれます!

ココナツの実と海岸は絵になりますね。

パラオの村はほとんどがこの様に海岸沿い。この家のバルコニーでは主がのんびりと新聞読んでます。何と言う豊かな時間の中で暮らしているのでしょう!

 

また来てしまった。 ここのアサヒビールは320mlの中国産。 やはりケチるのか? しかも味が滅茶苦茶悪い! 

 

【9日目】

今日はカープ島リゾートに一泊しに出発です。

引き潮のピークから2時間撮影。もっと長く撮りたいが日没の撮影優先。

真っ赤なタコになってしまった。

しかしリゾート島での撮影は思ってた通り楽です。この小屋に色々置いてあっちこち数十メートル以内で撮影できます! 天国です。

なんとか撮れるかなー。 風が強くてドーリーは使えません。 桟橋の上なので風が強烈。 立ってるのが大変な位。

やっぱねぇ、熱帯はすっきり晴れるなんてのはまず滅多にないですね。フィジーでもそうでしたね。 グアムを台風が通過したさそうでそれで風が吹いて海が暴れたんですね。ざっ見てみましたが例え夕陽がバッチリでも海面の荒れは激し過ぎて絵になりませんでした。諦めがつきました。

 

日没は文字通りボツとなったが、このままでは離島に来たのに悔し過ぎる!ならば日の出を撮ってやろうと早々ベッドに入ったが扇風機では暑苦しいし、1分に一度は木の実が屋根にコツンコツンと落ちて気になって眠れない!おまけに寝初め手間もなくスコールが激しく降ってたし、心はドロドロと渦巻いてもう寝るのも嫌になって起きたのです。まだ降ってるのかなと外に出たら.....満天の星⭐️🌟! こんな星空パラオで見たの初めてです。もちろん飛び出しました。Fレンズの2.8 14-24をFTZアダプターを介して取りつけました。しかし、このFTZのせい?なんかカメラの挙動がおかしい。だいたいライブビューで星が見えない!さすがに空暗くIso8000で撮ってますが余裕です。何枚か撮ってちゃんと撮れるので問題ないと思いますが後でPCで見て愕然としたりして・・・

逆さオリオンをヤシの木入れて撮影中です。 ん?逆さじゃない!だいたいここは北半球だ!!あまりに天頂にあるので勘違いしました。しかし透明度は良くないです。水平線に近いところはほとんど星は見えません。とにかく塊の雲がないのがいいところ。

が~ん!!にわかに雲が流れて来てスコールになりました!無事撮れたのは90カット。速度落として6秒位の映像になるかな?いい絵なのにぐやじーです。 しかしスコールは30分程度で過ぎさり、また星空が。めげずにまた撮影を開始しました。またスコールが来るかもしれない。しかしベストは尽くす!

いま3:20です。もう280カット撮れていますのてもはや成功ですね。良かったー!ベンチの平らな長椅子に仰向けになってオリオン座を見ながら天気が悪化しないかしょっちゅう目を開けながら。このまま日の出撮影をする感じなので徹夜です。 おおお、透明度がぐっと上がってオリオンの左手の冬の銀河がくっきり❣️やはり晴れれば空真っ暗なパラオは凄い❗️ こんな冬の銀河は見た事がありません。

 

この辺りの時は視野の右に日の出位置が行っちゃうかとヒヤヒヤでしたが見事に狙った視野内の右に収まりました!

星空と日の出成功で昨日の日没失敗の落胆が、吹っ飛びました!あーしかし疲れた寝たい。 帰りの(船)は午後3時ですが朝飯の後ドローン3回飛ばして、ワンシーン タイムラプス撮影をした後、1時間仮眠したらもう帰るよモードになったので荷物まとめて日陰でのんびりしています。 この島ではメキシコ人、台湾人、日本人、パラオ人、韓国人がいて、色々な人とマルチ言語で話す事になったのだが、何度か相手にキョトンとされました。つまり、自分で何語を話しているか分からなくなっちゃうんですね。さっきも英語で話してるつもりで日本語で一生懸命話したり...面白いなぁと思います。

また黒くなった。

 

【11日目】

さてパラオもあと三日となりました。今まで撮影したタイムラプスとセスナ空撮、ドローン空撮ビデオをささっとレビューしてみたのですが、いったいどれだけの表現ができたのかと自分の感性に問うてみました。 すぐに答えは出ました。 私がここで受けた感動を映像で表現しようと努めた訳ですがその達成感率は・・・30%

特にボート・チャーター上陸したグース島は「ここは天国か?!」と鳥肌が立つ位の感動があったが、潮の関係で1時間しか上陸できなかった為撮影時間が限られており、だったらああ撮っておけば良かったのではないかこう撮っておけば良かったのではないかと、今となっては反省ばかり。あの感動の映像表現の達成感率は・・・3%

余りにも感動が大きくてその場にいる事に満足してしまい、それを表現することに不誠実であったのではないかと、自分のフォトグラファーとしての未熟さを思い知りました。 あと3日で何ができるか?

今朝3回目のセスナ空撮をしてきました。元ブルーインパルス隊員だったパイロットとは、とにかく私からすると憧れの神様みたいな人ですからすっかり仲良くなり、彼が強く勧めてくれた、離れた所にあるので余り行く人のいないカヤンゲル島まで飛んできました。この島のラグーンの美しさは言葉になりません!! 何時も1000フィート位の高度での飛行ですが、今日は5000フィートでしたので揺れは少なく撮影はかなり楽でした。手振れは光学だけオンで撮影しました。

飛行機降りても次のフライトギリギリまで話し込みました。

ちなみに日本の自宅は私の自宅のすぐお隣の武蔵藤沢だそうで、なんたる縁!出会いってみんな意味があるんだなとシミジミ。

昼からは北部にあるM&Aリゾートに来てみました。パイロットの藤沢さんがとても良いと言ってたので。確かにいい!まるでカープ島リゾートみたいです!昨日レビューしておいて良かった。すぐに足りないなと思った映像の撮影を始めました。

あー痒いし皮が剥けるので忙しい!ダウンタウンには中国人の按摩屋が腐るほどあるが、痒いのかいてくれて、皮も綺麗に剥いてくれる店が何故無いのだろうか? 

興味深い経験が一つあります。以前に砂地に三脚立てるのにどうしたら?って話しがありましたよね。私はここではダイレクトに砂地に刺して三脚の脚1本ずつ体重をかけてもう動かなくなるまでやって上手くいってます。板を敷いてはかえってズレそうです。一つには脚の太さと石突きの形状もあると思いますが、何よりめ砂質が関係あるかも知れません。ここのは小さな貝とかサンゴのカケラで出来ているので、ジャリジャリしてますのでしっかり噛み込む感じです。

 

さて、本格的?にビデオに挑んだのは今回が初めてなので当たり前なのですが、ビデオ撮影については相当勉強しました。その一つが話題になったブレの問題です。スチルでは大した問題にならない事がビデオでは問題になる事がわかりました。それで何故ビデオ撮影ではジンバルが使われるのか、その本当の意味がわかりました。 実は今日の3回目のセスナ空撮では、Z7に加えてミニジンバルに載せたOSMOも使ってみたのです。おそらく風の吹かれるから使いものにならないだろうと思ってです。

結果には唖然としました。

今日は比較的高い高度を飛んだのでZ7はかなりマシだったし、両方とも液晶モニター見てた限りでは同じように比較的安定しているように見えたのですが、さっきパソコンで見てみたら、アッ🤭と驚く為五郎❣️  ジンバルのOSMOはどんなシチュエーションでも「全く」揺れないぶれ無い!Z7単体との差は天と地の差❗️

ただ画質はいくらOSMOやGOproが良いと言ってもZ7との差は歴然ですがね。Z7で比較して劣っていたのは振動だけでは有りませんでした。ここがこの話しの深い所です。 カメラの手ブレ防止は絶対ビデオでは使ってはいけません!ソフト手振れはOFFにしてたので使ったのは光学手振れだけだったのですが、レンズを動かして補正しているので問題は発生するのです。周辺像が補正に伴い歪むのです!これは光学もソフトも同じ事だったのです。ジンバルで撮影したOSMOと比べるとその違いは歴然!

だから!ビデオではジンバルを使うのです!使われているのは分かっていたが、その本当の意味を知りました。 今回の使うべきだった機材はZ7とAKジンバルだったのです。重くても座席に座っているのだからなんとか支えられたと思います。 以上、高いコスト払ったが私には素晴らしい経験となりました。 参考までに、スチルの場合は手ブレ防止機能使ってもわずかな周辺ね歪みはまず問題となりません。元々レンズ像の周辺は歪んでいますから。ビデオだとその歪み方が変化するのでNGなんです。

 

乱暴にも最後の賭けに出ました! 心残りな無人島、グース島をリベンジ! 明後日天気が良ければ再びボートをチャーターすることにしました。潮の限界で上陸し、限界で離島する計画です。2時間以上は確保できそうです。ただし満潮の時間が前回と違って正午前なので他のツアー客がランチするために上陸してくるかものリスクはあります。 明後日は最後にスノーケリングツアーに参加して水中ビデオ撮影の予定でしたがそれをキャンセルするので追加費用は8万円になります。 この旅は本当に金を使いました。船、セスナだけでZ7がもう一台買えるくらいです。でも機材マニアになっても何も素晴らしい映像を撮らねば意味ないですからね!と自分に言い聞かせています。(笑) あ、水中ビデオは明後日のボートで適当なスポット探してもらってそこでするつもりですので、一石二鳥ではあります。

ここまで血流したんだからもうちっと流したところで大勢に影響ない!明々後日の最終日、実は荷造りやドローンの日本発送の為に予定は何も入れなかったんですが、4回目になるセスナ空撮を予約しました。昨日のビデオ見てると、例え画質は多少落ちても、OSMOとジンバルの映像が捨てがたく、このまま帰ったら一生後悔すると思ったからです。最初の二回Z7だけで撮影したパラオのメインサイトであるロックアイランズの撮り直しです。これでこの二週間で私にできる事はすべてやり尽くした事になります。

さぁ帰ってから大変だ!でも今はお金の事は考えないようにしよう。(笑)

 

【12日目】

バベルダオブ島の北部の村はサンゴ礁の海岸沿いに美しく広がっているのがわかったので、今日は更に奥深い村を探訪することにしました。

海岸沿いの村人の家の庭に車を入れさせてもらって、撮影をさせてもらいました。

素晴らしい海岸線! これが自分の家の庭なんて・・・

真っ黒汗だく!

この家の子供と奥さん

 

暑い❗️今色々と最後の根性でリベンジ❗️

 

【13日目】

今日はリベンジ挑戦で再度ボートをチャーターしてグース島撮影に再挑戦しました。 なんと今日はこの二週間で初めての日本の秋晴れ!パラオでは大変珍しい快晴となりました。朝、潮のギリギリで進入上陸、3時間も撮影ができました。完璧に満足するまで撮れました。3%だった満足度がとりあえず80%と言っておきます。(あとは出来次第) リベンジ1号成功しました。賭けでしたがなんとか勝ちました。 

あとは最終日の明日朝のセスナ空撮ですべてが決まります。 帰りがけ、パラダイス岩礁で1時間スノーケリングをしながら初めての水中ビデオ撮影をしました。 なんとか色々撮れたので使えると思います。

これはグース島で簡単にスノーケリング(久しぶりなので)練習というか問題ないことを確認しているところです。

水中の撮影は、まるで熱帯魚屋の水槽の中にいるみたいで綺麗でしたよ。 余談ですが、ナポレオンフィッシュにも出会えたのですが、手厚く保護されていて、捕獲は一切禁止だそうです。無視して捕獲して食べた人に罰金数千万円が課されたそうです。ひぇ~~

 

【14日目】

朝の最後のリベンジ挑戦、4度目のセスナ空撮無事に終わりました。湿度が高くやや霞っい時もありましたが、最初の3回、Z7を使って試行錯誤してダメだったロックアイランズの撮影、今PCで確認しましたが振動皆無のスムースなビデオで収めることができました!

撮影したタイムラプス・シーンは全部で42本、ドローン空撮ビデオは5か所で撮影、セスナ空撮ビデオが4回(うち2回はボツ)、ドライブレコーダー・ビデオが1回、水中撮影ビデオが1回になりました。保存したデータファイル量はすべて合わせて1.2TBになりました。 最終評価は帰国後かなり時間をかけて画像処理編集後になりますが、4日前に30%しかないと感じた「自分が受けた感動を表現できたと感じる率」はこの3日間のリベンジ作戦で大きく改善したと思います。どうだろう?控えめにみても7割は描くことが出来たかもしれません。まだ最後の修正・追加ができる時点で冷静に振り返り・分析し、残された時間でできる事だけを考えて諦めずにベストを尽したことが良かったのではないかと思います。

今夜の夜中の便でついにパラオともお別れです。 グーグルアースで世界中探しても、珊瑚礁の大きさと美しさでおそらくパラオ以上のところはないのではないでしょうか。 大多数の観光客は中3日程度のスケジュールで来る人が多く、激しく天気が変わる熱帯ですから運悪く滞在中天気全滅なんでのが良くあるそうです。 ここに2週間滞在する人は極めて異例だそうですし、ボートを2回チャーターした人もセスナを4回チャーターした人も私が初めてだそうです。

気が狂うような湿度と暑さの中、本当に熱く燃えた2週間でした。

 


 

【今回撮影した作品です】

1. タイムラプス限定版(6分50秒)

ビデオ映像を省いた、タイムラプス動画のみバージョンです。 短いですが肝心のセスナからの空撮ビデオが見れません。

 

2. 完全版(31分27秒)

タイムラプス動画に加え、ビデオ映像も含めた完全版です。ただし約32分と長いです。 ヒーリング映像としてお楽しみください。

 

3. ダイジェスト版(14分47秒)

完全版からベスト・シーンのみを抽出して約15分と短くしたダイジェスト版です。 一番見やすいかもしれません。

 


 

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みなさんただいま~!本日やっと帰国しました。

パラオの後、ミャンマーでは新しい試みに挑戦してきました。ミャンマーは既に2回合計4週間のロケでかなりの大作ができているのと、パラオでエネルギーを完全に使い果たしたので、たとえ違う場所でもわずか5日間タイムラプスを撮って どうなるものでもなかったからです。 最近ビデオにも手を染め始めましたが、人物スチル撮影に挑戦することにしました。ホテルの従業員に頼んで女の子を紹介してもらい、あちこち一緒に訪れながら一日わずか2万チャット(1,400円!)で応じてくれて、ちゃんとモデルプロパティも記入してサインも貰いましたので、形の上では商用利用可の本格対応です。

朝夕のチャウンター(ミャンマーで最も有名なビーチリゾ-ト)での撮影(基本的に顔はシルエットで撮りました)や、ピエ(ミャンマー最古の遺跡/BC6世紀があるパゴダや寺院沢山の地方の街)でそれぞれ2泊ずつ、走行は1,000Kmくらいでした。 ミャンマー自体は既に5,000Kmも走破し、色々知り尽くしているので、今回は実にのんびりと言い時間を過ごさせてもらいました。

これで、タイムラプスに加え、ビデオ、空撮ビデオ、水中撮影ビデオ、人物スチルと手法に幅ができて来たかもしれません。これからの作品作りは大きく変わっていくかもしれません。

 

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■ 今回の製品レポート1(Z7)

Z7はとにかく軽量でいい。かと言って小型過ぎず、スナップ撮影的に使う時など、グリップが深いので右手の指に確実に引っかかって楽にぶら下げて歩けました。そのままの状態で人差し指でPOWER ON/OFFが小まめにできるのでバッテリー節約にも良かったです。  一方、Z7の電子ファインダーはどのカメラ雑誌を見てもべた褒めだが、あれは笑っちゃいます。一眼レフとは天と地の差です。まぁ参考にはなるし使えるけどね。 大体誉めている理由がファインダー内で例えばWBの設定変化や色々な条件での像が確認できるとかだが、そもそもあのチープなLCD画像を頼りにして設定・調整する人の気持ちがわからない。 こんな事あるから、私は雑誌や良く知らいない他人の「評価」は気にしません。自分の目で確認したものしか信じないです。

 

■ 今回の製品レポート2(Manfrottoのカメラリュック)

https://www.amazon.co.jp/gp/product/B072J9MLMV/ref%3Dppx_yo_dt_b_asin_title_o03_s00?ie=UTF8&psc=1

素晴らしいの一言でした。 私はいままで国産のラムダのカメラリュックを使って大変満足していましたが、今回の遠征でこの製品を買いました。実際に見てみると一回り小さく見えるし中が複雑で大して入らないのじゃないか?失敗したか?と思っていたのですが、実際使ってみるとその有効性はラムダのはるかに上でした。仕切りやプロテクト、それから巧みに色々な収納スペースが考えられていて頭が下がりました。リュックの背中があたる側がペロッとファスナーで開くのはとても使いやすかったです。PCスペースや書類スペースその他いくつか作られています。また上部ファスナーはリュックを立てた状態で開けてかなりの塊を収納できます。

Z7にF4/14-30mm、F2.8/24-70mm、FレンズのF2.8/14-24mm、フィルター10枚、懐中電灯、工具、ブロアー、HDD、PC、AstroLapseターミネーター、リチウムバッテリー2個、諸ケーブル類、インターバルタイマーなど入れてもまだまだ余裕があります。 全体感としてこの四角の形がどんな場合でも崩れないのがいいですね。とても背負いやすかったです。機内持ち込み手荷物にもぴったりです。

 

■ 今回の製品レポート3 FeiyuTech WGX2ウエラブルジンバルスタビライザー)

https://www.amazon.co.jp/Feiyu-Tech-3%E8%BB%B8%E3%82%AB%E3%83%A1%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%93%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%B6%E3%83%BC-Session%E5%AF%BE%E5%BF%9C-%E3%80%90%E5%9B%BD%E5%86%85%E6%AD%A3%E8%A6%8F%E5%93%81/dp/B07ML68RD2/ref%3Dsr_1_6?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&keywords=FeiyuTech%2BFeiyu%2BWG2X&qid=1577411588&sr=8-6

なんと言ってもこれですね。超驚きの成果。 おもちゃのようなジンバルですが、その効果はパーフェクト! ミャンマーでも3輪タクシーでダートを走ってパゴダ巡りましたが、時々悲鳴を上げるほどの衝撃で揺れるなんてもんじゃないですが、ビデオは揺れてるのは車体で景色は微動だにしてませんでした。 

 

(おしまい)

 


最適なDC12V電源

2019年08月31日 | 日記

電源製品レポートです。

私はカメラ、ドーリー、ヒーターなど全ての撮影関連機器の電源は12Vをソースとしています。(カメラには電圧コンバーター挿入) もちろんポータビリティの要求される場所での撮影には12Vと8Vのリチウム・ポリマー・バッテリーを使っていますが、そうでない場合はもっと長時間使えるシステムが便利だからです。そこでいつも色々な12V電源ソースを試しています。 12Vに統一しておくメリットには、いざとなれば車から直接電源を引いてくることも可能なことにもあります。

今までは重たいシールドバッテリーを使った12V電源を使っていましたが(私の著作に写真が紹介されているもの)なにしろでかくて重たいと言う問題がありました。


今回試したのはこれです。
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B07KR9Q3LQ/ref=ppx_yo_dt_b_asin_title_o04_s00?ie=UTF8&psc=1

 

結論から言うと素晴らしいです!これは同じリチウムでもリン酸鉄リチウム(LiFEPO4)電池を内蔵していて、爆発発火のリスクがなくライフサイクルも2000回に達すると言う、良くあるキャンプ・車内泊用のリチウムイオンまたはリチウムポリマー電池とは全く異なる新しいタイプのリチウム電池です。


負荷にQ3-TD3000ド-リー、CANON 5DMKⅢ、12V/12W強力型レンズ・ヒーター(ヒーターコイル2重巻き仕様で普通の倍)を接続してシャッター速度はバルブで15秒、インターバル4秒で運転テストをしました。 夜7時半に撮影運転開始して朝目が覚めてもまだ動いていて朝5時45分にこの電源装置の過放電保護装置が働いて電源OFFになりました。なんと10時間です!!!これは参りました。このサイズでこの容量とは!!

ザックに入れて山登りするにはちょっと重いですが、車の比較的近くで撮影するなら全く問題ありません。5V USBもついていますので5Vヒーターも使えます。 これでシールド・バッテリーを使ったクソ重たい自作の電源システムはお蔵入り決定となりました。(笑) 

ちなみに重さ2.3Kgです。 サイズもこのとおりの小型です。

 

 

 


初めてのタイムラプス(習作)に見る素人の過ち

2019年06月12日 | 日記

私がタイムラプスを始めたのはフィジーに在住していた時で、その時に撮ったタイムラプスの本数が5ヶ月(最後の5ヶ月)で68本になります。

たまたま持ってたCANONの40D(APS-C)とSIGMAの一番安い標準ズームを、フィジーの市場で買ったひょろひょろの三脚に載せて撮影。タイマーだけ日本から送ってもらって始めました。まぁ今からみるととても見られた映像ではなく、ほとんどのシーンが風などの振動しっぱなし。画像処理は明るさとコントラスト調整しかできないフリーソフトを使ってたので、画像処理なしのすっぴんみたいな物でした。

今般その68本を一気に再画像処理をすることにしました。大変な作業量でした。ほとんどのシーンが丸ごとスタビライザーにかける必要がありました。その中から50本あまりを生かすことにして作品にまとめました。一応4Kで仕上がっています。

この作品は、言わば習作集です。この集中して大自然と向かい合った言わば下積みのような機会があったからこそ、その後今の道へ進むことが出来たと思います。これは今日のタイムラプス・フォトグラファーとしての私のルーツを記録した作品であると同時に、懐かしく忘れられないたくさんの思い出が刻まれています。39秒あたりに出てくる白い車(カローラ)が写ってるのが私の住んでいた家です。

 

  

 

さて、改めて当時の撮影したファイルをつぶさに見て気がついた事がありました。言わばとんでもないドジです。当時はまだ日本ではタイムラプスがほとんど広まっていませんでしたから誰も教えてくれる人も書籍もなく、仕方なかったと思います。

 

(1)ISO

まず感度のISOはすべて400で撮影していました。最初はあえて選択したのかな?と思って作業を続けましたが、68本全てのファイルがISO400で撮影されていました。つまり全く気にかけておらずたまたま設定されていた値をずっとそのまま使用していたのだと思います。現在仕事で使っているカメラはNIKONのD850がメインですが、例えD850であってもISOを100より上げる時にはノイズの増加を常に意識して決断します。それをこのような廉価なカメラで設定していたとは考えられないことです。しかも被写体は太陽がギラギラの熱帯地方の景色ですから何を考えていたのでしょう?

 

(2)露出オート

タイムラプスでは露出オートは絶対に使いません。適切な望んだ明暗表現ができなくなるばかりか、光源の変化があった場合は測定誤差による明るさのバラつき(フリッカー)の原因にもなります。また焦点深度が移動したりと、意図しない映像が撮られてしまいます。 RAWファイルの記録を見る限り、どうやら露出オートを使っていたようです。絞りとシャッター速度がひとつのシーンの中でひとつの傾向を持って変化していました。最悪だったのは、P(プログラム・モード)を使用していたようで、明るさに応じてカメラのオート設計に応じてて絞りもシャッター速度も自動選択されたことでした。

この結果明るい被写体が多い中で驚いたのは使われた絞り値でした。ほとんどがF16かF22で撮られていました。絞ると焦点深度は深くなりフォーカス範囲が広がります。また太陽や月に向かって撮影する場合、星型の光芒が広がって独特の絵が作れたりします。後者の場合F22に絞る事はありますが、前者の場合F11を超えて絞り込むと今度は解像度がどんどん劣化して行くと言う問題があります。(つまりどんどん絞って行けば最後はピンホール・カメラになっちゃう訳です) それを無条件に絞れるだけ絞っていたとは・・・

まぶしい熱帯で、ノイズを犠牲にして感度を上げて、その代わり?絞りを絞れるだけ絞って撮っていたことになります。

 タイムラプスの撮影ではISOはできるだけ低く(基本はISO100)、マニュアル露光で、焦点深度が必要な場合はF11を限度として絞り込みますが基本は開放です。(何度も連続してシャッターを切っていると電子絞りが設定の位置まで動かずに撮影されてしまい、致命的なフリッカーを起こす事があるので)

その上で絞りとシャッター速度の関係は、視野内で動いているものをどれだけブラすかを考えて決めます。わかりやすい例で言うとスクランブル交差点を撮影する場合、歩行者が一枚一枚の写真内でブレて写っていた方が動画にした時に動きが滑らかになるのです。必要とするシャッター速度では明るすぎる場合はNDフィルター(減光フィルター)をつけて調整するのが良い結果を生みます。

 

 (3)三脚

もうひとつ重症な不具合がありました。それはカメラの振動です。これはおそらく風に起因するものだと思われますが、何よりもそれを許したのは脆弱な三脚を使用した為です。三脚は当時持って行かなかったので、フィジーの何もたいした物は売られてない市場でかろうじて売られていた中国製のおもちゃのプラスチック製のふにゃふにゃ三脚だったと思います。 そのおかげで再処理作業はかなりの時間を要しました。(ほとんど全てのファイルにスタビライズ処理を行う必要がありました)

 

・露光オートは使わない

・柔な三脚は使わない

 

簡単な事ですが、全くの初心者であった私が犯した過ちです。もしかしたらこれからタイムラプスを始めようと思っている方にはお役に立つ話かもしれないと思い、恥を忍んで?公開しました。

 

 

 


タイムラプス「知られざる小海の自然」(全6部作)

2019年05月31日 | 日記

 長野県小海町で一年間にわたりロケを続けて来た「知られざる小海の自然」全6編がすべて完成しました。 制作には一年の間、朝から晩まで約50日間にわたる総撮影日数を要しました。 この作品は、小海町のご依頼で小海町の観光PRのツールとしてタイムラプス映像で制作することになったもので、小海町と小海町観光協会の皆さんのご協力で、大変思い出深い大作を完成する事ができました。

以下は既に公開済みの全6編の一覧です。 YouTubeとVimeoの両方で公開しています。 8Kで制作しておりますので、最大8Kで鑑賞することができます。 YouTubeはリンクしたURLをクリックしてご覧ください。

 

Ⅰ. 秋の彩り編                 

https://www.youtube.com/watch?v=qq1Utnsp7ZQ&t=74s

Ⅱ. 氷結の厳冬編              

https://www.youtube.com/watch?v=MLx_UIXlcOc

Ⅲ. 燃える新緑編              

https://www.youtube.com/watch?v=YoMVVeA3qpQ

Ⅳ.夏色の緑編   

https://www.youtube.com/watch?v=d23TJsIoWnc

Ⅴ. キラめく星空編          

https://www.youtube.com/watch?v=ulRD-juytt0

Ⅵ. 季節を超えて編

https://www.youtube.com/watch?v=20R8Igni7eI&t

 

 またこれら6編を一括して鑑賞することができる統合版も公開しております。

 


妹尾一郎さんの「ドローンマン」

2019年05月20日 | 日記

私事ですが、私がSKYPIX JAPANを立ち上げてタイムラプス・フォトグラファーとしてプロの世界に入り込むことが出来たのは何人かの方との稀有な出会いの機会に恵まれたからです。 若い頃からの叩き上げたフォトグラファーとしての経歴を持たない私一人の力だけでは何もできなかったに違いありません。 そんな私の人生の転機を支えて下さった方達の中に、妹尾一郎さんと言う東京・渋谷でアールビットと言うスタジオを創設し永年スタジオ・カメラマンとして大活躍して来られた方がおられます。

この妹尾一郎さんがこの春、初めて自叙伝物語「ドローンマン」を執筆・発刊されました。 私も何を唐突に小説を書くなんて?と驚いた事は言うまでもありません。 しかし拝読してみて、その読みやすく自然で豊かな文章力と圧倒的な執筆ボリュームに驚嘆すると共に、夢中になって読破させられました。

 

 

映像の世界で雑誌「anan」などを華々しく飾り、スチルカメラマンとして何ひとつ不自由なく半生を捧げて来た妹尾さんが、海外ロケとそのロケを共にした歴年のビデオカメラマンとの出会いを通して今までの行き方に疑問を感じ、人生の大転機を迎えることになった驚きの感動ストーリーです。

この大作は、映像世界で活躍しているプロの方には実にリアルな共感を与え、一般の映像に興味を持たれている方にはプロの世界で繰広げられているすざましい現実を知る絶好の機会を与えてくれると思います。 また、そもそも映像とは何か?と言う遠大なテーマまで深く考えさせられる物語でもあります。

ちなみに私は日ごろ小説などは絶対に読まないタイプの人間ですが、その私が夢中になってあっと言う間に読破したとても読みやすく虜にさせられた大作です。 是非みなさんにもお勧めしたいと思います。 色々なところで販売されていますが、アマゾンでは下記の通りです。

https://www.amazon.co.jp/%E3%83%89%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%83%9E%E3%83%B3-%E5%A6%B9%E5%B0%BE%E4%B8%80%E9%83%8E/dp/478161776X/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&keywords=%E3%83%89%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%83%9E%E3%83%B3&qid=1558307097&s=gateway&sr=8-1

 

 


海外遠征に最適なH300ドーリー用のおすすめ三脚

2019年05月14日 | 日記

2019年4月に新発売となったH300ドーリーは三脚1本に設置できる超軽量小型ドーリーで、発表直後から多くのお客様からお問い合わせを頂いております。 長さが30cm程度のレールで倍のレールスライド量を実現する特殊なHドーリーは、従前のH350、H400時代からも、山岳登山撮影、海外遠征などされる方にご支持を頂いて参りましたが、H300は更に短くしかも構造を大きく変更して大幅に軽量化に成功した製品で、従来のH350の2.3Kgに対して1.6Kgしかありません。わずかな違いのように見えますが実際に持ってみるとその軽さに驚かれることと思います。

さてHドーリーの使用に当たって従来より配慮しなければならない事が搭載する三脚の剛性でした。従来のH350ドーリーでも同じだったのですが、このH300もやはりカメラをレールの端に移動した時に若干沈みます。(カメラの緑色の水準器の水平線がレール端では黄色くなる) 良く調べてみるとこれはドーリーの剛性の問題ではありません。三脚の雲台部分のたわみです。

手持ちの色々な三脚約10台で試しましたが、雲台を取ってダイレクトに取り付けると最終的にレール端5cmまでは緑色で耐えられる事がわかりました。どの三脚も雲台を取ってもその下が三脚と完全に一体固定されていないので、たわみは僅かですが残るのです。

このたわみ問題を解決してくれる三脚を色々探しましたが、お勧めはGITZOのシステマティック・シリーズです。高価な三脚ですが遠征先で使用するのですからカーボンを選択し、サイズは3型が最適です。その結果は驚きで、たわみは皆無です!

写真(室内で実験中の写真でごちゃごちゃして見にくくてすみません)はGITZOシステマティック・カーボン3型にマンフロットのレベラーを取り付けてH300を載せたものです。H300に雲台を付けてカメラだけ搭載(X3pt-Terminatorは延長ケーブルで接続してバッテリー内蔵のエンジンとして使用)したものと、X3pt-Terminatorごと載せたものです。スライダーとしてだけのモーションで使う場合はカメラだけ載せた方が風の影響は受けないしGOODです。どちらもレール端でも水準器は緑のままです。

 

 

 

 

このドーリーと三脚の組み合わせは間違いなく海外遠征のベスト機材だと思われます。エレベーターが付いている三脚はどうやってもたわみが残ります。三脚トップがフラットで3/8ねじだけが付いているのが理想で、システマティック・シリーズがまさにその要求に応えてくれます。


長野県小海町・松原湖畔で稼働中の超長期タイムラプス自動撮影システムが捉えたベスト・シーン(2)

2019年04月10日 | 日記

既にご紹介したように、長野県小海町にある松原湖湖畔では1年間の予定で昨年11月から超長期タイムラプスを撮影中です。 毎日日中5分おきに撮影を続けており、既に撮影枚数は1万8千枚に達しています。(撮影にはCANON EOS 6DにEF16-35mmF2.8を使用しています。 この場所は氷点下30度近くまで気温が下がるので撮影ハウジングにはヒーターシステムを組み込んでカメラの動作と、ガラス面の結露を防止しています。)

この超長期タイムラプス撮影システムが何度現地に通っていくら待っても余程運が良くないと出逢えない松原湖のベスト・シーンを捉えていました。 全く風のない無風状態になると湖面がまるで鏡のようになります。場所柄このような条件には滅多に恵まれないのです。 事実半年間撮影を毎日続けて1万8千枚撮ったなかで、これぞと思ったものはわずか以下の2枚しかありませんでした。 とても美しいです!

 

 

 

この画像を撮影してくれた超長期タイムラプス自動撮影システムです。 

 

 


長野県小海町・松原湖畔で稼働中の超長期タイムラプス自動撮影システムが捉えたベスト・シーン(1)

2019年04月10日 | 日記

長野県小海町にある松原湖湖畔では1年間の予定で昨年11月から超長期タイムラプスを撮影中です。 毎日日中5分おきに撮影を続けており、既に撮影枚数は1万8千枚に達しています。 完成すれば四季折々の変化をなめるように見せる素晴らしい映像になると思います。冬の間は湖面は完全に氷結(氷の厚さは40cm)してワカサギ釣りのメッカになったりしました。

撮影にはCANON EOS 6DにEF16-35mmF2.8を使用しています。 この場所は氷点下30度近くまで気温が下がるので撮影ハウジングにはヒーターシステムを組み込んでカメラの動作と、ガラス面の結露を防止しています。

 

 

このシステムで既に撮影された多数のカットの中からいくつかナイス・ショットがありましたのでご紹介します。 定点で辛抱強く?機械が自動撮影してくれた賜物と言えます。

まずは4月6日に隣の佐久穂町で発生して大規模な山火事です。 火事そのものではなく、空から水を撒いて消火する為に自衛隊の大型ヘリコプターが100回近く松原湖と火災現場を往復して、湖水を大型バケツで汲み上げて行ったのです。 迫力あるシーンです。 この日は松原湖周辺は安全の為規制されて入ることができませんでしたから、仮に駆けつけても撮影することはできなかったシーンです。 背景に八ヶ岳と青空が綺麗で、まるで計画されて撮影したシーンのようです。

 

 

上のカットをズームアップした映像がこれです。

 

 

もうひとつこのカット

 

上のカットをズームアップした映像がこれです。